成功の裏には必ずロジックがある。ブランド価値向上の「再現性」を生むヒント
──「体験価値」や「ブランド価値」といった曖昧なものを、企業として正しく評価し、事業に結びつけるためには、どのようなアプローチが求められますか。
これまで定性的な「体験」の重要性を語ってきましたが、それを事業として推進する以上、それが「本当に事業成長のためになっているか」を証明する土台は絶対に必要です。
世の中には、天才的なクリエイターが手掛けた施策がバズったり、あるアイドルグループが突如として爆発的な人気を得たりする現象があります。一見するとセンスや奇跡のように思えますが、その裏には必ず明確なロジックと事実が存在します。「どのようなマインドセットを持った人が共感しているのか」「なぜ無料でコンテンツを見られるのに、わざわざグッズまで買いに行くのか」。そうした感情の動きの裏側にある事実を突き詰め、数値化し、可視化していくこと。それによって初めて、感覚的だった成功に「再現性」が生まれるのです。
──自社のブランド価値をどう因数分解し可視化していけば良いのか、ヒントをいただけますでしょうか。
まず大前提として、「すべての企業に当てはまる万能なフレームワークはない」と理解することが重要です。たとえば同じカフェチェーンであっても、スターバックス、タリーズ、サンマルクカフェでは、売上を生み出すロジックツリーは根本的に異なります。
多くの企業は、認知率、配荷店舗数、NPSといった一般的な中間指標をKPIに置きがちです。しかし、そこからさらに「自社独自の因数分解」をしなければ本質は見えてきません。
認知率ひとつをとっても、ただ「名前を知っているか」だけでなく、「自ら思い出してくれるか」や、「購入の選択肢に入るか」まで分解する。「認知が上がれば売上が伸びる」といった固定観念を一度すべて捨て去り、自社の事業において本当に意味のある指標を泥臭く洗い出し、独自のロジックツリーを組み上げることが求められます。
──最後に、MarkeZineの読者の方々にメッセージをいただけますでしょうか。

ブランドの本質的な価値を因数分解し、社内の壁を乗り越えて新しい挑戦を実行することは、決して簡単な道のりではありません。しかし、だからこそ、そうやって皆さんが現場で足掻いて見つけ出した「自社独自の勝ち筋」には、圧倒的な価値があります。
今回の「BEST OF MARKETING AWARD 2027」では、華やかな結果だけではなく、そこに至るまでにどんな仮説を立て、どう行動し、課題を突破したのかという「プロセス」に出会えることを心から楽しみにしています。一歩踏み出せば、皆さんのその泥臭い実践が、業界を前進させる新しい教科書になるかもしれません。挑戦を恐れず、ぜひ次世代のマーケティングを切り拓く突破口を見せてください。
挑戦を恐れない、すべてのマーケターへ。
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