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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢

多様なデータ資産を用いメディア環境の変化に対応する「TV AaaS」

 単一キャンペーンだけでなく、中長期的な視点で成果を上げていくためにはどうすればいいだろうか? 博報堂DYメディアパートナーズが提供する「TV AaaS」は多様なデータと、クライアントの目的に合わせた評価指標によって、継続性と再現性のある成果の追求を目指している。

※本記事は、2024年5月刊行の『MarkeZine』(雑誌)101号に掲載したものです

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
TV AaaS Lab 副編集長 佐藤憶人氏

2012年博報堂DYメディアパートナーズ入社。雑誌・TVメディアのバイイング業務を経験したのち、2018年より業種を問わない大手企業の統合メディアプラニングを担当。現在は、博報堂DYグループが提唱する広告メディアビジネスの次世代型モデル「AaaS」の戦略立案と推進に従事。特に、AaaSを核としたTV・Digital統合動画コミュニケーション領域の進化に携わる。

TV AaaS(※)」で使用しているデータ:TV視聴データ、CM出稿データ、各種調査データ、Web行動データ(サーチ・サイト来訪・CV等)、生活者データ(ライフログ・位置情報・POS等)、許諾を得た1stPartyデータなど

AaaS(Advertising as a Service)博報堂DYグループが提唱する、統合的なメディアプラニングから、広告枠のバイイング、広告効果のモニタリングをワンストップで支援することでマーケティング戦略上、最適な広告メディアの活用を可能にするサービス。

KPIに合わせて分析から最適化まで一気通貫

Q.まず「TV AaaS」がどのようなソリューションか教えてください。

 テレビCMの効果分析から、その結果に基づく素材や枠の最適化までを一気通貫で実行する高度運用サービスです。ダッシュボードによる可視化、バイイングパワーを活かした実現力を兼ね備えています。そしてマーケティング領域へ踏み込むのであればAnalytics AaaS、デジタル広告と掛け合わせるのであればTele-Digi AaaSといった形で対応領域は非常に広いです。

 「『TVAaaS』で使用しているデータ」にあるような、膨大なデータ資産をシステム基盤に独自のアルゴリズムで統合し、広告主のマーケティング活動との常時接続環境を整備しています。長年の実績データの蓄積から業種ごとのKPI・広告効果などのノーム値(基準値)を保有しておりプラニングへの反映が可能です。近年はグループ独自のIDをのりしろとすることで、データ統合のクッキーレス対策も進んでいます。

図表1 「TV AaaS」のイメージ
図表1 「TV AaaS」のイメージ

Q.どのような企業による利用を想定していますか?

 TV AaaSは広告主の多種多様なKPIに合わせて、テレビCMの効果・効率の向上を目指します。あくまで効果の可視化(見える化)はそのプロセスで、最適化アクションの実現(直せる化)を前提と考えています。

評価指標は拡張中、継続性・再現性のある成果が重要

Q.どのような評価指標を用い、何をもって成果が出たと定義されていますか?

 AaaSは、GRPやリーチ、インプレッションといった「到達指標」(生活者に届けることができたかどうか)はもちろん、検索やサイト来訪、アプリDL、売上といった「伝達指標」(生活者を動かすことができたかどうか)まで広く対応し、さらなる評価指標の拡張を続けています。

 近年は、検索などダイレクト的な発想でテレビCMを評価する傾向が強まっています。一方で、画一的な指標のモニタリングには限界があるのも事実です。広告主のマーケティングに寄り添った評価をコンサルタントとともに設計していけることもAaaSの強みの1つです。

 また、AaaSでは「継続性、再現性のある成果」を強く意識しています。広告主と合意形成した目標に対して、我々が約束するのは単一キャンペーンの成果(実施前から終了後に至るまでの評価指標のリフト)だけではありません。その結果をもって次回キャンペーンの成果をさらに引き上げる知見を紡いでいくことが重要だと考えています。広告主を取り巻くマーケティング環境、そして日々刻々と変化するメディア環境に応じて、中長期にわたって成果を上げ続けることを博報堂DYグループ全体で実現していきます。

3パターンのPDCAを使い分ける

Q.「TV AaaS」を用いた改善例を教えてください。

 短・中・長期間の3パターンのPDCAが主に存在し、それらを使い分け、必要に応じて組み合わせることで効果を発揮します。

 1つ目が短期間で実行する高速PDCAです。2週間から1ヵ月程度のキャンペーンの中で効果をモニタリングし、素材や枠の最適化を実施します。限られたキャンペーン期間の中でリアルタイムに効果を可視化し、迅速にバイイングに反映することが必要で、広告主に向き合うコンサルタントとメディアに向き合うバイイング担当との連携が鍵を握ります。

 2つ目がキャンペーン単位で実行する中期間のPDCAです。終了後に、その効果をより仔細に、正確に、多角的に捉え、次回キャンペーンのプラニング・バイイングの最適化を実施します。こちらはテレビCMに限らず、デジタル広告や他メディアともいかにシナジーを生み出していくかがポイントです。

 最後が年度単位で実行する長期間のPDCAです。蓄積してきた分析結果に対してシーズナリティやトレンドを考慮し、年間のコミュニケーション戦略へと落とし込んでいきます。

 無機質なデータに息を吹き込み、クリエイティブを含む広告コミュニケーション全体のデザインへと昇華させていくには、これらのPDCAを有機的に組み合わせることが重要です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/05 14:46 https://markezine.jp/article/detail/45613

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