SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Autumn

MarkeZine Day 2026 Spring

AIエージェントとの共創で実現!TSIが取り組む、データ活用人材育成の内製化プロセスと施策事例に迫る

 データ活用人材をいかに育成するかは、多くの企業がまさに直面している重要課題だ。本記事では、多数のアパレルブランドを展開するTSIでデータ活用をけん引する竹山氏と大橋氏が登壇した、MarkeZine Day 2026 Springのセッションの模様をレポート。SQL未経験社員がわずか2ヵ月で自作ダッシュボードを立ち上げるまでに成長を遂げた教育プロセスから、新ブランド開発や広告最適化などAIエージェントの活用事例まで、BEST OF MARKETING AWARD 2026「データ&テクノロジー ドリブン部門」を受賞した取り組みの裏側を明らかにした。

1to1指導の限界を打破!AIエージェントによるデータ人材育成への舵切り

 「NATURAL BEAUTY BASIC」「NANO universe」など40以上のアパレルブランドを展開するTSIホールディングス。その中核としてECサイト「mix.tokyo(ミックスドットトウキョウ)」の運用を担うTSIでは、Treasure Data CDPやGoogle Cloudを用いて顧客データ・行動データ・店舗/ECの購買データなどを統合分析してきた。

 しかし、データ活用を社内でさらに推進するにあたりいくつかの壁に突き当たっていた、と語る竹山氏。まずは、社員個々のデータハンドリングスキルのばらつきだ。また、データ活用領域は竹山氏や大橋氏が所属するデータマネジメント課が担っているが、営業や生産など他の部署・部門でもよりビジネス貢献につながる形で取り組みたいニーズが高まっていた。

株式会社TSI EC事業統括部 竹山 健司氏(※肩書は登壇時のもの)
株式会社TSI EC事業統括部 竹山 健司氏(※所属・肩書はいずれも登壇時のもの)

 さらに、属人的な教育体制も課題となっていた。当時、社内でのデータハンドリング教育は、先駆者であるメンバーが独学で得た知識を他の社員へ1対1で伝承していくスタイルに依存していた。この体制は、受講側の習熟度や学習ペースの違いに対応しきれないこと、一人の人間が直接指導できる範囲とスピードには物理的な限界があることも難点であった。

 そこで同社が舵を切ったのが、LLM(大規模言語モデル)をベースにしたAIエージェントによる教育プロセスの内製化である。データ活用の教育を、AIという24時間いつでも並走してくれるパートナーに委ねることで、従来の人間対人間の指導体制にあったボトルネックを一気に解消しようと試みた。

個人のペースに徹底して寄り添う。LLMの4大メリットとは

 データ活用の教育プロセスにLLMを導入するメリットとして、竹山氏は次の4つを挙げた。

 1つ目は、個々の学習ペースに完全に合わせられる点。日々の通常業務を抱えながら新しいスキルを習得する社員にとって、全員が集まって同じカリキュラムを同じ時間で消化する一律型の研修はハードルが高い。学習のスピードや躓くポイントは一人ひとり異なるため、それぞれの日常業務の合間に自分のタイミングで学習を進められる環境は、内製化を支える強力な土台となった。

 2つ目は、反復学習や質問の容易さ。相手がAIエージェントであれば、どれほど初歩的な質問であっても、また何度同じ説明を求めようとも、受講者は気兼ねなく徹底的に問い直すことができる。

 3つ目は、データの機密性を保持できること。外部の一般的な生成AIサービスとは異なり、社内のクリーンな環境に構築されたAIエージェントであるため、TSIが保有するデータベースの構造やテーブル情報を前提とした具体的な質問を投げかけても、外部に漏洩するリスクを完全にシャットアウトできる。

 そして4つ目は、カスタマイズが容易である点だ。受講者の習熟度やフェーズに合わせてプロンプトを微調整し、「開始1ヵ月の初心者向け」「慣れてきた中級者向け」といった最適な伴走役を柔軟に実現することが可能となった。

次のページ
データ活用人材を育てる、3つのステップ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2026 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/08/24 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50520

Special Contents

PR

Job Board

PR

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング