「AIでそのまま買う」が、もう始まっている?
「このカテゴリーのおすすめ商品を3つ教えて」。AIにそう打ち込んで返ってきた候補から、その場で1つを選び、決済まで終える。そんな買い物の仕方が、海の向こうではもう一部で現実になり始めています。
本連載では第1回から、AIがもたらした大きな変化の筆頭として「顧客接点の変質」を追いかけてきました。第2回・第3回・第4回では、その対応策であるAEO(AI検索最適化/回答エンジン最適化)を、かなり具体的に掘り下げてきました。
AEOの話が続いたのには理由があります。今、まさに手を動かして取り組める“実行フェーズ”に入っているのが、このAEO、つまり「露出」の領域だからです。AIに見つけてもらい、正しく推奨され、「検討の土俵に乗る」。ここはやるべきことが見えていて、今日から着手できるからこそ、重点的にお伝えしてきました。
一方で、冒頭のような「そのまま買う」といった、露出のあとに続く「送客」や「購買」の話には、これまであまり踏み込んできませんでした。現場で本当に気になるのは「露出して、それで売上につながるのか?」という問いのはずなのに、です。理由は単純で、「AI上で買う」世界はまだまだ具体イメージが湧くに至っていないと判断していたためです。今はまだ日本国内では「送客→購買」へのAIの寄与が小さく、だからこそマーケターからすると「露出」のありがたみも実感しづらいといえます。
ところが、その“少し先”が、思ったより早くこちらへ近づいてきています。この先数ヵ月から1年で、既に数億〜数十億ものユーザーを抱えるAIプロダクトが「露出→送客→購買」まで一気通貫で担い始めると、その存在感は大きく変わってくることが想定されます。
そこで今回は、実行フェーズにあるAEOを足場にしながら、近い将来に効いてくる“露出の後”──「送客」から「購買」までの全体像を、一度見渡しておきたいと思います。その地図が、この数ヵ月でだいぶはっきり描けるようになってきました。
そして記事の後半では、2026年6月18日の執筆時点でわかっていることを確認しながら、「マーケターが今、何をしておくべきか」を整理していきます。
「露出→送客→購買」の3段階で見ると、地図が描ける
AIプロダクトの上でマーケターにできることは、突きつめると次の3段階に整理できます。
1.露出:AIに見つけられ、推奨される(AEO)/広告で枠を買う
2.送客:AIの回答から自社サイト・LPへユーザーを送る(CVボタン・引用リンク・回答内のリンク)
3.購買:AIプロダクトの中で、そのまま買ってもらう(カート連携)
この3段階を、主要なAIプロダクトごとに「今、何ができるか」で埋めてみたのが以下の表です。今回の話は、この1枚から始めましょう。
この表を眺めていると、ある“偏り”に気づきます。「露出(AEO)」はどのAIでも○がつくのに、「広告」「購買」の列になると、とたんに△と×が増えるのです。実は、ここに今回の核心があります。
