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誰でもできる!アトリビューション分析と最適化
~82%売り上げが増加したAccor Hotelsの事例

評価軸に基づいたキャンペーンの最適化

 これまでの効果測定機能とレポートによる分析を受け、いよいよ最適化を行う段階へ入っていきましょう。ここで問題になるのは「どういったアウトプットが可能なのか」ということです。原則的にはどんな最適化でも、大きく下記の3種類に分類されます。

(1)無駄だと思われるコストをカットする
(2)有益だと思われるものの予算を拡大する
(3)数学的なアルゴリズムに基づいて広告の「値付け」を見直す(自動入札の見直し)

 繰り返しになりますが、これらのアウトプットは第一段階の正確な効果測定、そして適切なモデリングによる評価の見直しがあってこそ、成り立つものです。簡単なアウトプットの方法としては、(1)の無駄なコストをカットするアクション(2)の有益なものにより投資する、でしょう。ただし、適用したモデルが適切でないと、効果を下げてしまう可能性もあります。ここが非常に悩ましい点です。徐々に変えていくという判断も可能ですが、効果が見えにくいという点も課題です。

 一方で、(3)アルゴリズムによる広告の値付けの変更は、キャンペーン全体の構成を変更することなく徐々に修正が可能な最適化の方法であり、リスクが比較的低いことが特徴のひとつです。さらに、この方法による最適化はクリックごと、CPCを設定する最小単位ごとに最適化をかけるため、結果として予算の再配分も含めた最適化が実現することになります。

 Kenshoo Enterpriseの場合、選択したアトリビューションのモデリングをベースに各クリック、キーワードの価格の見直しを自動的に行い、独自のアルゴリズムにより、アトリビューションの重み付けと過去のデータの蓄積による予測モデルをベースにした自動入札ができます。このようにKenshoo Enterpriseを導入することでデータの蓄積、モデリングの仮説構築・設定、最適化まで、一気通貫で実施することが可能になります。

Accor Hotelsの事例:アトリビューション最適化により、82%売り上げ増加

 これから、Kenshoo Enterpriseを導入し、ラストクリックベースからアトリビューションを軸にした最適化にシフトし、飛躍的に売り上げが増加したAccor Hotelsの事例を見てみましょう。

ACCOR HOTELS.COM

 Accor Hotels社は傘下にGrand MercureやNovotalなどの有名なホテルブランドを抱えるヨーロッパ最大のホテルチェーン企業です。

 Kenshoo Enterpriseを導入したAccor Hotelsは、まずはじめにコンバージョンに至るクリックの履歴を補足、どのような傾向が存在するのかを分析しました。その次にモデリングの分析を行い、自社のサイトに訪問しているユーザーの行動パターン、そしてラストクリックの広告媒体の特徴などを通して、U-Shapeをモデリングとして採用しました。

 そして、そのモデリングを踏まえた自動最適化のアルゴリズムを走らせ、自動入札を行ったところ、広告予算消化が36%程度増加したものの、オンラインからの売り上げはそれを上回る82%増加という結果を出しました。

 これはAccor Hotelsの商材であるホテル予約が、興味喚起から実際のコンバージョンまで比較的時間がかかる商材であったこと、かつ様々なプロモーション施策を行っていたため、ユーザーの広告接触が多いという背景から、アトリビューションを踏まえた最適化に適していたともいえるでしょう。

誰でもできるアトリビューション

 さて、この記事で説明してきた内容を簡単におさらいしてみましょう。アトリビューションとは以下の3点を軸に定義してきました。

(1)直接的にコンバージョンに結びつかなかった広告を
(2)何かしらのモデルで評価し
(3)その評価軸に基づいてキャンペーンの最適化を進める

 まず(1)に関しては、Kenshoo Enterpriseのようなキャンペーン管理プロダクトを導入することで各媒体のCookieに依存せずに、コンバージョンに至る広告接触を計測することが可能です。(2)に関しては、自社の商品特性を踏まえたうえで、自社のマーケティングプランに合致するモデリングを選ぶことが重要になります。そして(3)の最適化については、予算の再配分を目的とする以外にも、実際のクリックの価値を再計算することも重要なアウトプットになります。

 アトリビューションを踏まえた最適化施策は、難しいと思われたり、ビッグデータと関連付けて考え、自社で取り組むには大きすぎるテーマだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、今回のようにアトリビューションを踏まえた最適化を実現するプラットフォームが出てきていることもあり、取り組む上でのハードルはここ数年でぐっと下がってきています。まずは、自社のキャンペーン状況を冷静に見直すという意味でも、アトリビューションに対応した各種プロダクトの導入検討を進めてみる適切な時期と言えるかもしれません。(取材協力:KENSHOO)

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この記事の著者

アドテクノロジー研究会(アドテクノロジーケンキュウカイ)

アドテクノロジー関連の最新動向や活用状況をウォッチしている研究機関。MarkeZine編集部に常駐。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/11 11:00 https://markezine.jp/article/detail/16830

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