大切なのは、成功の規模よりも「行動に移したプロセス」
──今回の「BEST OF MARKETING AWARD 2027」では、「ブランド・ロイヤルティ部門」をはじめとするマーケティングの先進的な事例を募集しています。審査員を務める木村さんは、どのような挑戦事例に出会いたいですか。
「インサイトを突いた素晴らしい広告がバズった」「新製品のシェアが急拡大した」といった華やかな成功事例も素晴らしいですが、私がぜひ皆さんにご応募いただきたいのは、様々なハードルを乗り越えて「新しいチャレンジに向けた一歩を、実際に市場へ踏み出した」というプロセスそのものです。
私自身、日本のビジネス現場での高いハードルを深く実感してきました。現場の方々は世界水準で見ても非常に優秀で、フレームワークを用いた分析や戦略立案には長けています。しかし、いざ経営層や株主の合意を得て「実際に市場に出す(実行する)」となると、驚くほど実践の数が減ってしまうのが現状です。グローバルと比較して検討フェーズが長く、短期的なPL(損益)への影響や社内の重力を気にして、最終的に「やらない理由」を見つけてしまうことが少なくありません。
だからこそ、規模の大小や最終的な結果の白黒に関わらず、「この会社がこれをやったか!」という、ブランドとして腹を括って挑戦した事例にお会いできることを、心から楽しみにしています。
企業のリアルな実践が、5年後のマーケティングの「教科書」になる
──アワードを通じて事例を公の場で称え合うことには、どのような意義があるとお考えでしょうか。
メディアを見れば「CPAがいくら下がった」「CVRが何%改善した」という情報があふれていますが、今の時代、AIやツールを使えばそうした手法はすぐに手に入ります。本当に価値があるのは、「自社の文脈にどう落とし込み実行したか」というリアルな事例です。
特に、限られた予算の中で知恵を絞った中小企業やミドル層の企業のリアルな実践は、潤沢な予算で代理店と組んでいる大企業にとっても、非常に魅力的な「新しいマーケティングの文脈」になります。皆さんが日々の業務の中で手応えを感じた素晴らしい経験を、自社の会議室や個人の頭の中だけで消費してしまうのはあまりにもったいないことです。
自社の事例をアワードという公の場に出すことで、それが業界全体の共有財産になり、5年後の誰かにとっての「新しい教科書」になる。自らが新しいマーケティングを切り拓く先駆者になるという、非常に大きな意義があると考えています。
挑戦を恐れない、すべてのマーケターへ。
MarkeZineでは、現在マーケティングアワード「BEST OF MARKETING AWARD 2027」への応募を受け付けています。書類応募のみで参加可能、締め切りは2026年11月9日まで。皆さんの日々の取り組みや挑戦、先進事例などをぜひご応募ください!
