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富士フイルム×日本郵便×恩藏直人研究室の実証実験が明かしたBeyond digitalの意味

デジタルネイティブが、アナログなコミュニケーションに注目

大木:では鈴木さまより、あらためてDMの特徴についてうかがいます。

鈴木:はじめに、日本DM協会が2016年に行ったDM利用実態調査から、4つの特徴的なデータをご紹介しましょう。開封率が81%、受け取り意向率が77%、行動換気率が24%、保存率が52%とそれぞれポジティブな数値となっています。

 また意外なのが、20代男女のデータ。さらに数値は高くなっているんです。

一色:DMの受け取りが少ない、いわゆるデジタルネイティブ世代ですね。

鈴木:フリーアンサーをテキストマイニングしますと、大人扱い・おもてなしといったワードが見られます。デジタルコミュニケーションに慣れた世代へ、アナログのアプローチをすることは一つの手段になるのではないでしょうか。

一色:実は弊社のインスタントカメラ「チェキ」や30周年を迎えた「写ルンです」を、デジタルネイティブ世代が使っているんですよね。新しいツール、新しい出会いのように彼らは受け止めているのかもしれません。

鈴木:今、マーケターが最も注目している話題は「ターゲティング」と「エンゲージ」です。リアルな体験というのは大きな解になりますね。

 DMに限らず、ユーザーとのコミュニケーションは、「ターゲット・タイミング・クリエイティブ・オファー」の4つの要素から成り立ちます。テクノロジーが発達した今は、どんな価値を伝えるのか? という部分がさらに大切になってくると思います。

大木:テクノロジーのお話がでましたが、DMのデメリットであったスピードは印刷技術の発達でだいぶカバーできるようになったとうかがいました。

鈴木:そうですね。またDMはコストがかかるというイメージがあります。確かにメール1通あたりと比べると高いですが、MAでターゲティングしたDMであれば、全体的なROIは良くなっていますね。

 またクーポンやキャンペーンURLをユニークなものにすることで、誰がいつアクセスしたかがわかります。MAやデータを活用すれば、トラッキングも工夫できるようになっているんです。

ユーザーが中心に立ち、自由に情報と接するオムニメディア

大木:最後にまとめとなりますが、今回の実証実験を実際に行ってみる場合のポイントがありましたら、教えてください。

鈴木:ポイントは、コミュニケーションのシナリオです。自社ユーザーの課題から戦略の仮説を作ることもできますし、メールマーケで効果の出ているシナリオがあれば、それを活用することも可能です。また、施策全体のROIを見て進めることが大切です。

 中には、予算が取れないというお悩みもあると思います。その時は、テストとしてシンプルな実験を行うのです。DMの効果が測れたら、次のステップとして「ターゲット・タイミング・クリエイティブ・オファー」の要素をひとつずつ検証していくという方法がおすすめです。

一色:事業会社として実験に携わった立場としましては、やってみないとわからないことがたくさんありますとお伝えしたいです。新しいことでも、今は小さい規模でスタートできます。PDCAを回しそこから得られたデータを活用いただければ、皆様の事業もうまく進めるのではないかと思います。

鈴木:本日はDMを中心にお話しましたが、私はアナログとデジタルの組み合わせの先には、オムニメディアがあると考えています。

 オムニチャネルとおなじようにユーザーが中心に立ち、情報を欲しいタイミング・欲しいクリエイティブでどこからでも得られる状態が理想。それが実現できれば、生活者と企業の新しい関係が築けるのではないでしょうか。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/19 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27600

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