リアルな体験が記憶に残り、いつか商品を手に取ってもらえれば
MarkeZine:教育機関にミライ肌アトリエの存在を届けるのは、簡単ではなかったのではないでしょうか。
樋口:最初は担当のマネジャーが学校にお電話をして、ご説明するという地道な取り組みから始めました。ただ、化粧品やスキンケアというと、どうしても学校の風紀に影響を与えるもののように受け取られてしまったり、校則を理由にお断りされたりすることもありました。
そこから、開催実績を徐々に積み上げ、セルフケアが子どもたちに有効なものだと理解されてくることによって、教育関係者の広いネットワーク内でご紹介いただいたり、先生向けにレッスンを体験していただく会を開いたりと活動を広げてきたところです。最近は、学校や学生さんからお問い合わせいただくことも増えています。
MarkeZine:CSR活動は定量的な評価が難しい印象がありますが、そこはどのように考えていますか?
樋口:いまは活動を広げていくフェーズなので、開催回数を主な目標に置いています。
マーケティング的な観点で言うと、レッスンの後にどれだけ私たちのブランドと接点を持っていただけたかを計測できれば理想です。ただ、中高生の皆さんはすぐに店舗へいらっしゃれるわけではありません。だからこそ、リアルな体験がエピソード記憶として残り、いつかオルビスの商品を手に取っていただけたら──そうした長い時間軸で捉えています。仮に私たちのブランドでなくても、スキンケアそのものの良さを知っていただければ、それでよいと思っています。
これからの展望──オルビスらしく拡大・継続していきたい
MarkeZine:最後に、ミライ肌アトリエの展望を聞かせてください。
樋口:いまはまだ認知を広げる段階ですが、高校の「探究学習」という自己理解や課題解決能力育成のための教育プログラムとの親和性が高く、最近は引き合いも増えてきています。高校生ご本人からお問い合わせをいただくこともあり、今後はこのようなセルフケアとの親和性が高いものを中心に、様々な形で活動をより広げていきたいと考えています。

学生向けのこうした教育活動には他社も取り組まれていますが、私たちは私たちらしく、洗顔のような地味だけど大切なセルフケアを重視した形で特徴を出していきます。また、SNSに様々な情報があふれる中で、結局いちばん信じられるのは、自分で体験して「良い」と思ったことだと思います。オンラインも選択肢に入れつつ、リアルならではの体験も大事にしていきたいです。
