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マーケティングプラットフォーム大解剖

「Google Marketing Live 2019」キーノートで発表された新機能まとめ


 米国時間2019年5月14日(火)、サンフランシスコで「Google Marketing Live 2019」が開催されました。本稿では、キーノートで発表されたアップデートについて紹介します。

矛盾するユーザーの要求にどう答えるか

 米国時間2019年5月14日(火)、Googleは、Google広告や「Google Marketing Platform(旧DoubleClick関連製品およびGoogleアナリティクス)」など、マーケティング関連プロダクトに関するアップデートを発表する「Google Marketing Live 2019」をサンフランシスコで開催しました。

 このイベントは毎年1回開かれており、「Google Marketing Live 2019」は、昨年7月に行われた「Google Marketing Live 2018」を引き継ぐ形になります。昨年の発表については、こちらの記事をご参考ください(すべての広告主の手に機械学習を/Googleの表明と16のポイント【GML2018】)。

 GoogleのSenior Vice Presidentで広告関連製品のビジネスを統括するPhilipp Schindler氏は、キーノートの冒頭で、世の中の変化について、下記の3つの点を強調しました。

1.スマートデバイスの登場

 スマートフォンはもちろんのこと、スマートスピーカー、スマートテレビなど、様々なデバイスが登場し、ユーザーはよりパーソナライズされた精度の高い体験を期待していること。

2.機械学習の精度の向上

 デバイスの性能の向上によって処理スピードが飛躍的に速くなり、今まで難しかった画像認識や翻訳の精度が向上したこと。

3.プライバシーへの意識の高まり

 ユーザーから、機械学習を用いてパーソナライズされた体験が求められる一方で、データに対するプライバシーも重視されること。

 ユーザーが求める情報のクオリティが高くなる中、プライバシーへの懸念から使用するデータは制限される方向にあり、精度の高い回答をユーザーに返すことは難しくなっています。この矛盾したユーザーの要求に対して、機械学習の力を最大限に活用してうまくバランスを取りながら開発を進めることがキーノート全編を通して強調されていました。

 では、ここから「Google Marketing Live 2019」で発表されたアップデートについて共有します。

ユーザーと企業、双方のニーズに対応

Gmailなど3つの配信面に表示される「ファインド広告キャンペーン」が登場

 「ファインド広告キャンペーン(英語名:Discovery Ads)」は、Googleのサービスの中で特に“発見”が起きやすいとされる「YouTube Home Feed」「Gmail」「Discover Feed」の3つの配信面に表示される広告です。ユーザーの検索履歴や動画視聴履歴、位置情報、Webサイトの閲覧履歴などの情報に基づいて、個々に関連性の高い広告を配信します。登録した広告素材を基にそれぞれの配信面に適したクリエイティブが自動生成されるネイティブ広告で、パフォーマンスによる自動最適化が行われます。

 そして、このファインド広告キャンペーンによって初めて、「Discover Feed」に広告が配信されるようになりました。CV数が増える可能性が高いので、クリック率やコンバージョン(以下、CV)率が他の配信面とどのように異なるのかを確認する意味でも、ぜひ試してみる価値があると考えます。

検索結果ページの上部へ「カルーセル形式」の広告を表示可能に

 スマートフォンユーザーの75%は、即座に情報を取得できることを望んでいると言われています。こうしたユーザーニーズを背景に、Google 検索に対するユーザーの意図をより視覚的でインタラクティブに広告フォーマットに活かすための機能として「ギャラリー広告」が発表されました。

 「ギャラリー広告」は、検索結果の上部に表示される画像とテキストを組み合わせた広告で、4~8枚の画像をカルーセル形式で表示することができます。テキストは、3つのタイトルと最大半角70文字のタグラインのテキストを入力できるようです。

 またGoogleの調査によると、「ギャラリー広告」を利用したキャンペーンでは、25%のインタラクション数の増加が見られたとのことです。

6秒動画など「短い」動画を「高頻度」で視聴するユーザーへの積極的なアプローチを可能に

 Googleの調査結果によると、3つの6秒動画を見たユーザーは、通常のユーザーと比べて107%広告を想起しやすくなり、商品またはサービスを購入する意図は134%に高まるとの調査結果があります。これは大きなビジネスインパクトですが、動画の制作にはコストがかかるため、複数の6秒動画を作ることに二の足を踏む広告主も多いのではないかと思います。

 そのような状況を解決するためにリリースされたのが、「Bumper machine」という動画作成ツールです。「Bumper machine」に動画(最長90秒)をアップロードすると、動画の中の顔やロゴなどを解析し、3~4種類の6秒動画広告が自動的に生成されます。「Bumper machine」を活用すれば、“短時間”の動画を“高頻度”で視聴する傾向にあるモバイルユーザーへ積極的にアプローチすることができます。

アプリとWebをよりシームレスに

 ディープリンクとは、スマートフォンアプリの特定のコンテンツへ直接遷移させるリンクのことを指します。広告のランディングページにディープリンクを設定すると、広告主のアプリをインストールしていないユーザーにはWebサイトの該当ページを、アプリをインストールしているユーザーにはアプリの該当ページを表示させることができます。

 アプリに決済情報などを登録している場合は入力する手間が省けるため、Webに遷移させるよりも高いCV率が見込まれる傾向にあります。試験的に導入した広告主の中には、CV率が2倍になったケースもあることが共有されました。

 加えて、「Google Analytics for Firebase」にはアプリのイベントを簡単に計測できる機能があるため、WebにおけるCVポイントと同様の箇所をアプリでも計測し、パフォーマンスを比較することもできます。ディープリンクは、Google 検索、Google ショッピング、Google ディスプレイの3つのネットワークで正式に利用可能になります。

Googleショッピングがリニューアル!

 Googleショッピングのリニューアルが発表されました。新しいGoogleショッピングでは、過去の検索履歴や購買履歴などに応じたレコメンド商品が掲載され、レビューや商品の動画など、関連する情報を簡単に表示することができるようになります。フランスでは本日から新しいGoogleショッピングが開始され、今後数ヵ月以内に米国でもリニューアルされる予定です。

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この記事の著者

杓谷 匠(シャクヤ タクミ)

Jellyfish Japan株式会社 Data Strategy Director 2008年に新卒一期生としてグーグル株式会社に入社。2010年にスタートアップの立ち上げに参画したのち、しばらく川原でひざを抱える日々を経験。2013年からトリップアドバイザー株式会社にてSEMアナリスト、BIア...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/16 13:51 https://markezine.jp/article/detail/31046

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