開設1年で14万人のファンを獲得した「ワールドビジネスサテライト」
テレビ東京の人気番組のひとつ『ワールドビジネスサテライト(WBS)』のフェイスブックページのファン(いいね)数は14万超(2月14日現在)。これは、テレビ局としても、ニュース番組単体としてもトップクラス。ページを運用しながら、いまもWBSの番組づくりにかかわっている鈴木宏昭氏に、その人気の秘密をうかがった。
数あるSNSの中で「フェイスブックはいける」と感じた
鈴木氏とネットとのつきあいは、WBSにかかわる以前、朝の番組『ニュースモーニングサテライト』のプロデューサー時代から始まる。番組制作のかたわら、ホームページを運営し、番組で流せなかったインタビュー映像を公開するなどの工夫を重ねるうちにアクセスが増加し、ネットの手ごたえを感じるようになった。
その後、鈴木氏はWBSの担当デスクとなり、番組でフェイスブックをとりあげることになった。当時は、映画『ソーシャル・ネットワーク』が公開され、国内でフェイスブックへの注目が高まっていた。その流れで、番組のフェイスブックページを立ち上げることになり、鈴木氏が運営を担当することになった。
数あるソーシャルメディアの中からどれに注力すべきかを検討する段階で、鈴木氏は「フェイスブックはいける」と感じていたという。実名のクチコミの効果は大きい。「知っている人が『いいね』といったときに、視聴の形態が変わるのでは」という可能性、そこに賭けることにした。そして、WBSは2011年1月にフェイスブックページを開設した。
テレビとネットの相乗効果が見えた
はじめたころは、テレビでフェイスブックページ開設の告知をすると、一気にファン数が増え、放送の強さを感じたという。そして、いったん増えると雪だるま式に増えていく。ここで、テレビとネットの相乗効果が見えた。また、早期にページを開設したことで、フェイスブックのアカウント開設時に表示される「推奨ページ」のひとつとなったことも大きかったという。
「ファン数が少ないうちは、ほんわかとした手づくり感がありました。しかし、1万を超えて、10万を超えると、それらすべてに応えることは難しくなってきます」。現在の番組からの投稿数は1日に数件とそれほど多くない。しかし、番組側から投げかけたことについてユーザーどうしが議論をしたり、仲良くなる「場」として機能するようになった。
現在では、ひとつの投稿にたいする「いいね」の数は500、600はあたりまえ、1000を超えることもある。日々観察するなかでひとつわかったこと、それは「いいね」のつき方が強いときは、番組の視聴率もいいということだ。「放送→フェイスブック→放送…」という、好循環が生まれていることがあらためて確認できた。