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定期誌『MarkeZine』特集

#バブル・昭和レトロ・逆おさがり……若年層×CtoCで起こる消費の変化

 Z世代の消費を考える上で、欠かせないプラットフォームの一つがフリマアプリをはじめとしたCtoCプラットフォームだ。本記事では、フリマアプリの利用動向を定期的に調査しているメルカリ総合研究所で研究員を務める志和あかね氏に、Z世代をはじめとした若年層のフリマアプリの利用動向について話を聞いた。

※本記事は、2021年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』64号に掲載したものです。

「バブル」が若年女子の人気キーワードに

株式会社メルカリ PRグループ プロダクトPRマネージャー 兼 メルカリ総合研究所研究員 志和あかね(しわ・あかね)氏

大学卒業後、2008年に外国人モデル事務所に入社。マネージャーとしてCMやドラマ・映画の撮影に携わる。2013年末に退社後、2014年より国内No.1のPR会社ベクトルに入社。グループ傘下のPR会社プラチナムでは2年間TVプロモーターとして、WBSなどの報道番組から、めざましテレビなどの情報番組を担当。その後、2年半PRコンサルタント・営業としてクライアントと向き合うアカウントマネージャーに就任。2018年2月よりメルカリの広報に従事し主にフリマアプリ「メルカリ」のPRを担当。2019年11月にメルカリ総合研究所を立ち上げる。

――御社の調査から、若年層がメルカリをどのように利用する傾向があるのか、教えてください。

 Z世代をはじめとした若年層の方によく見られるのが、古いものを探す・手に入れるために利用するという点です。たとえば、80年代に流行していた洋服やアイドルグッズなどを探すために、「バブルスーツ」など「#バブル」というキーワードを入れて検索していることがわかっています。特に15〜19歳の女性の間で顕著に見られており、2019年下半期と2020年の下半期を比較すると「#バブル」の入った商品の取引件数は約2.5倍に増加していました。

――昔流行したものを探すプラットフォームとしてメルカリが機能しているわけですね。

 そうですね。他にも、15歳から19歳の男女の取引件数を2019年下半期と2020年下半期で比較したところ、「80年代」を含む取引件数は約3.7倍、「昭和レトロ」を含む取引件数は約2.5倍になっていました。

 普段出会えない古いものを探すためにメルカリを利用する若年層が増えているのが見て取れます。

メルカリで広がるおさがり・逆おさがり文化

――古いものを購入する以外に、若年層ならではの使い方はありますか。

 年下から年上へ流通する逆おさがり型の取引です。「コーヒー」などの嗜好性飲料、「ドライブレコーダー」などの安心ツール、また「入浴剤」などの商品カテゴリーで逆おさがりが起きています。そして、野球のグローブやバットなどの練習道具でもこの傾向は顕著です。高校球児が自分の引退を機にメルカリに出品し、これから野球を始める子供を持つ親や指導者の世代が購入するのです。

 メルカリ総合研究所と博報堂生活総合研究所が行った調査※1では、メルカリ内で取引される商品カテゴリーのうち、27.0%が逆おさがり型となっています。

――なるほど。先ほどの「バブルスーツ」など古いものを買うのは、年上から年下に移っていくおさがり型の取引になると思いますが、おさがり型だとどのような商品カテゴリーが人気なのでしょうか。

 おさがり型でいくと、「ダーツ」「美顔ローラー」がミレニアル世代世代からZ世代に、「フィルムカメラ」が全年代からZ世代に、そしてスケートボードもストリートブーム世代からZ世代に移っています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/27 06:30 https://markezine.jp/article/detail/36120

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