「Cookie利用制限」も進化への架け橋
Cookieの利用が制限されることにより、数年後には無くなるのではないかという予測もされているリターゲティング広告。しかし高橋氏は「国によって法律が違うため、GDPR、CCPA、日本の個人情報保護委員会が定める内容を注視する必要はあるが、おおむね視界は良好」という見解だ。ユーザーのプライバシーを侵害せずにCookieの利用が存続するいくつかのパターンを語った。
「サードパーティCookieが無くなり、リタゲが完全に消滅するのではないか、という不安が多くの方にあるとは思います。我々リターゲティング事業者としては、ファーストパーティCookieを持っているプラットフォームとの協業でデータの受け渡し方法を変えることで対策が進んでいくのではないかと予想しています。また、ユーザー情報を保有しているIDベンダーとのデータ共有を実現するのも一つの方法です。
もう一つ対策として挙げられるのは、ユーザーが閲覧しているコンテンツの文脈からユーザーのインタレストを読み取って広告枠を選定する、コンテキスチュアル系の配信ですね。コンテキスチュアルアドとも呼ばれていますが、インタレストアドという言葉も出てくると思います。これを機に各社でアドテクの革新が進んでいる印象があります。
Cookieを利用した広告の配信ができなくなるかどうかについては『シリコンバレーを中心とした技術革新が起きると期待をしているので、むしろ心配していない』というのが現在の個人的な考えです」(高橋氏)
Cookieの利用制限を、各社の競争とプロダクトの成長が促進し、新たな仕組みが生まれるきっかけとして捉えるRTB House。同社としては今後もユーザーの信頼性と効率性を両立したアドテクの普及を先立って推進していく姿勢だ。
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