SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Autumn

マーケティング組織を立ち上げて最初の6ヵ月でやること

ベンチャーが大手企業を動かした「事例・現場・越境」の力 ギブリー山川氏語るエンタープライズ攻略

エンタープライズと良好な関係を築くには?

松本:特にエンタープライズ営業は、営業担当者がマーケティングやカスタマーサクセスの領域まで踏み込むなど、越境しなければ仕事が回らない側面があります。お客様の側から見ても、部門間の情報連携がスムーズな企業は、非常にポジティブに映るでしょう。そこで、エンタープライズと良好な関係を築き、サービスを使い続けていただくために「これだけはやっておくべきだ」という基準や活動はありますか

画像を説明するテキストなくても可

山川:リードジェネレーションという観点では、投資が可能であれば、一定規模の展示会に積極的に出展すべきです。我々は展示会に出るなら、どこよりも多くの名刺を交換することを絶対的な目標に掲げ、そのための人員を惜しみなく投入します。

 ここでも「越境」が重要になります。展示会に大勢が参加した次は、インサイドセールスが一気にアプローチをかけます。リードが急増するタイミングではインサイドセールスに人を集め、商談化が進んだら今度はフィールドセールスに人を集める。こうしたリソースの再配分を、経営の指示1つで迅速に行える組織体制が不可欠です。リード獲得に飛び道具はありません。CMやタクシー広告ではリードを獲得できませんから、人がいる場所に足を運ぶしかないのです。

 ナーチャリングという観点では、我々が重要視しているのが、お客様がリアルで参加するイベントです。我々は毎年「Givery Summit」という大規模なリアルイベントを開催し、既存のリレーションだけで1,000名以上を集めます。そこでは、日本マイクロソフト様、リクルート様、ニトリ様、名古屋鉄道様といった弊社のパートナーやお客様にご登壇いただき、先進的なAI戦略や、AIの自社内での活用事例をトークセッションや、ピッチ形式で発表します。

 完全に「クローズド」のイベントで、集客はもちろん、企画から当日運営まですべてを内製で行うからこそ、我々とお客様の間に一体感が生まれます。「何かあったらまずギブリーに聞いてみよう」と思ってもらえるようなマインドシェアは、こうした熱量のあるリアルの接点から生まれるのです。

マーケ組織が最初にやるべきことは「文章を書く」こと

松本:連載テーマは「マーケティング組織を立ち上げて最初の6ヵ月でやること」です。営業主体の組織に、これからマーケティング機能を立ち上げる、あるいは兼任で担当者が置かれる、といったフェーズを想定しています。そのような状況で、最初にセンターピンとして押さえるべきことは何だとお考えでしょうか

山川:マーケティングを担うのであれば、まず「文章を書くこと」。それが最も重要な第一歩だと考えます。プレスリリースでも、展示会のキャッチコピーでも、LPの文言でも構いません。経営が発信したい本質を深く理解し、それを言語化できるか。

 顧客やマーケットへの解像度が高いマーケターが書く文章には、サービスのポイントを的確に捉えた、魂のこもった言葉が宿ります。なぜこの順番で機能を説明するのか、なぜこの写真を選ぶのか、そのすべての意味を説明できる状態でなければなりません。その思考の結果が、クリエイティブや文章に表れるのです。

 BtoB、特にエンタープライズ領域におけるブランディングの価値は、非常に重要になってきています。私は、「説明できないがなぜか選んでしまう」ものをブランド価値だと認識しています。安いから、速いから、といった合理的な理由だけではない、言葉にできない非言語的な部分への投資。それは、ROIでは測れません。そこに資金を投じられるかどうかは、最終的には経営者の意思決定でしかあり得ないのです。

松本:今日の話は、マーケターは「マーケティング」だけに閉じこもるな、という話だと受け止めました。マーケターとして「マーケティング」だけにこだわろうとするほど、逆に、活躍の場を失っていくのかもしれません。特にBtoBの場合、越境して複数の役割を兼ねることが、事業を推進するエンジンになると感じました。私たちビジネスパーソンに求められるのは、結果を残すこと。改めて背筋が伸びました。今日はありがとうございました。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
マーケティング組織を立ち上げて最初の6ヵ月でやること連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松本 健太郎(マツモト ケンタロウ)

株式会社EVERRISE 執行役員CMO
龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で統計学・データサイエンスを“学び直し”。デジタルマーケティングや消費者インサイトの分析業務を中心に、さまざまな分析を担当する。noteで活躍しているオピニオンリーダーの知見をシェアする「日経COMEMO」メン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/09/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50707

Special Contents

PR

Job Board

PR

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング