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「訳すだけで終わらないコンテンツを」ワシントン・ウィザーズのTwitter日本語アカウント運用術


爆発的にエンゲージメントしたコンテンツは?

平地:日本で流行しているコンテンツを柔軟に取り入れているのは素晴らしいですね。海外の事例がたくさん取り上げられ、称賛されることの多いスポーツビジネスですが、日本のスポーツ界発のコンテンツも素晴らしいぞ! と胸を張って言いたいですね。

 ちなみに、これまでで爆発的にエンゲージメントが高かったコンテンツを紹介していただけますか。

新川:切り絵をはめるコンテンツは話題になりましたね。日本のチームがまだやっていなかったのか、FC今治の方がどう作っているのか聞いてきて、翌日くらいに似たコンテンツを出していました。先ほどとは反対に、ウィザーズ発の投稿を真似してもらえたのは非常に良かったと思います。

平地:ゲーミフィケーション要素があって参加者も楽しかったんでしょうね。

新川:もちろん、エンゲージメントが少ない投稿もありますが、基本的にはシンプルなものの反応が良いですね。たとえば、「47都道府県をウィザーズファンで埋め尽くそう」という企画では、ウィザーズファンの方に出身地をリプライしてもらうというものでしたが、800件以上のリプライが来ていました。

 その他にも「#ウィザーズイラスト」というハッシュタグでイラストを描いてくれる方を集めたところ、八村選手だけでなく他の主要選手などを書く方も多くいて、非常に広がりました。特に中断期間は情報を提供できる機会というのが少なかったので、少しでもウィザーズのことを忘れ去られないように一緒に楽しんでもらえるようなコンテンツの発信を心がけました。

八村選手のTwitterライブが話題に

平地:個人的には、4月に行われた八村選手のライブQ&Aセッションが非常に印象的でした。あれはどのような背景で行われたのでしょうか。

新川:NBAが新型コロナウイルスの影響で試合ができていなかったので、その結果スポンサーの露出も少なくなっていたという課題がありました。そのため、パートナーであるスポンサーさんと一緒に何か取り組みができればと思い、ライブQ&Aセッションを行いました。

平地:スポンサーとの取り組みということもあって、バーチャル背景にNECのロゴがあったのがとても印象的でした。スポンサーアクティベーションにもなって素晴らしい取り組みですね。どのくらい反響があったのでしょうか。

新川:日米両方の方に見てもらうため、前半は英語、後半は日本語での進行、さらに配信したのは日本時間の朝8時だったにもかかわらず、結果として日米ともに多くの方に視聴いただけました。

 さらに、そのQ&Aセッションの模様を多くのメディアが記事化してくれ、広く露出できたのは良かったですね。

平地:以前ラグビーワールドカップのSNS運用に関するインタビューでも、SNSの情報がメディアに波及していくという話がありましたが、SNSの投稿がニュースになり、メディア露出が広がる可能性があるという視点も重要なのかもしれませんね。

海外チームの日本語アカウントのパイオニアに

平地:現在日本語アカウントをフォローしている方の多くは日本人だと思うんですが、現在のフォロワーの特徴はありますか。

新川:ウィザーズ=八村塁というイメージを持つ方が多いと思いますが、フォロワーさんとのやり取りを続けているとウィザーズのチーム自体のことを理解してくれている方が多いですね。アンケートや動画のリプライを見ると、コアな質問も結構見かけます。

 ですので、八村選手のファンだけでなく、ウィザーズのことが本当に好きな人が集まるアカウントになってきていると思います。

平地:なるほど。しっかりとウィザーズファンの心を捉えたアカウントになっている、ということですね。ここに来ればウィザーズの情報は日本語で取得できると認識されているのだと感じました。

 最後に、今後のSNSアカウント運用の展望をお聞かせください。

新川:日本でウィザーズやNBAに関する話をすることができる仲間がリアルにいる方って、そこまで多くないと思うんです。私も実際に中高時代は限られた仲間としか話す機会はありませんでした。そのため、TwitterなどのSNSやWebがコミュニティとなれることが重要だと考えています。

 今後も我々のアカウントを通じて、ウィザーズのことを語り合える環境を提供していきたいです。それがいずれオフラインでのコミュニティへも展開していければ嬉しいですね。

平地:NBAで唯一の日本語アカウントが今後もっと盛り上がって、他のチームのコンテンツも日本語で展開されることが増えるといいですね。

新川:そうですね。ウィザーズが海外チームの日本語アカウントにおけるパイオニア的な存在になれるよう、今後も様々なコンテンツを制作、配信していきます。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/17 10:57 https://markezine.jp/article/detail/33576

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