会社全体で「データドリブンな意思決定」を推進中
――はじめに、お二人の自己紹介からお願いします。
加藤:コロプラは、スマートフォン向けのモバイルゲームを中心に展開している企業です。私が責任者を務めているデータマネジメント部は、会社全体でデータドリブンな意思決定を推進していくことをミッションとしており、主にデータ分析やBIツールの開発を通してこれを実現しようとしています。
関根:データマネジメント部には分析部隊とシステム担当の部隊があり、私は分析を担当する部隊でデータサイエンティストとして仕事をしています。アプリのログを使った分析やゲーム内で行っているユーザーアンケートに加え、LINEリサーチなど社外のモニターを使った調査などを行っています。
加藤:スマートフォンゲームが主なプロダクトなので、分析部隊の業務としては、それに関わる分析が6割ほどです。他にも、マーケティングや人事、経営企画など様々な領域でデータをもとにした意思決定をサポートしています。
現在は、簡単な集計や分析であれば社内の誰もが自分たちでできる状態を目指し、それに向けたツールの開発やデータ分析の研修など「データの民主化プロジェクト」の推進に注力しているところです。
ユーザーの行動の背後にある心理・感情を解き明かしたい
――ユーザー調査のデータを広く深くマーケティングやサービスの運用改善に役立てていると伺っていますが、いつ頃から本格的なユーザー調査を実施されているのですか?
加藤:ゲーム内でユーザー様へのアンケートを行うようになったのが、3年ほど前です。それまでは、行動ログを分析するくらいで、アンケートなどの調査は行っていませんでした。
本格的な調査を始めたきっかけは、ユーザー様の行動の背後にある心理や感情を解き明かしたいと考えたからです。
たとえば、ゲーム内に二つのコンテンツがあったとします。ログでは両方とも同じように遊んでくださっているように見えても、片方は「ゲーム自体を心から楽しんで遊んでいる」、もう片方は「報酬目当てに仕方なく遊んでいる」ということがあるかもしれません。行動ログからは、こうした感情の部分を明らかにするのが難しく、課題を感じていました。
――本格的な調査を始める中で、うまくいかないこともあったのでしょうか?
加藤:社外のモニターを使って、特定の時期に離脱したユーザー様を調査したことがあるのですが、あまりうまくいきませんでした。原因として大きかったのは、得られた回答数が少なかったことです。調査対象者が限られていたことで、十分な回答数が得られず、結果としてある程度の示唆はありましたが、統計的に有意といえるほどの結果は得られませんでした。
そこで別のやり方を探して、LINEリサーチを使うことに決めたんです。