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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

6,200万ユーザーが利用するPayPay、既存ユーザーの推奨とLTV向上で更なる成長を

 2024年2月時点でユーザー登録数が6,200万まで成長している二次元コード決済をはじめとした金融サービスを提供しているPayPay。リリースから5年を経て二次元コード決済では一定のシェアが獲得できた同社だが「決済領域全体で見るとまだ伸びしろがある」という。本記事では、マーケティングを統括する藤井氏に、決済領域全体でトップを目指すための構想を聞いた。

※本記事は、2024年4月刊行の『MarkeZine』(雑誌)100号に掲載したものです

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

「競争」から「共創」へ 日本マーケティング協会の新定義が示す、これからのマーケティングのあり方
5つの柱でお客様の期待を超える マーケティングとイノベーションを実現する
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「良いコンテンツを作れば自然と広がる仕組み」を目指して──「ABEMA」の経営とマーケティング
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逆境から変革を成し遂げた富士フイルムグループ、パーパスを原動力にしたさらなる進化に向けて
─ 6,200万ユーザーが利用するPayPay、既存ユーザーの推奨とLTV向上で更なる成長を(本記事)
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唯一無二のユニークネスを顧客起点で事業に繋げる富士通、パーパス起点の事業変革×マーケティング
「お金を前へ。人生をもっと前へ。」どこまでもミッションドリブンなマネーフォワードのマーケティング

5年で決済領域すべての頭一つ抜けた存在になる

──最初に御社が中長期の目線で重要視しているテーマについて教えてください。

 PayPayはサービスを開始してから5年以上が経ちますが、当初想定していた計画と比べても鋭い成長曲線を描けています。そして、ここからの5年が大きな分岐点になると捉えています。

 その中で大きなテーマとなるのが「決済領域全体でスペシャルワンと呼ばれる存在になること」です。二次元コード決済のサービスという括りでは一定のポジションを獲得できている一方、クレジットカードや非接触決済など、様々な決済方法を含めるとまだ伸びしろがあると思っています。数ある決済方法の中の1つではなく、「決済するならPayPay」というくらい頭一つ抜けた存在になるのが大きな目標です。

PayPay株式会社 執行役員 事業推進統括本部 マーケティング戦略本部 本部長 藤井 博文(ふじい・ひろふみ) 氏 1998年、東海デジタルホン入社。開発部にてSMSやモバイル インターネットの導入を推進。ボーダフォンによる買収後は経営戦 略本部に転じ、中長期計画や事業計画策定に携わる。2006年 のソフトバンクによる買収後は、新サービスの企画・導入を推進。 その後、サービスマネジメント部長やサービスコンテンツ関連の統 括部長を経て、2018年よりPayPayのマーケティング責任者。
PayPay株式会社 執行役員 事業推進統括本部
マーケティング戦略本部 本部長 藤井 博文(ふじい・ひろふみ)氏

1998年、東海デジタルホン入社。開発部にてSMSやモバイルインターネットの導入を推進。ボーダフォンによる買収後は経営戦略本部に転じ、中長期計画や事業計画策定に携わる。2006年のソフトバンクによる買収後は、新サービスの企画・導入を推進。その後、サービスマネジメント部長やサービスコンテンツ関連の統括部長を経て、2018年よりPayPayのマーケティング責任者。

 日本ではまだまだ現金の利用シェアが大きいので、キャッシュレス決済の推進も事業成長の重要なテーマです。キャッシュレス決済の推進は国策でもありますので、そこに寄与していく所存です。

 また、二次元コード決済サービス以外にも子会社でクレジットカード事業を展開しているPayPayカードがありますが、この領域ではまだまだ成長の余地があります。PayPayのユーザーをテコにしてクレジットカード領域でのシェア拡大を実現できると考えています。こういった取り組みが実現できれば、「スペシャルワン」のポジションが近づいてくると考えています。

 また、もう1つ重要視しているテーマが「持続的な成長」です。2023年からは先行投資を回収するフェーズに入ってきており、EBITDAベースでの黒字化も実現しております。利益が拡大する状況を今後作れれば、マーケットからの評価も高まり上場も視野に入ってくると考えています。

既存ユーザーからの推奨とユースケースの蓄積によるLTV向上がカギ

──2024年2月時点でPayPayアプリのユーザー登録者数は6,200万と膨大な規模になっています。メインとなるPayPayアプリを成長させるために、マーケティングに関してはどのような構想を描いているのでしょうか?

 まず重要なのは、ユーザーの裾野をさらに広げることです。その実現にはこれまでと異なるアプローチが求められますが、1つ注目しているのは既存ユーザーの活用です。

 弊社ではNPS(Net Promoter Score)を計測指標として取り入れていますが、NPSスコアが9や10の推奨者の方々は、まだ利用していない方に紹介してユーザーの輪を広げてくれていることがわかっています。

 推奨者をいかに増やすか、推奨者の方々が周りの人に薦めていただきやすいUXやキャンペーンをいかに提供できるかが重要だと考えています。

 もう1つ重要なのは、ユーザーあたりの価値(LTV)を向上させることです。LTVの向上には様々な道筋があります。ユースケースの積み重ねで、継続利用率や決済頻度、決済金額も高まります。

 そのためには、細かくセグメントを切って提供する施策を変え、シナリオを組んだコミュニケーションが必要になります。たとえば、決済頻度の増加には銀行登録やオフライン・オンライン決済の併用など、いくつかのユースケースが有効なので、それらのKPIを指標としてシナリオを組んでいます。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:47 https://markezine.jp/article/detail/45475

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