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注目DSP事業社のキーパーソンと語る!(第2弾)スマホ広告市場への期待と現実

スマホとPCで異なる「コンバージョン」の捉え方

高瀬:先ほど、スマホの接触頻度という話が出ましたが、それで思い出したことがひとつあります。最近、「暇」の捉え方が変化しているようですね。昔は数時間〜数日単位で何も予定がない状態が暇だったのですが、今は電車の待ち時間など、何とも接触していないスキマ時間を暇と認識するようになっています。

株式会社スケールアウト 副社長 CRO 宮本裕樹氏

宮本:暇のハードルが下がっているんですよね。聞いたことがあります。

佐藤:僕もエスカレーターに乗っている時とか、信号待ちの時間を暇だと思います。明らかにスマホというメディア登場による影響ですね。こういう数秒~数十秒というスキマ時間の中で、ユーザーがコンテンツや広告にどう接するかを考えなくてはならないんですよね。大量な情報を短時間で脳が摂取する場合、無意識のうちに不要と判断される情報はシャットアウトされます。選択的認知と呼ばれたりしますね。つまり、スマホというメディアへの接触態度の変容にあわせて、広告フォーマットも指標もPCのメタファーから変えていかないといけないのではないでしょうか。

宮本:コンバージョンということでいえば、スマホで広告を見た後、自宅のPCでアクセスしているオーディエンスも多いはずなんですよ。でもそのコンバージョンは拾えていないですよね。

高瀬:デバイスをまたいだトラッキングができればいいのですが、現実問題としてまだ難しい状況ですね。

佐藤:「浅いコンバージョン」といった概念を指標化したいですよね。

宮本:それにスマホ広告市場はPCに比べ、SSPが少ないと思います。最適な広告フォーマットと指標が確立され、RTBで買える広告枠の流通量が増えてくるのが理想ですが、そこに向けて考えていく課題はいくつもありますね。

データ活用で広告主のマーケティング課題をどこまで解決できるか

高瀬: 広告主の方は、ほとんどが「オーディエンスに、最適なタイミングで最適なメッセージを出したい」というニーズを持っています。RTBのプログラマティックな仕組みがそのニーズに応えてきましたが、先ほども話に出たように、スマホの場合は「接触している時=リアルタイム性」と「場所=ロケーション」という特性があるので、その係数を活用できたらお客様の課題解決にさらに貢献できると思っているのですが、DMPを併用することでこうしたニーズに応えることは可能でしょうか。

佐藤:ハイパーローカルな位置情報、移動習慣の推定などが可能になれば付加価値を出すことは可能でしょうね。

宮本:位置情報を活用する場合は従来のバナーでなくプッシュ配信が有効ですが、広告のプッシュ配信はユーザーにストレスを与え逆効果になる場合もあるので、どう出すかが非常に重要ですよね。

高瀬:運用サイドから見ると、スマホのロケーション情報は魅力的なんですけど、具体的な実現方法は熟考する余地があるようですね。ところで両社ともデータ連携・活用ソリューションを積極的に展開されていらっしゃいますが、差し支えない範囲で、今後の戦略などをお聞かせ願えますか?

宮本:スケールアウトは、スマホのデータの精度と量、それに解析手法の多様さは定評があり、スマホのDMPとしては他社では難しいクオリティを提供できている自負があります。また、今後はスマホアプリ上でのDSP経由の配信量も増えてきますので、まずはスマホウェブ、アプリの壁を統合管理する環境を用意したいのと、先々にはPC等のクロスデバイスもみすえ、統合ID化を進めていくことでDSPがお客様の長期的なマーケティング施策に対してバリューを発揮できることを目標にしています。

高瀬:広告主の方、広告代理店の方などもお使いだと思うのですが、その活用具合はいかがでしょうか。使い倒していますか?

宮本:そうですね、お客様によってはDSPをアドネットワーク的に、掲載面や期間を絞った短期施策的に使われているのですが、それだとDSP・DMP合わせた良さが活かされないという懸念があります。最近は当社の方でもアドネットワークとDSPを切り分けた提案をすることで対応しています。

佐藤:フリークアウトは、データ解析事業者であるPreferred Infrastructure社と合弁でIntimate Mergerという専門会社を設立しました。ここではプライベートDMPの構築やデータ活用・解析の支援ソリューションを提供しています。アクティブな1億オーディエンスの外部データとお客様が保持する内部データを掛け合わせた蓄積・解析を続けており、圧倒的なボリュームと共に柔軟性ある解析機能を提供可能な点が特徴です。

高瀬:僕らもIntimate Mergerを利用しているのですが、アドホックでクラスタを作ってピンポイントにターゲティングし、メッセージングしたり、またペルソナ像の作成・拡張に使ったりと、かなり使い込んでいます。

佐藤:当社は「とにかくデータを増やしていけば、きっといいことがある」という信念の下、あらゆるデータとつないでいく方針でやってきました(笑)。運用広告支援というと、必然的にバナー広告への依存が大きくなりますが、実はお客様の課題はそこではないんですよね。もっと広く「マーケティング」として捉え、事業として健全な成長を促すために何が必要かを考えて、その中でどうすれば効果的な運用広告が可能かを策定する必要があります。DMPはそのためのもので、数か月や1年といった単位ではなく、長期に使い込んでいくソリューションなんです。実際お客様のデータ活用を見ると、僕らの想定とは違うけれども、その使い方に感心することも多いですよ。そういう意味では数年越しの長期的なお客様のマーケティングパートナーになることを目標に進めています。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/26 17:56 https://markezine.jp/article/detail/20687

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