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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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田舎者であまのじゃく~話題化するコンテンツ発想法~

おたくの広告はニュースになりますか?記事化されるためにコンテンツに盛り込んでおきたい5つの要素

“コンテンツ発想”と“PR視点”

 以前手掛けた仕事でも、「メディアにどう取り上げてもらうのか?」を戦略的に設計した企画があります。それは、弊社の東京チームと一緒に作ったスニッカーズの「世界同時催眠」という企画です。

 “お腹がすいたらスニッカーズ~♪”でおなじみのスニッカーズを、もっとたくさんの人に食べてもらうためにUstreamを利用して、全世界の人々を“催眠術”でハラペコにするというチャレンジングな企画でした。

 誰しも一度は思ったことがあるであろう“催眠術にかかってみたい”というインサイトを汲んだコンテンツ発想がベースになっていますが、そこにPR視点を加えることでキャンペーンの最大化を試みました。

 まず、この企画を全世界に向けて告知するムービーをローンチしました。ローンチしたのはエイプリルフールの翌日。

エイプリルフールの翌日に発信されたムービー

 実は“エイプリルフールの翌日”というのがポイントでした。前日に他の企業が散々嘘企画を出した後に、スニッカーズの嘘のようなホントの企画が、全世界へ発信されることを狙ったのです。

 “嘘じゃない、本気である”ということ示すことに繋がっているのはもちろん、一番の狙いは各企業の行ったエイプリルフールネタをまとめた記事に「これらはエイプリルフールネタだが、スニッカーズは本気(マジ)らしい」という取り上げ方で乗っかろうという作戦です。

 結果、キャンペーンは大小300を超える様々なメディアに取り上げられ、公開イベントには応募殺到、配信したWebサイトは20万ページビューを突破し、イベント当日の全国売上は驚異の150%以上を記録しました。

イベント当日の様子

 このようにPR視点を用いることで仮に宣伝費・広告費をかけられないコンテンツでも、それらに依存することなくコンテンツの露出を稼ぐことも可能なのです。

 しかし、これらを考えるのは、コンテンツを企画した後でなく企画段階からです。

 “コンテンツ発想”と“PR視点”、両方を働かせながら企画をしていく。

 大切なことは、「最終的にこのコンテンツが世の中にどう出て行くのか」という“出口”をしっかりと計算することです。

 その上で、僕がコンテンツ企画をする上で大切にしていることは、中身はもちろんですが、

 まず“タイトル”とその“リード”です。

 タイトルが分かりやすくキャッチーであり、リードがそのままニュースの見出しになるようなものを心がけて企画をしています。企画の“ウリ”が分かりやすくなりますし、記事にしやすく、人々の言の葉にも乗りやすくなります。

 例えば、過去にやった仕事のタイトルとリードは次の通りです。

新幹線を丸ごと貸し切りに「DREAM九州新幹線」

九州新幹線開業2周年企画。感謝の気持ちを表し、新幹線でやってみたい夢を募集し、1組に新幹線まるごと貸し切りをプレゼンとしたキャンペーン
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2代目区長はカナダ美人!「福岡市カワイイ区」

福岡市のシティープロモーションの一環である仮想行政区“カワイイ区”の2代目区長に、カナダ人のトップYouTuberミカエラ・ブレスウェートさんを選出した
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ピザって10回つぶやいたら最大無料!?「PIZZA 10 CALL!!」

Twitterでピザと10回つぶやいてゲームに正解すると最大無料のクーポンがもらえるキャンペーン
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 クライアントへの提案の際も、まずタイトルとリードをプレゼンし、その後企画の中身について説明する場合が多いです。その時点でクライアントの食いつきが薄ければ、恐らく世に出した時の反応も大体同じです。

主役にならないといけない

  • 記事として取り上げられた“広告コンテンツ”
  • その記事の脇にある“広告バナー”

 例え、同じニュースページに掲載されたとしても、受け手の印象はまったく異なります。映画に例えるなら“主役”と“エキストラ”ぐらいの差があるかもしれません。さらに、エキストラを主役級のギャラで雇ってしまった場合は目も当てられません。

 僕が企画する上での基本の考えは「媒体費はなるべくエコに」です。

 地方だと、少ない広告予算の中でいろいろなゴールを達成しなければなりません。そういった状況の中ではユーザーとの直接のコンタクトポイントであるコンテンツにこそ、お金とアイデアをかけるべきだと思っているからです。

 そのためにも、主役級のコンテンツを生み出し、しっかりと世の中に受け入れられる形で売り出すための“PR視点”が大事になるのです。

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この記事の著者

眞鍋 海里 (マナベカイリ)

BBDO J WEST コンテンツプランナー/インタラクティブプランナー

1982年 宮崎市生まれ。大学卒業後、タワーレコード、WEBプロダクションを経て、08年外資系広告代理店BBDO J WESTに入社。 ”人は広告なんて求めていない”という考えの元、【コンテンツ発想】にてコ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/09/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20804

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