SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Autumn

業界キーパーソンと探る 注目キーワード大研究

「誰に何を売るか」を問い直す──GOに学ぶ、BtoBマーケティング変革

施策の前に、誰に何を売るかを考え抜く

──顧客に求められるプロダクトであろうという姿勢が伝わってきます。一方で、BtoBマーケティングにおいては、そういった顧客やプロダクトの話よりも「How」や「施策」の議論が熱くなりやすいです。

 施策の議論をする前に向き合うべきことはたくさんあります。マーケターは「セミナーをやろう」「ナーチャリングをやろう」が出発点になりがちですが、それは顧客がいて、その人にどう届けるかという話のあとに来るものです。顧客の課題が見えていない、あるいは課題にフィットしたプロダクトがつくれていないと、どれだけ頑張っても無理をし続けることになります

 優秀な方が多い企業によくあるのが、人が頑張りすぎてしまうケース。受注する営業も、解約を止めようとするカスタマーサクセスも、プロダクトの実力を超えたサポートを行う。すると、何に満足してもらえているのかが見えなくなるんです。実はプロダクトではなく、人が頑張っているから売れているだけ、というケースは少なくありません。

 人が頑張ることをやめた瞬間にすべてが崩れるのに、施策でなんとかしようとリソースを注ぎ続けてしまう。これが失敗の要因だと思います。むしろ「誰に何を」の解像度を上げることにリソースを投下すれば、セリングもマーケティングのリード獲得も楽になっていく好循環が生まれます。

──目先の売上、数字の目標がある中で、その判断はどうすればできるのでしょうか。

 法人事業本部としては幸いにも目標を達成しながらうまくいきましたが、本当にしんどい状況であれば、リーダーとして「しゃがむ」と決めることも必要でしょう。歪んだ構造のまま無理な成長を続けようとしても、うまくいきません。半年なら半年で立て直す、とリソース投下を決断することが経営者の役割です。

 もう1つ重要なのが、今戦っているマーケットの中でどんなビジネスモデルなら勝てるのかという解像度を上げること。「GO」アプリの場合、初期はタクシーの供給側を抑えることが重要で、そこに投資を集中させました。それができて初めて、テレビCMのような広告に投資する順番になる。

 何を取れば勝てるのかが見えていないと、投下すべきところにお金を使わず、マーケティングコストや人件費ばかりに流れてしまい、いずれ資金が尽きてしまいます。川上が整っていなければ、川下でどれだけ工夫しても意味がない。まず川上に戻って整備する、という理解がリーダーには欠かせません。

──とはいえ、現場でBtoBマーケティングに携わる方々が、マクロの視点を持つのは簡単ではなさそうです。

 マクロの視点は経験したことがないと想像しづらいものです。一方でミクロは、現場で日々顧客と向き合っているみなさんのほうがむしろ強いはず。だから、徹底的に顧客を掘り下げ、何を求めているかを自分たちの言葉で言語化できるか、そして自社のサービスが提供できる価値を一言でシャープに語れるか。そこに時間を注ぐのがいいと思います。

 あわせて、自分がマーケターとしてどの位置を目指したいのかを決めることも大切です。事業責任者や経営者としての視座を目指すのか、幅広いHowを知る専門家として突き詰めるのか。どちらもいいと思いますが、まずはどこを目指すかを決めることだと思います。

インタビューに応じる中西佑樹氏

長期の将棋を打ち続ける──BtoBマーケターへのメッセージ

──今後、さらにこだわっていきたいテーマを教えてください。

 持続可能な成長が求められていると思っています。近視眼的にものを見てしまうと、短期的な成長しかできません。「GO BUSINESS」はすでに長期を見据えて将棋を打ち続けてきているので、法人事業本部としてはさらに大きな成長のためにリソースを使いたい。

 執行役員としては、新卒採用もまさに長期の将棋だと捉えています。大きな社会課題に取り組んでいるからこそ、各年代のエース級人材を揃える必要があり、20代のうちから優秀な人に来てもらうには、今から種をまいておく必要があるんです。

──最後に、BtoBマーケティングに携わるリーダーへメッセージをお願いします。

 事業責任者やリーダーは、常に自分自身を疑うメタ認知を持つことが欠かせません。上に立てば立つほどフィードバックはもらえなくなり、忖度もされやすくなる。そこを理解していないと、自分の解像度の低さに気づけないまま、目の前の施策の改善が正解だと思い込んでしまいます。今起きていることは、結局すべて事業責任者である自分の責任だと捉えられるかどうか。私自身、完璧にできているわけではありませんが、常にその考えに立ち戻ることは意識しています。

 そして、繰り返しになりますがBtoBマーケティングに関わるみなさんには、「How」の前に、「誰に何を売るのか」を突き詰めて考え抜いてほしいと思います。そこの解像度さえ上がることで、自分たちが本当に取り組むべき施策が見えてくるはずです。

GO中西さんも登壇!MarkeZine Day 2026 Autumn参加申し込み受付中

 いま自社に必要なのはAIO? ブランディング? それとも……。村田製作所×GOに学ぶ、BtoBマーケティングの次なる一手の打ち方とは。

画像を説明するテキストなくても可

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る 注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)

立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/08/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/77301

Special Contents

PR

Job Board

PR

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング