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統括編集長インタビュー

「すべての顧客接点の重みは等しい」 “オムニチャネルのプロ”奥谷孝司氏がOisixへ

デジタルマーケティングを「温かく無視」する経営者

押久保:では、少し引いた視点で今のご見解をうかがいたいのですが、オムニチャネルに注目する企業が増える一方で、業界全体にどんな課題があるとお考えですか?

奥谷:絶対的な課題がひとつあって、それはデジタルマーケティングを理解している経営者が少ない、ということです。何なら、マーケティングを、と言い換えてもいいかもしれません。デジタルマーケティングは今や、マーケティング自体の重要な部分を占めている。なのにそこに目を向けていない、私から見ると「温かく無視している」といった感じですね。

押久保:見えないフリ、気付いていないフリをしていると。

奥谷:ええ。もちろん、消費者に振り回されずにゼロから1を生み出すのも企業の使命だとは思います。でも今の時代は、やはりある程度はデジタルを活用した左脳的なマーケティングが必要です。さらに言えば、デジタル領域の人材を社内で育成して、適正に評価していくことも欠かせません。

 Oisixは、言わずもがなですが、デジタルマーケティングへの力の入れようは徹底しています。サイトも毎日毎日改善されているんですよ。やはり、自分たちの商品を売る場所はここしかないというところから事業をスタートさせているので、必死さが違います。小売からECに乗り出して、オムニチャネル化を狙う企業もありますが、それこそ1回1回の顧客体験の重みを等しく捉えないと、首を絞める結果になると思いますね。売上だけで判断されたら、まったく敵わないわけなので。

「オムニチャネルで成功した」といえる企業とは

押久保:なるほど。現在、入られてまだ数週間ですが、社内の雰囲気などはいかがですか?

奥谷:まず、スピード感に圧倒されますね。そもそも生鮮を扱っているのでスピード感ありまくりなんですが(笑)、それが心地いい。今はまだ、ビジネスモデルへの理解を深めつつ、社内コンサルのように各所に顔を出している状況です。そんな中でも、私のこれまでの知見から提案したことをすぐに試してくれたりして、勢いを感じますね。

押久保:ちなみに、オイシックスには、先行してCMOに西井敏恭さんが参画されています。“COCO”の奥谷さんとは、どう役割分担をされるのですか?

奥谷:西井さんは、やはりECのプロだと思います。私の役割は、ECというよりはオムニチャネルのプロとして、いろいろなチャネルを使ってオンとオフのブランド体験を充実させていくこと。重なるところもありますが、相乗効果を上げたいですね。

押久保:今後ますますオムニチャネルへの関心が高まる中、奥谷さんの取り組みがまた先行事例として挙がることを期待しています。最後に、今の展望をお聞かせいただけますか?

奥谷:オムニチャネルとは、顧客の複数の接点をつなぐことをいっているのであって、何も「売上を最大化する」とは誰も定義していませんよね。ユーザー体験を等しく充実させて、どの接点でも同じくらいの熱量を発しながら、接点をつないでいく。それをしっかりできる企業が「オムニチャネルで成功した」と言えるのではないかと思いますし、それを実現していきたいと考えております。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/11/13 12:00 https://markezine.jp/article/detail/23388

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