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“超上流”からCXを変革する。JALデジタルがブレインパッドの伴走で実現した自走組織への軌跡

 2026年4月、JALグループのデジタル機能は「JALデジタル」へと全面的に集約された。2024年のデジタルテクノロジー本部発足に始まる2年にわたる組織変革が完了し、ここから新たなスタートを切っている。そして、この変革を突き動かしてきたのが、“超上流”をめぐるグループ全体の問題意識だった。同社が“超上流”と向き合うために立ち上げたのが、「CX10ヵ年計画」のビジョン策定から実行プロセスの具体化に至る一連のプロジェクトだ。その共創パートナーとして参画したのが、企業のデータ活用を長年支援してきたブレインパッドである。JALデジタルが自ら考え、戦略を描くプロセスを徹底的にサポートした。なぜJALデジタルは、外部に委ねず「自ら答えを導き出すこと」にこだわったのか。そしてブレインパッドとの共創は、JALデジタルが“自ら考える”力をどう引き出し、組織と思考をどう変えたのか。JALデジタル デジタルソリューション部の岡本昂之氏、同社 デジタル戦略部の豊田瑛都氏、ブレインパッド データエンジニアリングユニットの堀川亮氏、同セールス&マーケティングユニットの松本洋介氏に話を聞いた。

デジタル組織の統合と、顧客起点へのシフト「CX10ヵ年計画」

──まず、JALデジタルが発足した背景から教えてください。

岡本(JALデジタル):もともとJALグループは、デジタル・ITの推進機能がかなり分散していて。JAL社内には、攻めのデジタル推進を担う「デジタル推進部」もあれば、守りのシステム安定稼働やシステム企画を担う「IT企画本部」もあり、さらに開発・運用・保守はグループ会社の「JALインフォテック」もいて。そんなふうに人財も機能もバラバラだったので、DXを機動的に進めるのが難しかったんです。

岡本昂之氏
JALデジタル株式会社 デジタルソリューション部 岡本昂之氏
2009年、日本航空に入社。Web販売部にて約7年半、JALのWebサイトやアプリの企画・売上最大化を牽引。2024年にデジタルテクノロジー本部へ着任し、マイレージやコマース領域のDX企画を担当。2026年4月より現職。内製で培った知見を活かし、JALグループ外向けのBtoB事業展開や外部収益拡大を担う。

豊田(JALデジタル):当時はデジタル推進部がビジネス部門とIT企画本部の橋渡しを担う体制でした。ただ、関係者が複数に跨っていて、連携も十分とは言えない。しかも実装を担うJALインフォテックは、JAL側で決めた要件をそのまま受ける、ほぼ“受発注”の関係でした。ビジネス部門が決めた要件を、デジタル・IT側はただ実装するだけ。だから、自分たちから価値を提案していくという発想を、そもそも持ちにくい構造だったんです。

岡本(JALデジタル):そこで私たちは、JALグループ内に分散していたデジタル・IT推進の機能と人財を集約させ、DXを加速させると同時に、ビジネス部門と共に価値を生み出していける体制を築こうと、組織変革に踏み出しました。

 2024年にデジタル推進部とIT企画本部を統合してデジタルテクノロジー本部を立ち上げ、翌2025年にはJALインフォテックがJALデジタルへと社名を変更。そうして段階的に機能を集約し、2026年4月、丸2年に及ぶ組織変革が完了しました。ビジネスと一体となって価値を生み出していける体制がようやく整い、「JALデジタル」として本格的なスタートを切ったんです。

 私自身、もともとビジネス部門にいた人間で、この変革に合わせてデジタル側のリーダーとして移ってきました。箱を統合するだけでなく、人も行き来させてこそ、ビジネスとデジタルは本当に一体になると実感しました。私の異動も、その象徴のひとつだったと思っています。

JALデジタル一体化及び組織概要について(提供:JALデジタル)
JALデジタル一体化について(提供:JALデジタル)
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──その大きな組織変革の最中、「CX10ヵ年計画」の策定も始まったそうですね。

豊田(JALデジタル):そうなんです。2024年にデジタルテクノロジー本部が発足して、ビジネス部門ともっと密に連携していくことが私たちのミッションになりました。だからこそ「顧客起点で、10年後のシステムのあるべき姿を考えよう」と動き出したんです。

 それまでは、どうしても保守更新や老朽化対応といった“システム起点”で計画を立てがちでしたが、これからはビジネス部門と一体になって、顧客のためにどう価値を出すかを考えなければいけない。そこで、マーケットの変化を見据えた“顧客起点”の計画策定へと大きく舵を切りました。

 その際、同時に見据えていたのが、IATA(国際航空運送協会)が提唱する次世代の航空販売モデル「MAR(Modern Airline Retailing)」による業界の変化です。これはJALとしても避けては通れない業界全体の構造変革に向けた構想だったからこそ、その変化の時間軸に合わせて、「10ヵ年」という長期のスパンで計画を考えることになりました。

豊田瑛都氏
JALデジタル株式会社 デジタル戦略部 豊田瑛都氏
2018年、日本航空に入社。羽田空港での国際線グランドスタッフを経て、2020年よりIT部門へ異動。マイレージサービスやデジタルマーケティングプラットフォームのシステム企画を担当。組織統合を経て、2026年4月より現職。顧客視点に立ち、JALグループの中長期デジタル戦略の構想・立案をリードしている。

“超上流”への挑戦と、「答えを共に考える」共創パートナーとの出会い

──その後、「CX10ヵ年計画」の策定はどのように進んだのでしょうか。

豊田(JALデジタル):これが本当に難しくて。普段の業務では、今あるシステムを起点に未来を考える“フォアキャスト”寄りの思考になりがちなのですが、この計画を立てるには、業界やJALのありたい姿から逆算する、ビジネス起点の“バックキャスト”思考が必要になったんです。

 私たちはこれを、「“超上流”から考える」と呼んでいます。一般的なITプロジェクトでは、システム構想や要件定義が“上流工程”と言われますが、その視座にとどまっていると、結局は足元の課題解決だけで終わってしまう。だからこそ、視座を高く、視野を広く、視点を遠くに持って、「そもそも何を実現したいのか」「なぜ、それを実現したいのか」という本質を問い直す。それが、私たちのいう“超上流”なんです。

 ただ、普段とは完全に違う頭の使い方が求められるので、自分たちだけでやり切るのは難しいなと。そこで、外部の力も借りながら、自分たちの物の見方そのものを抜本的に変えていこうと考えました。その中で出会ったのが、ブレインパッドさんだったんです。

堀川(ブレインパッド):私たちもちょうど、新しい支援のあり方を模索しているタイミングでした。もともと、ビジネス文脈を踏まえたシステム構築支援を意識していたのですが、結局こちらが「答え」を出して提示するスタイルだと、どうしてもビジネスのスピードに追いつけない。むしろ、お客さま自身が解き進められるように「解き方を教え、伴走する支援」が必要なのではないかと考えていたのです。

堀川亮氏
株式会社ブレインパッド データエンジニアリングユニット ディレクター 堀川亮氏
10年にわたり、ブレインパッドにてデータ活用のコンサルティングに従事。現在はデータプラットフォームシステムの構築をメインとする部門のディレクターを務める。戦略策定やプランニングといった上流工程からシステム構築に至るまでの一貫した支援を担当している。

松本(ブレインパッド):そんなときに、JALさんからご相談をいただきまして。もともとJALさんには当社プロダクトの「Rtoaster」をご利用いただいていたのですが、今回の提案にあたっては、「JALさんにとって何が本当の価値になるか」だけをフラットに考えてご提案しました。MARも含めて航空業界の現状をかなり深くキャッチアップしたので、JALさんの抱えられていた課題感とうまく噛み合ったのだと思います。

松本洋介氏
株式会社ブレインパッド セールス&マーケティングユニット シニアマネジャー 松本洋介氏
2015年、ブレインパッドに中途入社。自社プロダクト「Rtoaster」などの営業を経て、2023年よりインダストリー特化型チームのセールスリードに就任。現在は日本航空をはじめ、航空・旅行業界やエンターテインメント業界などを中心にデータ活用の伴走支援を行っている。

岡本(JALデジタル):ブレインパッドさんは、“外部のコンサルタント”というより、一人の“当事者”として提案してきてくれたんですよね。「やはりここに悩みますよね」と、こちらと同じ目線で一緒に悩んでくれる。JALの社員なのかな? と思うくらいすごく前のめりでした。だからこそ、この人たちと一緒に計画を考えていきたいと強く思いました。

「データとは何か」から議論する。本質を問い直すプロジェクトの始動

──2024年11月、「CX10ヵ年計画」の策定という“超上流”と向き合うプロジェクトが始まったわけですが、具体的にはどのように進めていったのでしょうか。

堀川(ブレインパッド):まずは、業界やビジネスをどう捉えているか、メンバー間ですり合わせるところから始めました。そのうえで、MARが進んだ10年後の航空業界はどうなっているのかを徹底的に議論し、最後にそれを中長期の実行計画へと落とし込んでいった形ですね。

豊田(JALデジタル):「データとは何か」「マーケティングとは何か」といった、普段当たり前に使っている言葉の定義から議論をスタートしたのは非常に印象的でした。そこを丁寧にすり合わせたからこそ、IATAが目指す世界観についても、表面的な理解にとどまらず本質的な議論ができるようになっていった気がします。

 ただ、一つの言葉を極限まで突き詰めていくと、「今、自分たちは何を考えているんだっけ?」と、わからなくなる瞬間もあって。そんなときに、ブレインパッドさんが別の視点からパッと問いを投げてくれて、「確かに本質はそこだった」と立ち返ることができました。

堀川(ブレインパッド):私たちとしては、どこで介入するかの判断が難しかったですね。核心的な議論をしているときは、あえて進行を止めずに議論し尽くしたほうがいい場合もありますので。

松本(ブレインパッド):しかも、私たちも議論に熱中するあまり、当事者目線に寄りすぎてしまうこともあって。そんなときは、岡本さんが少し引いた客観的な視点でコメントしてくださり、それがブレイクスルーにつながることもありましたね。

豊田(JALデジタル):議論を続ける中で迎えた中間報告のときも、岡本さんの言葉に救われました。まだ成果物が明確に見えづらい段階だったので、現場のメンバー間では「この状態で本当に間に合うのかな」という焦りもあって。しかし岡本さんに、「ちゃんと全員が自分たちの言葉で話せるようになっている。確固たる土台ができてきたな」と言ってもらえた。それで私たちも「このままの方向性で進んでいいんだ」と確信を持てました。

ビジネス部門を巻き込む8ヵ月の「自走」と、実行計画に立ちはだかる壁

──「CX10ヵ年計画」の策定プロジェクトは、2025年3月に一区切りを迎えたそうですね。

豊田(JALデジタル):はい。ただ、ここまでの策定は、あくまでデジタルテクノロジー本部の“中”での取り組みでした。言ってしまえば、自分たちの内側で構想を練り上げる、研究発表に近い段階だったんです。最終報告会を終えて、「これで一安心、一区切りだな」と思っていたところに、岡本さんから「じゃあ次は、2026年度の実行計画をよろしく」と(笑)。ここから、景色がまるで変わっていくことになります。

岡本(JALデジタル):通常業務をやりながら10年先を考えるのは、本当に大変だったと思います。でも、“考える”ことはゴールじゃない。その先にある“実行”までやり切ってこそ、はじめて意味が生まれるんです。

豊田(JALデジタル):私も「むしろここからが本番だ」と気持ちを切り替えて、ビジネス部門の巻き込みへと動き始めました。

 まず、ブレインパッドさんと作った10ヵ年計画の構想を、当時のJALグループ中期経営計画と接続しながらブラッシュアップし、2025年8月には、ビジネス部門を巻き込んだキックオフを実施しました。

 その後、8ヵ月ほど議論を重ねる中で、ビジネス部門の担当者の方々も私たちがそうだったように、「中長期を見据えて考えたくても、目の前の単年度の数字に追われて考えられない」という悩みを抱えていることがわかってきたんです。だから今度は、ブレインパッドさんが私たちにしてくれたように、私たちがビジネス部門の思考を手助けしていこうと考えるようになりました。

岡本(JALデジタル):プロジェクトの進め方から、部門の巻き込み、議論の設計にいたるまで、かなり自分たちで組み立てられるようになっていましたね。取り組む前と後では、いわゆる“自走力”が雲泥の差でした。ただ、総論までは作れても、各論になると一気に難しそうだったよね。

豊田(JALデジタル):そうなんですよね。ビジネスサイドとデジタルサイドで、言葉の定義や見ている世界観がかなり違う。なんとかすり合わせられたように見えても、どこかフワフワとしていて、全員が心から納得できるものになりきりませんでした。また、10ヵ年の壮大な構想を単年度の具体的なアクションに落とし込むには、やはり私たちの知識も経験もまだ足りなくて。

岡本(JALデジタル):そもそも複数のビジネス部門が関わっていたので、プロジェクトの難易度は極めて高かったと思います。それぞれの部署で短期的なKPIも違えば、中長期の課題意識も違う。そんな複雑な状況の中で、どこから優先的にリソースをかけるべきかも含めて詰めなければならなかったわけですから。

豊田(JALデジタル):それで、ビジネス部門との検討は続けながら、並行してもう一度ブレインパッドさんに力を借りることにしたんです。そこで得たものを、ビジネス部門との議論に還元していこうと。

週2回・4時間の圧倒的セッション。議論の質を引き上げた“徹底した準備”

──2026年1月に、ブレインパッドの第2期支援が始まったわけですね。セッション時間も、前回の2時間から4時間へと倍増したと伺いました。

堀川(ブレインパッド):前回も議論が深まると2時間では全然足りなかったんですよね。しかも今回は、2030年のJALのありたい姿を見据えた「顧客コミュニケーション変革」まで踏み込む必要がありました。メンバーそれぞれが自分の普段の業務や立場をいったん離れて、顧客体験を一気通貫でたどり直すのであれば、細切れにせずまとまった時間を取るべきだと考えたんです。

松本(ブレインパッド):そもそも、日本の事業会社において、これだけ密度の高い“超上流”の計画策定を自分たち主導でやり切るのって、かなり難しいことなんです。だからこそ多くの企業は外部に丸投げしてしまうわけですが、JALのみなさんはそこを自分たちの手でやり遂げようとされていた。なので、結果としてそれだけの膨大な時間と熱量が必要になったということです。

──第1期での経験を踏まえ、あえて変えたことはありますか。

堀川(ブレインパッド):いろいろありますが、一番は「準備の量」ですね。JALのみなさんにも事前に宿題を出して徹底的に考えてきてもらいましたし、私たちもアジェンダやゴールの緻密な設計、そして議論が行き詰まったときのための「外部視点からの仮説」を念入りに用意して臨みました。

──実際に、どのような変化が生まれましたか。

豊田(JALデジタル):一番大きかったのは、本当の意味で「顧客視点」で物事を考えられるようになったことです。

 「CX10ヵ年計画」の当初から“顧客起点”を掲げてはいたのですが、振り返れば、実際にできていたのは「システム起点からビジネス起点へ」という転換まででした。顧客起点と言いながら、まだ「顧客視点」には立てていなかったんです。今回ようやく、その先にある「お客さまにとっての体験そのものが、どう変わるのか」までしっかり捉えられるようになりました。旅という非日常の空間から、決済やマイルといった日常の領域まで含めて、JALグループとしてお客さまの体験をどう描くべきか。自分自身がお客さまになりきって、JALのサービスに触れている場面を思い描き、「ここがこうだったら、もっと喜んでいただけるはず」と考える。システムやビジネスの“都合”から、お客さまが体験している側へと、立ち位置そのものを移すことができた気がします。

セッションの様子
セッションの様子

松本(ブレインパッド):私たちから見ても、みなさんの議論自体が圧倒的にレベルアップしていたのを実感しました。「どう進めるか」だけでなく、「どうありたいか」という、当初予定していなかった事業構造の再設計にまで踏み込んで議論できたのは、JALのみなさん一人ひとりの思考力、そしてチームとしての力が格段に上がったからだと思います。

豊田(JALデジタル):振り返ると、あれは議論というより、まさに“セッション”だったと思うんです。ジャズの演奏では、プレイヤー一人ひとりのレベルが高いほど、その場で生まれてくる音楽のクオリティが上がりますよね。だからこそ、各自が事前の宿題で徹底的に考え抜いて、いわば個人練習を積んでくる。そして当日、その成果を持ち寄って、その場でぶつけ合うわけです。でも、ただ自分のソロを聴かせ合うだけではだめで。相手の旋律に耳を澄ませ、自分の音を重ねながら、その場でしか生まれない音楽を、チームでつくっていく。思えば、あの自走期間は、私たちだけで“練習”を積んだ時間だったのかもしれません。そこで一人ひとりの腕が上がっていたからこそ、ブレインパッドさんと再会したセッションでは、毎回のように、質の高い音楽を奏でられたんだと思います。

堀川(ブレインパッド):お互いの噛み合い方が上がっていたからこそ、“即興”の醍醐味も味わえましたよね。4時間夢中で議論していたら、事前に準備していた資料の枠組みすら超えた素晴らしい結論に到達したこともありました。

岡本(JALデジタル):アウトプットも一気にリアリティーが増して具体的になっていて、思考の質が上がっているのを強く実感しました。もう一つ本当によかったのは、メンバーから強い「当事者意識」を感じられたことですね。一度自分たちだけでやってみた期間があったからこそ、「自分たちがJALグループのDXを担う中核だ」という責任感が芽生えたんだと思います。

コストセンターから“バリュークリエイター”へ。変化を楽しみDXを牽引する

──今後の展望について、それぞれの立場で教えてください。

豊田(JALデジタル):これからもこの“超上流”を担い、JALグループ全体の変革を牽引していきたいと思っています。

 デジタル部門は、とかくコストセンターとして見られがちです。でもこれからは、デジタルの力で人と空と未来をつなぎ、JALグループが掲げる「多くの人々やさまざまな物が自由に行き交う、心はずむ社会・未来」の実現に向けて、新しい価値を生み出す存在にならなければいけない。私たちはその目指す姿を、コストセンターの対極にある“バリュークリエイター”という言葉で表現しています。

 振り返れば、このプロジェクトで考え抜いた課題意識は、後にJALグループが掲げた「JAL Vision 2035」とも重なるものでした。自分たちで本質から考え抜けば、経営の描く未来と自然につながっていくんだなと。その手応えが、大きな自信になっています。

 だからこそ、技術力に加えて磨き続けたいのが、“変革共創力”です。構想から、実行、定着まで、最後までやり切る。いわば総合格闘技のような、総合力を鍛え上げ、ビジネス部門と成否を共にし、とことん組み付いていく。それが、これからのJALデジタルに必要なんだと思っています。

岡本(JALデジタル):本当に、2年前とは大違いの、力強い発言だね(笑)。

豊田(JALデジタル):手前味噌ですが、このプロジェクトで一番成長したのは私だと思っています(笑)。「How」からではなく、「What」や「Why」から、そもそも何を実現したいのか、なぜ実現したいのかを考える。そうやって本質を問い直していくと、最後はいつも「本当は、どうしたいのか」という、自分自身への問いに戻ってくるんですよね。本質とも、人とも、自分とも向き合う。その向き合い方そのものを学べたことが、何より大きかったです。それを教えてくださったのは、やはりブレインパッドのみなさんでした。これからは私たちがビジネス部門の共創パートナーとなって、変革を共に実現していきます。

堀川(ブレインパッド):私たちも、プロジェクトの中でみなさんが「自分たちが変革を進めるんだ」という当事者意識とリーダーシップを強烈に持ち始めた姿が印象的でした。企業の変革において欠かせないのは、まさにこのリーダーシップです。だからこそ今後も、そうした意識を醸成できる“伴走の場”をつくることで、日本企業の変革を支援していきたいと思っています。

松本(ブレインパッド):DXやデータ活用を進めるには、外部のコンサルに丸投げして頼り切るのではなく、企業自身がデジタル技術やデータを使いこなす「内なる力」を持つことが重要だと思います。だからこそ、企業の自走をどこまでも支える、このような共創型の伴走支援を今後も広く続けていきたいですね。

岡本(JALデジタル):今回プロジェクトがこれほどうまくいったのは、ブレインパッドさんと一緒に「変化を楽しむ」ことができたからだと思います。変化することって、どうしても「拒絶反応」が出たり「大変そうだな」と思ったりしがちなのですが、それを「おもしろい、楽しい」と思えるようになると、思考も一気にクリアになってくる。この積み重ねが、最終的にはお客さまに提供するサービスレベルの向上にもつながっていくのではないかと思っています。デジタル部門をバリュークリエイターへと変革するこの挑戦は、多くの日本企業に共通するテーマのはずです。変化を楽しみながら、日本のDXを前に進めていきましょう。

──本日はありがとうございました。

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

ライター
1991年生まれ。京都大学文学部卒業、京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科修士課程修了。ジョージアでの日本語教師、書籍編集者、病院経営コンサルタント、スタートアップの制作ディレクターを経てフリーランスに。上場企業やスタートアップ、地方企業の取材を中心に活動している。主な執筆領域はM&A、ファイナン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/08 10:00 https://markezine.jp/article/detail/77086