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Cookieレス×AI時代の新標準─リターゲティング広告の実践ガイド

6つの事例に学ぶ、リターゲティング広告成功のポイント

 デジタル広告業界は、サードパーティーCookie廃止という変化に直面しています。従来のターゲティング手法の見直しが迫られる一方、AIやディープラーニングの進化が新たな可能性を切り開いています。こうした中、引き続き注目されるのがリターゲティング広告です。本連載では、現在のCookieレスに関する最新動向を俯瞰しながら、高い効果を得るリターゲティング広告の有効性を解説します。第2回となる今回は、リターゲティング広告の基本知識と6つの事例を紹介します。

リターゲティング広告とは何か、どのように機能するのか

 前回は、Cookieレスの動向を踏まえながら、リターゲティング広告が現在でも高い効果を発揮する有効な手法であることをお伝えしました。今回は、そのリターゲティング広告が具体的にどのような仕組みで成り立っているのか、基本的な概念や成功事例を見ていきます。

 読者の方の多くにはご存知のことだと思いますが、リターゲティング広告は、Webサイトや製品に興味を示した顧客と再びつながるために使用されるマーケティング手法です。Webサイトやアプリを訪れたユーザー全般を対象としており、単に閲覧しただけの人や、商品をカートに入れたものの購入に至らなかった人、さらに実際に購入した人まで含まれます。

 またリターゲティング広告は、ユーザーの興味に基づいて特定のメッセージを伝えることが可能です。たとえば、ユーザーがWebサイトで関心を示した商品カテゴリーに基づいて広告を表示します。

 このデータ活用において、広告主が自動的に広告スペースを購入するためのDSP(デマンドサイドプラットフォーム)が重要な役割を果たしています。DSPは、テクノロジーを用いてリターゲティング広告の効果を最大化しています。

先端テクノロジーの活用がリターゲティングキャンペーン成功の秘訣

 成功するリターゲティングキャンペーンの秘訣は、先端テクノロジーの活用にあります。たとえば、ディープラーニングなどのAI技術を活用したリターゲティング広告では、人間の脳を模した方法でマーケティングデータを分析し、データを適切に処理することで、ユーザーに表示する最適な広告や、表示のタイミング、場所を迅速に決定します。

 さらに、開発者の直接的なモニタリングの必要なく自己学習し、進化する能力を持つ技術もあります。これにより、常に優れた結果を提供し続けることが可能となります。

 リターゲティング広告は短期的な効果と長期的な戦略性を併せ持ち、適切に活用すれば収益に大きな影響を与える可能性があります。ここからは、先端テクノロジーを活用した具体的な6つの例を通じてこの戦略の柔軟性を見ていきましょう。

ケース1:ユーザーの好みや予測された興味に基づくパーソナライズド広告

 ユーザーがWebサイトとやり取りする際、そのサイトの運営者にはユーザーの興味や、特に今必要としている商品に関する貴重な情報が提供されます。DSPなどが提供する適切な技術を用いれば、ユーザーが興味を持ちそうな商品を予測し、そのユーザーまたはユーザーグループに特化したパーソナライズ広告を作成・表示できます。

 ホームセンターを運営するA社は、広範な商品ラインを活かしたリターゲティング広告で成功を収めています。A社は、ある分野に興味を示すユーザーが特定の商品や商品群にも関心を持つ傾向に着目しました。そこで、ディープラーニング技術を用いたDSPを活用してユーザーの興味を予測し、購入確率の高い商品を広告表示する戦略を採用しました。この取り組みは大きな成果を上げ、広告費用対効果(ROAS)が3倍に、平均注文額が9倍に増加しました。

次のページ
ケース2: リターゲティングでセールイベント期間の売上を伸ばす

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この記事の著者

奥内 鉄治(オクウチ テツジ)

RTB House Japan カントリーマネージャー
毎日新聞社、FOXインターナショナルチャンネルズ、Yahoo Inc.などを経て、2017年RTB Houseの日本事業に参画。20年以上デジタル広告の領域を歩む。2021年より現職。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48540

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