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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai

電通デジタルの専門チームが明かす、コロナ禍のデジタルネイティブの消費動向 求められる企業の対応は

 「ミレニアル世代」「Z世代」に代表されるデジタルネイティブ世代。自分の「好き」に貪欲で、好きの延長線上に「個性」を表現する彼らの意識や消費行動は、コロナ禍においてどう変わったのか。その変化に企業はどう対応すべきか。11月に開催された「MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai」では、デジタルネイティブにフォーカスしたトレンド収集、インサイト調査から企業のビジネス支援を手掛ける電通デジタル内の専門チーム「YNGpot.(ヤングポット)」の佐々木氏と青木氏(現・電通所属)がデジタルネイティブ世代の今を語った。

デジタルネイティブにとってのコロナ時代は、生きやすさと孤独が共存する時代

 新型コロナウイルスによって半ば強制的に生活様式を変化せざるを得ない状況の中、デジタルネイティブは、「コロナ=転換期」との認識を持っていることが、YNGpot.の「コロナ禍のデジタルネイティブの実態調査」で明らかになった。

電通デジタル サービスマーケティング事業部 コンサルタント YNGpot.リーダー/プロデューサー・プランナー 佐々木 駿氏 電通デジタル サービスプロセスデザイン第1事業部 コンサルタント YNGpot. リサーチャー・プランナー 青木 彩恵氏
左:電通デジタル サービスマーケティング事業部 コンサルタント
YNGpot.リーダー/プロデューサー・プランナー 佐々木 駿氏
右:電通デジタル サービスプロセスデザイン第1事業部 コンサルタント
(現:電通 トランスフォーメーションプロデュ―ス局所属)
YNGpot. リサーチャー・プランナー 青木 彩恵氏

 「コロナがきっかけでより効率化が進み暮らしやすくなる(45.1%)」「コロナがきっかけで暮らしはデジタルで完結する時代になる(58.9%)」の調査項目が、35歳~59歳を対象とした大人世代と比較して10%以上ポイントが高い結果となった。社会全体がデジタルシフトして自分たちが普段から行っていた生活様式に近づき、より生きやすくなったと感じているのだ。その一方で、「孤独感」に関する項目では非常に興味深い結果が出てきた。

 自粛期間における孤独感という項目を見ると、デジタルネイティブ全体では49.0%、Z世代に至っては半数以上が「自粛期間に孤独を感じることが多かった(53.0%)」と回答している。これは大人世代を約15%も上回る数値であり、学校や職場などリアルな空間で築いていた人間関係が失われ、会いたい人に会えなくなった結果が孤独感として表れている。

 コロナ禍の自粛期間では、両親や配偶者、子供などの家族関係のつながりが増した一方で、学校の友人、職場の上司や友人などリアルな関係は希薄になってきていることが調査結果から明らかになった。

 その中、唯一増加傾向を示したのが、SNSフォロワーに代表されるオンライン上の友人である。彼らは、リアルの友人網、オンラインの友人網、趣味でつながる友人綱など1つのSNS媒体で複数のアカウントを持ち、それぞれのアカウントにより自分を使い分けている。リアルな人間関係が絶たれた状況でオンライン上の友人に対する存在価値が増し、同時に孤独感を埋める相手にもなる。デジタルネイティブ世代を中心に、人間関係もオンライン化が進みつつある。

“効率”重視のデジタル置換と“体感”重視のリアル回帰

 コロナ禍においては、サブスクリプションサービスやオンライン対話サービス、キャッシュレス決済など、急速にデジタルシフトしたサービスが台頭してきたが、その波に乗ってすべての生活様式がデジタル置換されてしまうわけではないこともわかった。

 デジタルネイティブは、どのような世界をイメージしているのか? 調査を担当した青木氏は興味深い調査結果を明らかにした。彼らは行為ごとに、「デジタルとリアルを使い分けたハイブリッドな生活様式を想い描いている」というのだ。

 たとえば、現金よりはキャッシュレス決済が便利、テレビや映画館で見るよりは動画配信が気楽など、デジタルシフトによって“効率の良さ”を感じたものに対してはさらなるデジタル移行を希望した。一方ライブや公演、飲食などその場の「体感」を価値として感じたものは、リアルの良さを再認識するなどデジタルとリアルをうまく使い分けて生活している。

 サービスを提供する企業側としては、単純にリアルをデジタルに置換するのではなく、顧客価値をどこに置くのかの見直しが迫られていると言える。

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MarkeZine(マーケジン)
2021/01/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/35225

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