「大切なぬいぐるみを預ける不安」に寄り添う発信
――現在、ネットで洗濯.comのアカウントではぬいぐるみのクリーニング工程をメインに発信されています。そのきっかけや経緯を教えてください。
Xアカウントの立ち上げたのが2021年9月です。テントクリーニングでの成功体験が強くあったので、ぬいぐるみクリーニングに関しても、同じようなことができたらいいだろうなという思いを持っていました。さらに、お客様からもご希望のお声をいただきました。
ホームページからクリーニングのご注文をいただく際、最後に「ご要望」の欄を用意しています。洋服のクリーニングの方は、「こういうシミを落としてほしい」といった具体的な要望を書かれます。一方、ぬいぐるみクリーニングのお客様は「ぬいぐるみとの馴れ初め」など、ぬいぐるみへの思いを長文で書かれる傾向があります。クリーニングでお預かりしている間に「離れている時間が寂しいので、写真を撮って送ってほしい」といったお問い合わせも多数いただいていました。
大切なぬいぐるみがクリーニング屋でどのような扱いを受けているのか、気になっているお客様が多いことに気づいたのです。ならば、顔の見える職人が「このように取り扱っています」と発信するとよいのではないかと思い至りました。
当初はすべてのぬいぐるみの様子を投稿していました。今ではお客様が増えたため、一部のぬいぐるみを代表としてSNSに投稿し、職人が大切にぬいぐるみをケアしている様子をお客様にご覧いただけるようにしています。
SNS運用をマネジメント層が担当する理由
――具体的な投稿頻度など、運用の方針を教えてください。
現在はクリーニング店「403」としてのアカウント、テントクリーニング専門のアカウント、ネットで洗濯.comのアカウントの3つでSNS運用を行っています。「403」では3日に1回の投稿、それ以外はXとInstagramは毎日更新、YouTubeは動画を撮影した場合のみ不定期で配信しています。
人的リソースが限られていることと、そもそもクリーニングというジャンルではこだわった動画配信はニーズがないと考えていたため、反響を得ることはあまり期待せず、既存顧客のロイヤリティを高めるための投稿として、頻度を守ることを重視しています。
――何名で運用されているのでしょうか?
マネージャー職の3名で運用しています。お客様のご要望に対しては、ある程度緩急をつけた対応が必要かと思います。お客様への便宜の図り方には様々な判断が求められます。そのため、社内の情報を横断的に得られ、責任をもてる立場の人間がSNSを運用したほうがいいと考えています。また、お客様との記念撮影についてはご来店いただいたお客様への感謝を表すために、最も職歴が長い職人が対応するよう定めています。