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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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定期誌『MarkeZine』特集

2020年のマーケティング戦略(エージェンシー/コンサル編)

 定期誌『MarkeZine』第49号(2020年1月号)では、36社の2020年のマーケティング戦略を総特集。業界を牽引するキーパーソンたちの視座から、次の一手を読み解く。本稿では、インサイトフォース、ADKマーケティング・ソリューションズ、江端浩人事務所、才流、シナモン、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、電通デジタル、博報堂、ビービット、PENCIL & PAPER.COM、Moonshotの展望を紹介する。

※本記事は、2020年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』49号に掲載したものです。

ノウハウの形式知化を進めていく(インサイトフォース)

2019年を振り返って

 デジタルに限らずマーケティング業界は人材の流動化が高まり、特にCMOを担えるような実績ある方々が流動化し、事業会社でマーケティングリテラシーの高い企業が増えたことが印象的です。その結果、施策のROIを厳しく問い、取捨選択がシビアになっています。また、BtoB事業を手がけるスタートアップの資金調達額が増えた結果、BtoB事業のブランディング支援ニーズが急増し、弊社でもBtoBコンサルティング案件が増えた一年でした。BtoB領域での広告・PR~ホワイトペーパー~イベント集客~営業クロージングの流れのノウハウは日々洗練されつつ、同時にコモディティ化してきたことも感じています。

2020年へ向けて

 会社の取り組みとしては、BtoB事業を成長させるブランディングとマーケティング戦略のノウハウを体系化し、再現性のある形式知にまとめていきたいと考えています。BtoB事業もブランド戦略の筋が良ければ、デジタルマーケティング施策のパフォーマンスが大きく高まることは数値で検証されているので、あとは、それらを横展開できるようにしていきます。また、BtoCではCMO領域支援のコンサルティング案件が増えているため、そちらも社内でノウハウの形式知化を進めていく年と捉えて力を入れていきます。

代表取締役 山口義宏氏<br>東京都生まれ。上場メーカー子会社で戦略コンサルティング事業の事業部長、上場コンサルティング会社でブランドコンサルティングのデリバリー統括などを経て、2010年に戦略コンサルティングファームのインサイトフォースを設立。著書に『マーケティングの仕事と年収のリアル』(ダイヤモンド社)、『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』(翔泳社)他。

代表取締役 山口義宏氏
東京都生まれ。上場メーカー子会社で戦略コンサルティング事業の事業部長、上場コンサルティング会社でブランドコンサルティングのデリバリー統括などを経て、2010年に戦略コンサルティングファームのインサイトフォースを設立。著書に『マーケティングの仕事と年収のリアル』(ダイヤモンド社)、『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』(翔泳社)他。

横断人材が躍動する年(ADKマーケティング・ソリューションズ)

2019年を振り返って

 プラットフォームも含めたAI技術が進化/浸透していき、またデータドリブンマーケティングの基盤が整っていく中で、デジタルマーケティングが本来のマーケティングの本質へ回帰した年でした。ADKでは、東急エージェンシー、JR東日本企画と共に新会社「Data Chemistry」の設立やプリンシプルとの資本業務提携などデータマーケティングの基盤を整えると同時に、日本IBMとの共同事業「alphabox」始動によるエクスペリエンスデザインの強化など、データドリブンマーケティングの構築が進んだ年となりました。データやAIを前提とした上で、何をするかを改めて問うことに移ってきたように感じています。

2020年へ向けて

 各領域の専門性の枠を超えた、横断的かつカスタマーセントリックなデジタルマーケティングを展開していくことで、目に見える成果を出していくことができるかの勝負の年。テクノロジーや各専門家が整いつつある中で、より成果を求めていくために、領域の枠を超えて全体を指揮し、クライアントのマーケティングオブジェクティブを実現する横断人材が躍動する年になるでしょう。ADKでは、こうした領域の枠を超えたプランニングからエグゼキューションをさらに推進し、クライアントの成果を残していく年にしていきます。

事業役員アドテクセンター長 信濃伸明氏UBS証券会社、ローランド・ベルガーを経て、Google広告営業本部で小売業界統括部長。O2Oやショッピングプロジェクト責任者。2018年にADKへ参画。プラットフォームおよびアドプロダクト領域を統括。

事業役員アドテクセンター長 信濃伸明氏
UBS証券会社、ローランド・ベルガーを経て、Google広告営業本部で小売業界統括部長。O2Oやショッピングプロジェクト責任者。2018年にADKへ参画。プラットフォームおよびアドプロダクト領域を統括。

マーケティングのアナログ回帰(江端浩人事務所)

2019年を振り返って

 2019年は既存サービスのDXが飛躍的に進展した年でした。特に電子決済の普及やサブスクリプションの登場によるビジネスモデルの刷新により、どの業界も基本的にデジタル化の波に飲み込まれていくことが明らかになりました。それを担う人材が明らかに足りない状況で、2019年11月にエバーパークで開始した「CDOシェアリングサービス」のような取り組みも、受け入れられる土壌があると考えています。マーケティング分野では自社の商品やサービスの優位性だけではなく、SDGsの広まりとともに“地球全体の持続性に対するスタンス”が企業に求められるでしょう。

2020年へ向けて

 2020年のキーワードは「ビジネスのDX推進とマーケティングのアナログへの回帰」です。DXを必要としている企業が多い中で、現在はその担い手が極端に少ない状況です。「CDOシェアリングサービス」や、教授に就任予定の情報経営イノベーション専門職大学における人材育成を通して、この状況を改善していきます。デジタルでもより感性に訴えやすい方法(動画や音声、振動などの五感に訴える手法)が技術の進展とともに増えるのではないでしょうか。また心理学や行動経済学の原理を適用したUI/UXやエクスペリエンス提供が注目されるでしょう。

江端浩人事務所代表/エバーパークLLC代表/情報経営イノベーション専門職大学教授 就任予定 江端浩人氏<br>米スタンフォード大学経営大学院MBA。伊藤忠商事、ITベンチャーの創業を経て、日本コカ・コーラ、日本マイクロソフト、アイ・エム・ジェイ、ディー・エヌ・エー(DeNA)、MERY副社長などを歴任。現在はエバーパークLLC、および江端浩人事務所代表として各種企業のデジタルトランスフォーメーションに尽力している。次世代マーケティングプラットフォーム研究会主宰。

江端浩人事務所代表/エバーパークLLC代表/情報経営イノベーション専門職大学教授 就任予定 江端浩人氏
米スタンフォード大学経営大学院MBA。伊藤忠商事、ITベンチャーの創業を経て、日本コカ・コーラ、日本マイクロソフト、アイ・エム・ジェイ、ディー・エヌ・エー(DeNA)、MERY副社長などを歴任。現在はエバーパークLLC、および江端浩人事務所代表として各種企業のデジタルトランスフォーメーションに尽力している。次世代マーケティングプラットフォーム研究会主宰。

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:43 https://markezine.jp/article/detail/32769

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