オンラインでの対応は店頭での接客と同じ
運用開始にあたり、同社ではソーシャルメディア運用に関するガイドラインを設定。運用しながらブラッシュアップを重ねたその内容は、現在では以下のようになっている(※1~3はツイッターにのみ関連)。
- できる限り毎日、決まった時間に決まったツイートをする
- できるだけリプライには返信する -「ハンズ」で検索をかけ、面白いツイートや批判ツイートに積極的に返信する
- ポストの内容が偏らないように心がける
- 反応が多いときこそ「反応していない人」を意識する
- 相手が何を伝えたいのかを見極めてコミュニケーションする(空気を読む)
- 自分では解決できない質問は、必ず該当窓口か最寄店舗を紹介する
- コミュニケーションのルールは店頭での接客と同じ、その先にいるのは「お客様」
- 企業アカウントは凹んではいけない
- +1 interestのある投稿をする
特に大事な項目として、緒方氏は8番目の「コミュニケーションのルールは店頭での接客と同じ」点を挙げる。「文字量の制限や、文章だけで察する難しさはありますが、ソーシャルメディアでの対応もあくまで接客。それさえメンバー間で徹底すれば、大きな炎上なども起こらないのでは」と緒方氏。
本部アカウントと店舗アカウントの役割を明確に
また、10番目の「+1 interest」について、緒方氏は「思わず誰かに話したくなるポイントを抽出して提示すること」と解説する。既存商品の新たな活用法を紹介するなど、商品そのものではなく効果を提示しながら、対話を生み出すきっかけをつくるのだ。その+1にインパクトがあれば反響も大きく、約10万人にリーチしたケースもあったという。
現在、ツイッターは本部で3アカウント、各店舗で7アカウントを運営している。本部が運営する@TokyuHands、@HintMarket、そしてECサイト@HandsNetの3アカウントにはそれぞれ「ヒト、コト、モノ」という区分けを設けているという。「この3要素がハンズの『屋台骨』」と緒方氏。
メーンのアカウントは、とにかくコミュニケーションを図ることを大事に、頼れるお兄さんのような話しかけやすい店員を目指している。ヒント・マーケットはイベント情報を中心に案内する、広報的アカウント。そしてハンズネットは、あまりスポットが当たらないが面白いモノを紹介している。ただし、あくまで主役は各店舗のアカウント。各店では、前述の3要素をバランスよく発信できるように努めているという。
「本部と店舗で分けている理由は、2つあります。ひとつは、行く店舗が決まっている人はその店舗の情報しか要らないかもしれない点。もうひとつは、今後オンラインとオフラインをよりシームレスにしていく際、リアル店舗の方が店舗や商品の疑似体験を提供しやすい点です」。