会議は15分、資料は「スライド4枚」。摩擦ゼロの意思決定
少人数で成果を出すため、意思決定プロセスはシンプルに設計している。週に2回、1時間のミーティングの枠を設けており、アイデアを提案するチームは、この枠の中で15分のミーティングを予約できる。
発表で求めるのは「アイデアは何か」「なぜ良いと考えるのか」「なぜ実施すべきか」の3点のみで、これを4枚のスライドにまとめる。手順を極力シンプルにすることで、実行に移すまでの摩擦を最小化したいという方針だ。
判断軸は2種類。まず、事業成長を加速させるグロース施策は、チャネル・予算・見込み効果を1ページにまとめてもらい、数字に基づいて議論する。
「過去の経験から得た知見をベンチマークした方が、新しい機会やチャネルを検討しやすい。ブランド施策と比べると、はるかに科学的で数学的なアプローチをとっています」(オーサード氏)
一方、ブランド構築の施策では、発表者がどれだけ確信を持っているかを見極めるという。ブランド構築に大切なのは、いかに人々の感情に強く訴求できるかであり「科学よりも芸術に近い」からだ。
しかし、どれだけ確信を持って描いた施策でも、成果に表れないことはある。そのため予算の約3割は「実験枠」と捉え、失敗を「避けられないもの」「プロセスの一部」として学びにつなげる方針を持つ。またメンバーが安心して挑戦できるよう、心理的安全性を高めることも重視している。
語学アプリの枠を超えて。日本市場はキャラクターとテレビCMで
こうした少数精鋭の体制で攻めの姿勢を貫く一方、Duolingoは学習コンテンツや展開市場においても、着実に裾野を広げている。
現在Duolingoの語学学習で最も人気が高く、急成長しているのは韓国語だ。その背景には、韓国のドラマや音楽といった文化への関心が世界中で高まっていることがある。文化は、人々の語学学習への関心を高める原動力となる。そのため、トレンドや社会の動向には常にアンテナを張っていきたいと意欲を見せる。
さらに、語学アプリとして人気を博してきたDuolingoだが、2023年からは数学と音楽、2025年4月からはチェスを提供している。目指すのは、語学学習に留まらない幅広い分野での学習体験の提供だ。
日本市場について、オーサード氏は「他国にはないような、多くのチャンスがある」と語る。たとえば日本や韓国は、テレビCMが非常によく効く数少ない市場だと捉えている。そのため、日本ならではのユニークかつ効果的なマーケティング戦略を、今後も模索していく考えだ。
日本市場のもう1つの特徴として、キャラクターへの需要が非常に高いことを挙げる。昨年12月にポップアップストア「Duomart」を開催したところ、約1万人を動員してグッズは完売が相次ぎ、終了後もグッズを求める声が多く上がった。この成功を受けて、グッズはもちろんのこと、マンガやアニメへの展開も検討しているという。
「ブランド構築の旅は、まだ途中です」とオーサード氏。
「Duolingoに時間を費やすことが有意義であると、より多くの人々に理解してもらいたい。学びたいという気持ちを支えていくDuolingoとして、まだまだ成長の余地はあると考えています」
