SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第108号(2024年12月号)
特集「2025年・広告の出し先」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

【新年特集】2024→2025 キーパーソンによる予測と展望

2025年、広告エージェンシーに求められるのは「営業」の再構築/AIを味方に戦略の転換を

 2024年は広告業界においても生成AIの台頭が注目トピックだった。働き方もビジネスのあり方も影響を受ける中で、広告エージェンシーにはどのような発想の転換が求められているのか。インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組んできた横山隆治氏に、2025年以降の広告エージェンシーが向かうべき方向性についてうかがった。

※本記事は、2025年1月刊行の『MarkeZine』(雑誌)109号に掲載したものです

広告エージェンシーに求められる「営業」の再構築

 2025年、広告エージェンシーにとって最大のテーマは「営業」となるでしょう。広告エージェンシーに求められる役割が変化していく中で、「広告会社の営業とは何か?」を改めて考え直さなければならない時が来ています。つまり、広告枠を売るだけでは生き残れなくなってきた時代に、何をどのように扱うのかが問われているのです。

横山隆治事務所 代表取締役 横山 隆治氏
横山隆治事務所 代表取締役 横山 隆治氏
1982年旭通信社(現ADK)入社。1996年デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)を起案設立。同社代表取 締役副社長に就任。2008年ADK インタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。2011年7月デジタルインテリジェ ンス代表取締役に就任。2022年7月よりトレンダーズ社外取締役。著書に『広告ビジネス次の10年』『2030年の広告ビジネ ス』(翔泳社)などがある。

 電通は以前からフロント営業のことを「ビジネスプロデューサー」と呼んでいて、これには先見の明があったと言えます。私は、これからの広告会社の営業パーソンには、提案の中身ではなく「ビジネスをどう作るか」で勝負していくことが求められると考えています。

 2025年以降、広告会社とコンサルティング会社の領域はますますオーバーラップしていくはずです。営業パーソンはアカウントコンサルタントの概念を導入し、自分たちの利益をコーディネートする必要があります。「うちは〇〇専門の代理店だから」と線を引かずに、何を売るかまで営業が提案してよいのです。そこには、平場での情報収集や顧客との関係構築も必要になってくるでしょう。

 たとえば、大きな提案をする際に顧客のオリエンどおりに作るのは愚の骨頂。誰が決裁者で、競合他社はどこで、何番目にプレゼンテーションするのか……といった提案内容の「周辺」を固めておくことが大事です。顧客に交渉して望ましいプレゼンの順番を引いてくることも、営業の一つの役割。そのために、日ごろからお客様と対話し、情報の引き出しを持っておくのです。

フロントである営業パーソンが「新しいビジネス」を開拓できるか

 今後の広告エージェンシーにおいて、こうしたフロントの動きが鍵となる背景には、生成AIの台頭があります。バックエンド側のクリエイティブは生成AIでいくらでも生み出せるようになる。その一方で、お客様とインターフェイスするフロント業務というのは、AIに簡単に取って代わられることはないでしょう。逆に言えば、フロントの強さこそが勝負の決め手となり得るわけです。

 営業が提案を振り返るレビューをする際には、提案内容の振り返りに充てる時間は2割だと考えてください。そこに向けて顧客の誰と接触したか、どういう情報を得たかといった「提案の周辺」の振り返りに8割を割くべきです。

 提案の中身はなんでもアリの時代です。広告だけでなく、ITシステムや「仕組み」を売ることも考えられます。売りもの自体が広がっていくからこそ、それを採用してもらうための営業の知恵や素質が、今後はより一層問われるのです。

 フロントである営業パーソンが新しいビジネスを開拓できるか提案の方向性をリードできるかが、これからの広告エージェンシーの勝ち筋になるでしょう。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!MarkeZineプレミアム

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
AIを駆使したクリエイティブを、右脳と左脳で判断する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
【新年特集】2024→2025 キーパーソンによる予測と展望連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/01/15 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47697

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング