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令和時代のマーケティング

東京2020に向けて企業ができること

 約半世紀ぶりに日本の首都東京で開催される「東京オリンピック・パラリンピック」まで、残すところ約7ヵ月。アジア初開催となった1964年東京大会では、新幹線の開通、首都高の完成と日本のインフラ整備が大きく進むとともに、多くの新ビジネスが誕生するなど日本にとって大きな転換点となった。来る東京五輪は試算によると、日本国内による経済波及効果は直接効果が約5兆円、レガシー効果まで含めると約32兆円と言われている。果たして東京2020は日本、そして企業にとってどのような大会となるのであろうか。

※本記事は、2019年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』48号に掲載したものです。

五輪におけるマーケティングとは

 周知の話ではあるが、企業にとっての五輪活用はスポンサー企業であるか否かで実施できることが大きく変わる。東京大会ではオリパラ合わせて100社以上がスポンサー企業となっており、その多くが早くから実行計画を立て、現時点では最終段階に入っていることだと思う。先般のラグビーW杯では様々なテストマーケティングを試していた企業も見受けられた。過去のスポンサー企業成功事例として、古くはロス大会のスポンサーシップで大きくシェアを伸ばした大手カード会社や、ロンドン・リオ大会でブランドイメージ向上に成功した大手消費財メーカーなど、スポンサーシップにより成長を実現させた企業は数多い。

 では、スポンサー以外の企業はどうか。ご存じの通り五輪は強力なレギュレーションがあり、スポンサー以外の企業が実施できることはそもそも限られている。しかし、必然的に注目が集まる機会であるため、開催時期にあわせてプロモーションを実施する企業も多い。たとえば、ロンドン市内に2010年より展開された一大レンタサイクルインフラに、ある金融機関がスポンサードし、ロゴ、コーポレートカラーを纏った自転車が1万台以上設置された。結果として、ロンドン大会時にスポンサー企業以上にブランドイメージが向上したと言われている。また2016年リオ大会では、スポーツ用品メーカーがマイケル・フェルプス選手を中心としたプロモーションを、レギュレーションに抵触しない範囲で大きく展開することで、オフィシャルスポンサーよりもイメージを向上させてしまった。アンブッシュ・マーケティングとならないようにしなければいけないが、五輪に直接関係のないフェアな形でプロモーションを実施し、成功している企業も存在する。

五輪のホット期間は短い

 これらを踏まえ、東京大会ではどのようなマーケティング活動をするべきか。もちろん、狭義のマーケティングであるプロモーションも1つの選択肢であるが、筆者はそれだけでは十分ではないと考えている。

 理由としては、五輪におけるマーケティングは「1.厳格なレギュレーション」「2.(スポンサー企業の場合)高コスト」「3.短いホット期間」という3つの特徴があるためだ。

 それぞれ重要な論点だが、ここでは3点目の「短いホット期間」について掘り下げる。東京オリンピックの開催期間は7月24日(金)〜8月9日(日)の17日間、パラリンピックは8月25日(火)〜9月6日(日)の13日間である。毎大会の基本的な傾向として、大会直前に盛り上がりが一気にヒートアップしたのち、緩やかに落ち着いていくことが挙げられる。盛り上がりのホット期間は、オリンピックが開催される「17日間」であることが多く、期間にして3週間もないのである。

 もちろん、今回は自国開催なので3月26日の聖火リレー開始から盛り上がることを期待したいが、それでも4〜5ヵ月間程度が緩やかなホット期間だと言える。いずれにしてもピーク期間は極めて短いため、大会タイミングでのプロモーション効果のみをコア施策として行うことは、多くの企業にとってどこまで効果があるかは懐疑的である。では何をすべきか。

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この記事の著者

熊見 成浩(クマミ ナリヒロ)

デロイト トーマツ グループ パートナー大手グローバルコンサルティング会社を経て、現職。15年以上に亘るコンサルティング活動で、マーケティング領域を中心に200件以上のプロジェクトを実施。コンサル×Agencyのジョイントベンチャーなど特異な経歴も持つ。デロイト初代ビジネスコンテスト優勝。早稲田大学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/12/25 14:00 https://markezine.jp/article/detail/32647

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