営業担当への熱量の伝播が導いた売上1.2倍
──商品を展開するだけでなく、コラボを伝えるための戦略や、売上への反映についてはいかがでしょうか。
金田:私たちの商品は流通を介してお客様に届きます。キャンペーンの意図やメッセージを直接店舗へ伝えるのは営業メンバーです。流通向けの商談は時間が限られ、非常に短時間なことも多いです。複雑な取り組みを流通側に知ってもらうためには、営業メンバーに私たちの熱量を知り、共感してもらうプロセスが非常に重要だと考えました。

大門:そこで、営業ご担当者様向けにコラボキャンペーンの解説動画を作成することを提案しました。勉強会を通じて動画を共有いただきました。また、一部営業所の方には施設へも直接足を運んでいただきました。
金田:結果、たとえば、小林覚さんがお住まいの岩手県では、想定の3倍の取り扱いが決まったスーパーもあります。営業メンバーが熱心にアタックしてくれたからです。当初はスーパーメインの想定でしたが、最終的にはコンビニエンスストアでの展開にもつながりました。
売上の初速についても、ヘラルボニーラベル導入店舗様では、「サントリー天然水」550ml計の売上数量が約1.2倍で伸長しています。半数以上が新規顧客層による購入と分析しており、まさに狙い通りの新規流入が実現できています。
大門:ヘラルボニーのファンの方々からも多くの反響をいただいています。ヘラルボニーを愛用する学校の先生から「生徒が『先生が好きなブランドのボトルがあったよ』と教えてくれた」というご連絡もいただきました。ヘラルボニーのお客様は30~50代の方が中心ですが、今回は若年層を中心に広く様々な方に届いている手応えを強く感じています。

また、ブランド事業とも連携し、銀座や盛岡の直営店舗でのノベルティプレゼントキャンペーンや、SNSでのプレゼントキャンペーンなども展開しています。ヘラルボニーの会員制度や各種施策とこのボトルを接続させることで、ヘラルボニーを知っていただく大きなきっかけにもなっています。
共創成功の鍵は「交点」の探求と議論
──最後に、今回のプロジェクトを通じた気づきや、IPコラボを検討している方々へのアドバイスをお願いします。
金田:「サントリー天然水」といえば「水色のボトルに山」という認知がある中で、今回のコラボレーションを通して、新しい表現でも価値を伝えられるのだと発見がありました。両ブランドが伝えたいことの「交点」を妥協せず時間をかけて見つけ、そこをしっかりと広げられるように議論を進めたことがこの結果につながったと考えています。
大門:ヘラルボニーは一般的なキャラクターIPとは少し異なる性質を持ったIPを展開しています。サントリーさんとの取り組みは、CSRの文脈ではなく、ブランドの価値向上としてコラボレーションした実績だと考えています。このかたちでIPを社会に届けられたことが、大きな一歩です。
今回の取り組みを振り返ると、金田さんも言うとおり、「なぜやるか」を徹底的に議論し、目で見て手で触って確かめに行くというプロセスを共に実施できました。共創においてこの点が非常に大切だと感じています。
