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肩書きにもポジションにもこだわらない。富永さん島袋さんに聞いた、2022年の仕事の話

 パルコやキリンでキャリアを積み、2019年からはヤプリでマーケティングを担当していた島袋孝一氏。2022年1月、プリファードネットワークスへと活躍の場を移す。同社には約2年半前、プロマーケターの富永朋信氏がジョインしている。両氏はこれからどんな仕事をしていくのか。組織や業種を問わず活躍し続けるためには?

肩書きではなく、今の自分に何ができるか

MarkeZine編集部(以下、MZ):島袋さんには過去にもご転職のタイミングでお話を聞かせてもらっていましたが(参考記事)、今回は驚きました。まずは経緯を教えていただけますか?

島袋:元々転職の意思はなかったのですが「42歳の自分には、今どんな選択肢があるんだろう」とぼんやりと考えることはありました。そんな中プリファードネットワークス(以下、PFN)の富永さんに声をかけていただき、通常の選考を受け、お互いをよく知る時間を数ヵ月設けた上で、このタイミングで挑戦しようと決めました。

MZ:タイミング、といいますと?

島袋:40代にもなると、プレーヤーか、マネージャーかの選択を迫られてきます。そのうえで、僕はまだまだプレーヤーとしてマーケティングを突き詰めたいと思っていたんです。お話ししていくなかで、富永さんやPFNはそれを求めてくれているような気がして。今の僕じゃないとできないなと感じました。

富永:どんなポジションで入ってもらうか、ということはまったく気にしていません。ポジションって飲み会の場を回す幹事みたいなもので、その時々の状況に応じて、いろいろな人がなっていくものだと考えています。役割もタスクもダイナミックに変化していく、アメーバみたいな組織が理想。そういう動き方をするにあたって、しまちゃん(編集部注:島袋さん)と一緒にやっていきたいと思いました。

島袋:そうだったんですね。僕も肩書きにはこだわりはなく、何が僕にできるのかが大切でした。もっと言えば、「マーケター」と自認することもほとんどなくて。その時々で、企業と企業、企業と人、そして人と人を繋いでいくコミュニケーターみたいな動きをしていくのが、自分の仕事だと思っています。

島袋孝一氏2004年パルコ入社。店舗リーシング・販促宣伝、経営企画室を経て、2013年よりデジタルマーケティングに従事。 2016年キリンに入社。グループを横断するデジタルマーケティング部に所属。2019年1月よりヤプリにマーケティングスペシャリストとして参画。2022年1月よりプリファードネットワークスへ。
島袋孝一氏
2004年パルコ入社。店舗リーシング・販促宣伝、経営企画室を経て、2013年よりデジタルマーケティングに従事。 2016年キリンに入社。グループを横断するデジタルマーケティング部に所属。2019年1月よりヤプリにマーケティングスペシャリストとして参画。2022年1月よりプリファードネットワークスへ。

マーケターとしてのポータブルスキルって?

MZ:2019年に、富永さんがPFNさんにジョインされたことも話題となりましたが(参考記事:日経クロストレンド)、組織や業種を越境して活躍したいと考えるマーケターは多いと思います。お二人は、マーケターが場所を変えても持ち運ぶことができるスキル、つまりポータブルスキルはどのようなものだとお考えでしょうか?

富永:僕が欠かせないと思うのは、「いかに自分の中に人間のプロトタイプを持ち、シミュレーションを重ねられるか」というものです。人間にどう働きかけたらどう反応するのか、なぜそうなるのかを理解しておく。学問の領域では、行動経済学や心理学で深掘りされていますね。そういった勉強や実務での経験を蓄積していって、自分のなかに仮想の人間像を構築していくんです。それがあると、さまざまな施策に対して、逆算や設計ができるようになります。

富永朋信氏1992年大学卒業後、日本コダックに入社。日本コカ・コーラ、西友、ドミノ・ピザ ジャパン、イトーヨーカ堂などでマーケティング関連職務を歴任。直近4社ではマーケティング部門責任者を拝命。2019年7月、プリファードネットワークスに入社。
富永朋信氏
1992年大学卒業後、日本コダックに入社。日本コカ・コーラ、西友、ドミノ・ピザ ジャパン、イトーヨーカ堂などでマーケティング関連職務を歴任。直近4社ではマーケティング部門責任者を拝命。2019年7月、プリファードネットワークスに入社。

 自分なりの人間像は、社内でのコミュニケーションに応用することもできるんですよ。ある企画をやりたい場合、この人にはこう説明しようとか、この人には泣きつこうとかね(笑)。

MZ:なるほど。島袋さんはいかがでしょう?

島袋:なかなか難しいですね。ポータブルスキルって、環境が変わっても自分は何者かを表すような、ハッシュタグみたいなものですよね。僕にとっては、一体どんなものなんだろう。

富永:しまちゃんのハッシュタグは、経験して学ぶ「アクションラーニング」なのでは? マーケターにはあまりいないタイプでユニークだと思う。多くのマーケターは、まず誰と勝負するか考え、次にポジショニングを決めて、その次に戦略を練って、最後にアクションプランに落としていきます。マーケティングの王道で、これを極めていくのも、もちろんすごいことです。

 でもしまちゃんのやり方は違っていて。興味のある「点」を見つけて、それを広げながら事業に貢献し、自らのポジションを確立していますよね自分の興味と仕事をうまくクロスオーバーさせている。ヤプリさんでのウェビナー運営も、そんなふうに見えていました。あとは、表によく出ているとも思います。自分やチームのマーケティングが上手です。

島袋:表に出たのは、それが会社としてもチームとしても必要だと思ったからですね。特にリテール企業にいたときは、メーカーと比べると存在感が薄かったから、「リテールのマーケターもがんばってるぞ!」と伝えたかったんです。その時々に応じたハッシュタグを見つけられるところが、僕のハッシュタグ、ポータブルスキルなのかもしれません。

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38028

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