「感情」を育てることで、マス広告で届かない層にもリーチ
━━他のデジタル媒体やテレビCMとの違いも踏まえて、今回の施策がファンダムマーケティングとして成果を上げた理由をどう分析していますか?
Spotify:マス広告でアーティストを起用しても、ファンはそれを「広告のための起用だ」と認識してしまう傾向があります。一方で今回のような形では、スーパードライがライブを一緒に応援してくれているという文脈が生まれます。「好きな音楽を一緒に盛り上げてくれるブランド」として受け取られたことで、それが行動変容率に表れていると感じています。

磯谷:テレビCMは広く知っていただくための媒体として非常に有効です。一方でSpotifyは、リアルな体験として機能させることを意識しました。3ヵ月間かけて感情を育てていく設計は、一時の広告では得られない深さがあります。マス施策では届かない層に、自分ごととして刺さる接点を作れたと感じています。
宇都宮:とはいっても、勝ち筋が最初からわかっていたわけではありません。Spotifyの知見に頼りながら一緒に模索してきました。音楽ファンはとにかく体験を重視しているため、その体験の文脈のなかにスーパードライが存在できれば購買につながるということを、今回初めて実感できました。それが大きな収穫だったと思っています。
「音楽といえばスーパードライ」を高め続ける
━━今回の経験は、今後のマーケティングにどのような影響を与えるでしょうか?
磯谷:デジタルとリアルを組み合わせた一貫した体験設計が、態度変容・実購買につながることを定量データで確認できました。「音楽といえばスーパードライ」という想起をさらに高めるため、Spotifyとの取り組みを継続・強化していきます。音楽に限らず、スポーツなど「気持ち高まる瞬間」と親和性の高い文脈でも「冷え」という軸を掛け合わせながら、接点をさらに広げていきたいと考えています。

宇都宮:スーパードライは認知としては十分なブランドで、課題はファネル下部、ラストワンマイル、すなわち実際に手に取っていただくための行動変容のところでした。その意味で、今回の施策ではターゲットにとって自分ごとになれる体験をどう設計するか、という問いへの一つの答えを今回得られました。こういったチャレンジを積み重ねながら、行動変容につながる施策を探り続けていきたいと思っています。
━━最後に、Spotifyとして今後の展望をお聞かせください。
Spotify:若い世代にとって音楽は毎日の生活に深く溶け込んでいます。スーパードライの「気持ち高まる瞬間」というテーマと、「気分を上げるために音楽を聴く」というリスナーの行動は重なります。Spotifyとして達成したいのは、アーティストとのコラボレーションにとどまらず、リスナー一人ひとりの音楽体験に寄り添い、スーパードライが自然に存在できるような接点を広げていくことです。スーパードライがより多くの人に愛されるブランドになるよう、今後もSpotifyならではのご提案ができたらと考えています。
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