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MarkeZine Day 2026 Autumn

クロスチャネルで伸ばす音声広告プランニング(AD)

ライバルは「作詞家」だった。天才クリエイティブディレクター杉山恒太郎が語る意味をもたらす音とデザイン

ライバルは作詞家?名作に通底する「音」の力

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 杉山氏の過去の代表作にも、当然「意味のデザイン」があった。27歳で手がけた小学館「ピッカピカの一年生」は、日本初のデジタルビデオ活用広告だったというが、テレビが他のメディアと違う唯一の強みとして「生中継」であることに着目。「各地から入学を迎える子どもたちの様子が生で飛んでくる」といったイメージを想起させるため、当時の主流であったフィルムではなく、生中継らしいデジタルビデオを使った。カルト的人気CMとしてSNS登場以降も度々話題化されてきたサントリーローヤル「ランボー」も、当時クライアントが掲げた「酒を売るな、文化的なものを売れ」という言葉を反映したデザインだ。

 こうした「意味のデザイン」と並び、杉山氏が大切にしてきたのが、「音としての言葉」の力を引き出すデザインだ。「セブンイレブンいい気分」のサウンドロゴもその一つ。東京都世田谷区に10店舗を展開した頃のラジオCMで生まれた。

 そんな杉山氏が自身の一番のライバルと語るのはコピーライターではなく「作詞家」だった。

 「作詞というのは、文字だけを見ると大したことがない。どんなメロディの上に乗るのか、誰が歌うかで悲しい歌にもワクワクする歌にもなる。コピーライティングにも音が重要。だから現在のポッドキャストも、この私の考え方と相性が良いのです」(杉山氏)

 企業が生活者と結ぶコミュニケーションにおいて、単なるテキストとしての言葉ではなく、「音としての言葉」がいかにブランドの認知や好意度を決定づけるか。杉山氏は自身の経験から、その絶大な効果を強調した。

 実際にSpotifyがパートナーと実施した調査では、サウンドロゴを使用したクリエイティブでは、認知度は平均と比較して+17ポイント、好意度は+21ポイント高まることが確認されている(*3)。

*3 出典:Mercury Analytics(2024〜2025年、日本、n=1126)

Spotifyがもたらした最も価値ある変化

 講演終盤、杉山氏は目から耳の時代への変化について改めて語った。

 「声は人格の伝達そのものです。視覚的なコミュニケーションでは外見で取り繕えても、声(オーラルコミュニケーション)は嘘をつけません。だからこそ、音声で発信するメッセージには本質的な『人格』が現れます。(メディア論の第一人者である)マーシャル・マクルーハンは、ラジオを『部族の太鼓』と呼びました。音声には、人を結びつける力があるのです」(杉山氏)

 さらに、音声が持つビジネスやマーケティングの新たな可能性として、シンガポール発のテック企業で「人の音声」の世界的アーカイブを構築している「VoiStock」を紹介。すでにJR東海などの大手企業がこの音声資産を活用したビジネスを展開し始めている事例を挙げる。

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 この例が示すのは、音声が単なるメディアの枠を超え、企業の重要なコミュニケーションインフラへと進化している現状だ。杉山氏によれば、VoiStockのCEOである福井陽孝氏は「Spotifyがもたらした最も価値ある変化は、お金を払えない人でも世界中の音楽データを検索しアクセスできるインフラを作ったことだ」と評価する。

 AIをはじめとしたテクノロジーの浸透が進む現在。一方で、杉山氏が取り組んできた「意味のデザイン」の必要性がようやく日本でも理解され始めた。

 「2027年9月、東京大学に約70年ぶりとなる新学部『カレッジ・オブ・デザイン』が設立されます。スタンフォード大学では2005年に『d.school』ができました。世界中で『経営にはデザインが必要だ』と言われ、日本もようやく動き出したところです」(杉山氏)

 また、スタンフォードのオンラインハイスクールでは、中高生に必要な「唯一の必修科目」として哲学を教えていると指摘。「AIが出すのは一つの答えで、問いを作るのは人間です。良い問いがなければ、良い答えは出ません」と述べ、デザインの源泉を人間自身の問いに求めるべきというスタンスを強調した。

 今もFM COCOLOの番組『RADIO SHANGRI-LA』で立川直樹氏とともにDJを務め、発信を続ける杉山氏。半世紀にわたり言葉と音に向き合ってきた同氏が、耳の時代に人間が果たす役割を語り尽くした。

 杉山氏が語った「目の時代から耳の時代へ」という潮流。その変化の中心に立つSpotifyは、音声広告をはじめ、こうした音声の力をマーケティングに活かすためのソリューションを幅広く提供している。音声がコミュニケーションの主役へと進化しつつある今、次の10年のプラットフォームとしてのさらなる可能性を、広告主たちとともに切り開いていく。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:スポティファイジャパン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/77060

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