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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Autumn

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圧倒的な記憶定着で認知+7pt超。第一三共ヘルスケアが「BeReal.」と挑んだ若年層マーケティング

 SNSでの情報過多が常態化した結果、いかに若年層の日常に自然に溶け込み、ブランドを記憶に定着させるのかは、多くのマーケターの共通課題となっている。特に製薬・日用消費財(FMCG)メーカーにおいて、若年層との接点創出と商品の「自分ごと化」を促すことは、ブランドの中長期的な成長を左右する重要なテーマだ。第一三共ヘルスケアは、口内炎用薬「トラフルBBチャージc」のプロモーションにおいて、Z世代に絶大な支持を得るリアルタイムSNS「BeReal.」を活用。従来のアプローチでは届きにくかった若年層に対し、圧倒的な記憶定着率と購入意向の向上を実現したという。その裏側には、どのような戦略があったのか。同社で多数のブランドプロモーションを統括する北條秀明氏と、BeRealの大友淑氏に、次世代SNSを活用した若年層マーケティングの実践的なアプローチを聞いた。

若年層へのアプローチ強化の背景と「トラフルBBチャージc」の課題

――2026年6月のキャンペーンにおいて、若年層向けの取り組みに注力された背景と、「トラフルBBチャージc」が抱えていた課題について教えてください。

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第一三共ヘルスケア株式会社 ブランド本部 ヘルスケア広告宣伝グループ マネジャー 北條 秀明氏
広告代理店を経て、2018年に第一三共ヘルスケアに入社。「ルル」「ペラック」「トラフル」「DNS」など多数のブランドにおいて、デジタルからテレビCMまでプロモーションの全体設計やクリエイティブ制作を担当

北條:まず背景として、口内炎の罹患者は若年層が多く、特に女性が口内炎に罹患しやすいという調査データがあります。そのため、「トラフル」ブランドとしては従来からこの層をメインターゲットに据えていました。

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公式Webサイトより(クリックすると拡大します)

北條:特に今回のキャンペーンについては、この4月に「トラフルBBチャージc」のブランドリニューアルを行ったため、そのタイミングをきっかけに商品自体の認知を引き上げたいという目的がありました。そこで改めて、罹患者の多い若年層に対してコミュニケーションを図り、ブランドや口内炎用薬への「気づき」を与えていきたいと考えたのが取り組みの出発点です。

――ターゲットである若年層に口内炎用薬をアピールすることには、事業としてどのような意義があるのでしょうか。

北條:実は「口内炎になったときに我慢をする」という方が半数以上いらっしゃるという調査データがあります。

 我々のミッションは、そうした我慢をしている方々に対して「薬を使って早く口内炎に対処することで、より生活のクオリティが上がるのだ」という気づきを提供し、カテゴリー全体の啓発を行うことです。結果として早いうちから「口内炎は治すもの」という認識を持っていただければ、大人になっても長く使っていただけます。つまり、LTV(顧客生涯価値)の視点からも、若年層へのアプローチは非常に重要なのです。

――このような若年層の行動特性や課題について、BeReal側ではどのように捉え、サポートしようと考えていましたか。

大友:北條さんのお話にもありましたが、口内炎では「寝て治そう」「放置していつの間にかなくなるのを待とう」と我慢してしまいがちであり、これは誰しもが経験しているのではと思います。何らかの不調に対して「薬で対処したほうが良い」とわかりながら、口内炎の場合には、いざというときに「薬」という解決策が想起されにくいという課題があったのではないかと感じます。

 一方、「辛いものを食べたい」「流行りの麻辣湯を食べたい」といった口内炎に邪魔されたくないシーンは若者の日常にも確実にあるものです。そこに「こういう解決策がそもそもあるんだよ」と発見してもらう今回の取り組みは我々プラットフォームとしてもサポートできることですし、想起させていく意義があると考えました。

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BeReal. アカウントエグゼクティブ 大友 淑氏
日本IBM、Googleでの広告事業営業を経て、BeReal.へ参画。主に日用消費財メーカーを担当し、若年層に向けたプラットフォーム独自のマーケティング支援を行う

なぜ「BeReal.」なのか? リアルなZ世代とつながるメディア選定

――数あるSNSやメディアの中で、今回の課題解決のパートナーとして「BeReal.」を選び、全体設計に組み込んだ決め手は何だったのでしょうか。

北條:明確に「若年層の多くが利用しているプラットフォーム」として一番に想起されるメディアになっているからです。他のSNSも若年層を抱えていますが、利用者の年齢層が徐々に上がってきている傾向があります。18歳以上をターゲットにしたプラットフォームが多い中、より下の世代を狙うにあたって、BeRealは非常にアプローチしやすかったのです。

 また、BeRealには「盛らない」「飾らない」という文化があり、ユーザーが広告に対しても障壁を持たずに受け入れてくれる受容度の高さがあると感じたのも大きな理由です。

――今回は、若年層向けの事前の調査から配信設計、効果検証までもBeRealと一気通貫で行ったそうですね。

北條:弊社としては、基本的に効果が測定できる(メジャラブルな)メニューでなければ出稿しません。PDCA(計画・実行・評価・改善)が回せないものはやらないという方針があるため、前提条件としてそうした効果検証の仕組みが揃っていたことは重要でした。その上で、「Z世代理解」という文脈が非常にポジティブに見えました。

大友:若年層向けの事前調査について補足しますと、一般的な第三者機関の調査では、10代の回答数を集めるのが非常に難しく、どうしても20代以上のデータに偏りがちです。その点、BeRealでは利用するユーザー層から回答数も十分ですし、彼らは大人に対してまったく忖度せず、調査にもとても素直に答えてくれています。10代のリアルな声や数値をしっかりと担保できる点は、我々ならではの面白い強みだと自負しています。

桁違いの接触頻度に。BeReal独自の「有限フィード」の効率性

――今回のキャンペーンの最終的な目標はどこに設定していましたか。

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北條:今回はシンプルに「商品の名称への認知をとことん取りに行く」という目標を設定し、購入意向などの興味関心まで引き上げるような取り組みはあえて行わないようにしていました。その目的に対して、BeRealの広告は驚くほど高い接触頻度で応えています。通常のデジタル広告では月2〜3回の接触が適正とされますが、BeRealでは数十回接触することも当たり前で、なかには30回という数値も出ていました。1ヵ月を通じて何度もトラフルBBチャージcのクリエイティブに接触してもらうことで、確実な名称認知につながると考えました。

――他メディアとは異なるBeRealならではの特性やユーザーの使われ方が関係していそうですね。改めて解説いただけますか?

大友:BeRealは「何も加工しない日常を共有してコミュニケーションを取るツール」です。フィルター加工がなく自分が盛らなくていい仕組みだからこそ、生活のリアルがそこにあります。最大の強みは「フィード(投稿表示画面)が有限である」ことです。他のSNSのようにスクロールすれば無限にコンテンツが出てくるわけではなく、最後に終わりが来ます。流れてくるのは自分が相互フォローしている友達のみで、1日のフィード数は多くても100程度に収まります。

――フィードが限られている中で広告を出すことのメリットは何でしょうか。

大友:1人あたりの平均的な友達数は1クラス分ほどの約40人で、1日最大2回投稿したとしても、80枚しかフィードが出てきません。全員の投稿が「自分が興味のある人たち」のものばかりなので、流し見をされにくいのです。そのため、そのフィードの間に出てくる広告は、流し見されるプラットフォームなどよりも、広告想起率が上がりやすい。同じ費用をかけても非常に効率的です。

北條:私自身も利用者として見ていて、無限にフィードがあるわけではないため、出てくる広告の数も限定されていると感じます。他社の広告に埋もれず、シェアオブボイス(広告露出の占有率)の観点から言っても、非常に有用な露出の仕方ができていると思います。

日常に溶け込むクリエイティブ設計と「1日ジャック」の仕掛け

――実際のキャンペーンにおけるクリエイティブや配信設計について、どのような工夫をされましたか。

北條:アイドルグループ「CANDY TUNE」の立花琴未さんを起用し、縦型SNSを前提とした「画面越しにこちらに話しかけるようなプライベート感のあるクリエイティブ」を複数制作しました。今回のキャンペーンはクロスメディアで展開しており、立花さんの起用は全媒体にわたります。BeRealは特にフリークエンシーが高いメディアなので、同じクリエイティブを何度も当てるのではなく、パターンを複数用意して飽きさせないように工夫しています。

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北條:また、CANDY TUNEが念願の日本武道館ライブを行う公演日に合わせて、BeRealの広告を1日ジャックする「Max Takeover(マックステイクオーバー)」を実施しました。X(旧Twitter)など他のSNSでも話題になり、「今日こっちゃんめちゃくちゃ出てくる」「(ライブ当日のジャックを)トラフルは狙ってやっているのかな」といった発話につながったのは非常に面白かったですね。

――医薬品の広告はタイミングが難しいと思いますが、若年層のマインドにはどのようにアプローチしたのでしょうか。

大友:事前調査で、若年層は口内炎になっても「放置して治す」人が多く、解決意欲はあっても「薬」という選択肢に結びついていないことがわかっていました。そこで、武道館ライブの日というユーザーの熱量が高いタイミングで一気に名称を認知させ、その後は「Balance Reach(バランスリーチ)」という継続的な配信を行いました。突発的な山を作った後、日常の中で「こういう解決策がある」という正解を繰り返し提示し、自分ごと化を促進する設計です。

北條:医薬品の広告は「症状が出ていない人にとってはノイズでしかない」という難しさがあります。だからこそ、商品特性以外の部分でいかに「とっかかり」を作るかを重要視していました。その点でも、日本武道館ライブというモーメントとCMキャラクターのマッチングは、日常に溶け込む最適なタイミングでできたと思います。

記憶定着率と購入意向の大幅リフト。BLSに見る定量的成果

――今回のキャンペーンを通じて、ブランドリフト調査(BLS)などの定量的成果や手応えについて教えてください。

北條:これだけ露出量を一気に増やす施策は過去にあまりやったことがありませんでしたが、費用に対する効果としては十二分に役目を果たしていただけたとポジティブに捉えています。思っていた以上に高いリフトを確認できました。

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大友:広告・ブランド認知度ともに+7.21ptと、BeReal内の平均でも1.4〜2倍のリフトを記録しました。コスメなどの関心が高い商材なら跳ねることもありますが、製薬系の商材でここまでの数値が出るのは私自身も驚きです。一般的な基準からすると「平均が5pt上がればかなり良い」とされている指標なので、素晴らしい成果でした。

 また、名称認知に特化した設計だったにもかかわらず、継続配信(Balance Reach)によって「購入意向」が結果的に媒体平均の約2倍も上がっていました。

――他媒体と比較した際の記憶定着率については、どのようなデータが出ていますか。

大友:「トラフルの広告をどこで見かけましたか?」という調査において、BeRealは主要なSNSプラットフォームと比較して約4.5倍、テレビCMと比較して約5.5倍という圧倒的な記憶定着率を記録しました。全年代ではなく若年層に特化し、「近しい友達の投稿を見ている間」というプライベートな空間に出稿していくことが、記憶に残りやすく、明確な数値につながったのだと考えています。

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「日常」を入口に将来のLTVを見据えたポートフォリオへ

――今回の成功を踏まえ、第一三共ヘルスケアとしての今後のマーケティング展望やBeRealへの期待を教えてください。

北條:若年層に対しては従来のマスマーケティングで届きにくいことが最も目立つ課題となっています。当然、それを1つのメディアだけで代替することは不可能です。複数のメディアを複合的にどう掛け合わせ、コミュニケーション設計をしていくかが近年の重要な論点であり、引き続き注視すべきではないでしょうか。

 BeRealはユーザーが毎日アクセスするプラットフォームなので、今後はその日のモーメントや季節に合わせたクリエイティブの出し分けに期待しています。たとえば、若年層の多様な興味に対してどう出し分けるか、より細かく作り分けてコミュニケーションしていく必要性を感じています。

――BeRealとしては今後、若年層マーケティングに取り組む製薬会社や消費財メーカーのマーケターにどのような価値を届けていくのでしょうか。

大友:私たちは、実際の若年層が考えていることと、企業様が持っているイメージのギャップを埋める橋渡し役でありたいと考えています。BeRealの「日常的なプラットフォームであり広告認知が上がりやすい」という強みを尖らせつつ、生活に偏在する商材をいかに様々なシーンで自分ごと化させるか、その最適化で価値を届けたいと思っています。

 若年層への経済的に独立していなかったり、可処分所得が限られたりという認識からメーカー様が注力対象から外すという判断がしばしばあるものですが、現在では先行投資してLTVを伸ばしていこうという動きも活発化している印象です。我々は将来を見据えるブランドが若年層の理解を深めるお手伝いができればと思います。今回の知見をグローバルのベストプラクティスとして発信していきたいですね。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:BeReal SAS

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/10 11:00 https://markezine.jp/article/detail/77408