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『MarkeZine』(雑誌)

第109号(2025年1月号)
特集「2024→2025 キーパーソンによる予測と展望」

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【新年特集】2024→2025 キーパーソンによる予測と展望

事業成果の徹底的な可視化を電通が注力するデータ戦略事業「Marketing For Growth」

 dentsu Japan(国内電通グループ)が2025年の注力テーマとして掲げるのは「事業成果の徹底的な可視化」だ。2024年に引き続きこれを追求していくという。本稿では、dentsu Japanがデータビジネスの基盤モデルとして展開する事業「Marketing For Growth」での取り組み、および2025年の展望を電通 統括執行役員(ストラテジー)の深田欧介氏に紹介してもらった。

※本記事は、2025年1月刊行の『MarkeZine』(雑誌)109号に掲載したものです

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─ 事業成果の徹底的な可視化を電通が注力するデータ戦略事業「Marketing For Growth」(本記事)

「事業成果の可視化」のあくなき追求

 2025年、dentsu Japanが注力するテーマは「事業成果の徹底的な可視化」です。

 生活や社会のあらゆるものがデジタル化している昨今、マーケティング手法はより複雑かつ多様になっています。ここ数年で様々なマーケティング手法をトライアルしてきた企業も多いでしょう。しかし、2024年あたりから段階が1つ先に進み、新しい手法の挑戦よりも「本当にお客様を獲得できているか」「事業成長につながっているか」ということに回帰している企業が増えていると感じます。

株式会社電通執行役員(ストラテジー領域)深田欧介氏1995年4月電通に入社、第1マーケティング局に配属。以降20数年間メディアニュートラルなマーケティングコミュニケーションに従事。2016年7月に電通デジタルに出向し新会社設立に参画。以降、オウンドメディアPDCA領域事業部長、部門長執行役員、副社長職を務める。2021年1月に電通に帰任、2024年1月より執行役員(ストラテジー)を務め、2025年1月より現職。
株式会社電通 統括執行役員(ストラテジー領域) 深田欧介氏
1995年4月電通に入社、第1マーケティング局に配属。以降20数年間メディアニュートラルなマーケティングコミュニケーションに従事。2016年7月に電通デジタルに出向し新会社設立に参画。以降、オウンドメディアPDCA領域事業部長、部門長執行役員、副社長職を務める。2021年1月に電通に帰任、2024年1月より執行役員(ストラテジー)を務め、2025年1月より現職。

 加えて、社会のデジタル化は、マーケティング成果の可視化を可能にしました。dentsu Japanは、データサイエンスの強みを活かして、マーケティング成果の可視化に対するニーズに応えてきましたが、ここにはまだ追求する余白があると考えています。

最適化のサイクルを広げ、ブレイクスルーを作り出す

 その上で、dentsu Japanが現在力を入れている事業として「Marketing For Growth」をご紹介しようと思います。

 「Marketing For Growth」とは、マーケティング投資対効果(以下、mROI)の向上を実現していくために必要となるプロセスと基盤を体系化したモデルのこと。シンプルに言えば、データを「動脈」人材を「静脈」と見立てて、マーケティングプロセスをつなぎ、循環をもたらす仕組みです。

 動脈となるのは「Data Infrastructure」。元々、企業の1stPartyデータとプラットフォーム事業者のデータを連携させるデータクリーンルーム事業において、電通は多くの実績を持っていました。その強みを活かして開発した、複数のデータクリーンルームを一元管理できるシステム「TOBIRAS」などを用い、スピーディで多面的な分析や意思決定をサポートします。

図表1 Marketing For Growthの概念図
図表1 Marketing For Growthの概念図

 一方、静脈となるのは「Marketing Consulting」、つまりdentsu Japanが有するプロフェッショナル人材です。データサイエンススキルを持つコンサルタントがインサイトやボトルネックを発見し、改善アクションを考えます。なお、データ分析やインサイトの発見など、「Marketing For Growth」におけるあらゆるフェーズで、AIは当たり前のように浸透し、活用されています。

 これまで、デジタルマーケティングは「最適化・効率化」の世界でした。成果の出るクリエイティブや対象に広告配信を寄せていった結果、顕在層に広告が当たり続け、効果が鈍くなっていった経験は、マーケターなら一度はあるのではないでしょうか。dentsu Japanは、そのような小さな最適化ではなく、データを起点にブレイクスルーを作り出します。成果を可視化し、データを組み合わせれば、「見込みの高いブルーオーシャンのターゲットがいるのでは」「ブランドのパーパスから見直したほうがよいのでは」といった示唆が生まれるかもしれません。

 たとえば、ある企業のターゲットとして、「自社のポイント経済圏で月3万円以上使う人」を定義した場合、考えられるカスタマージャーニーは無限にありますよね。いくつもあるルートをすべてトラッキングしていくことは困難ですが、dentsu Japanでは「登録のきっかけで多いのはテレビCM」「ヘビーユーザーになるきっかけで多いのはサブスクサービス」など、アクションごとのデータを可視化し、統合した分析が可能です。サービスもマーケティングも複雑化している時代ならではの取り組みと言えます。

 なお、このようなデータ収集や分析を実現するためには、顧客企業を深く理解し伴走することが必須です。理想のスタイルは常駐させていただくことですね。

 「Marketing For Growth」への入り口は主に2つです。1つは「成果の把握」。実施中の施策の効果検証からだんだんとカバー範囲を広げ、mROIの可視化へと拡張していくパターンがあります。もう1つは「市場の把握」です。新規顧客を見つけたいというニーズに対して、まずは小さく広告施策を実行。結果を分析した上で徐々に施策を増やし、mROIの可視化へとつなげていきます。いずれも広告の「実行」部分を担うことが多い電通ならではの入口だと思います。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/27 10:57 https://markezine.jp/article/detail/47491

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