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ソーシャルから見るトレンド・ムーブメント

ショート動画は編集型ミームへ/AI自動翻訳が変えた3つのこと【2026年上半期SNSトレンドまとめ】

 2026年上半期のSNSでは、AIの進化によって「言語の壁」が急速に崩壊。ショート動画などのコンテンツにおいては、従来のテンプレートをなぞるだけの“消費型ミーム”から、ユーザー自身が独自の変数を加える“編集型ミーム”へと、生活者のオリジナリティ志向が高まる変化がみられました。これらの変化から共通して、「何気ない日常を、SNSの機能やフォーマットを駆使していかに楽しい日々に変えるか?」ということに注目が集まっているといえます。ソーシャルリスニングを得意とするTBWA HAKUHODOの65dB TOKYOが、2026年上半期に話題になったトレンド事例を紹介するとともに、共通項やトレンドの背景にある生活者心理を紐解いていきます。SNSマーケティングでユーザーの発話を促す施策設計を考える際のポイントとしてお役立てください。

Xで広がる世界交流、自国の言語のまま世界デビュー

 2026年、X(旧Twitter)ではAIのGrokを活用した「投稿の自動翻訳機能」や「言語を超えたレコメンド機能」が本格始動しました。このアップデートにより、日本語で行った投稿が自動で翻訳されて、海外ユーザーのおすすめタイムライン(For You)に表示されるようになり、SNSにおけるコミュニケーションに大きな変化をもたらしています。

事例1 BBQで起こった世界交流

 2026年3月下旬頃、日本のXで海外のBBQの様子を描いたイラストが話題になったことをきっかけに、その波が海外へも波及しました。「本場のBBQはこうだ!」とばかりに、アメリカのユーザーが日常的にBBQを楽しむ様子を日本人に向けて発信し始めたのです。

 この盛り上がりはX上で一気に加速し、3日間に約50万件のメンション(日本語・英語の投稿を含む)を記録しました。アメリカ人ユーザーが投稿するBBQの様子には、1万件以上のいいね!が集まり、バズが連発しました。

 日本人は肉のボリュームに驚きつつも、焼き方へのこだわりなどの共通点を発見して楽しみ、海外ユーザーもまた、日本人がおもしろがって反応し、自国の文化を受け入れてくれることに歓喜するという「喜びの連鎖による世界交流」が生まれました。さらに、直近の2026年6月頃にも「日本人は知らないと思うけれど」から始まる、自国の食文化を伝える相互交流が生まれています。

 このように言語を超えて他国の文化理解を深めていく楽しさは、今後のSNS活性化における大きな原動力になっていくと考えられます。

事例2 海外への質問も日本語でそのまま!

 SNS上では今、「その国の人」へ直接質問する行為の増加が見られます。たとえば、「韓国のお姉さんたちこんにちは」「アメリカ人に質問です」と日本語で発信すると、自動翻訳を通じて現地のユーザーから直接アドバイスやリプライが届き、リアルな交流が生まれる機会が増えています。

 コスメ関連の話題を例に挙げると、韓国旅行の際に買うべきコスメを現地のコスメ好きユーザーに直接質問したり、逆に日本で買うべきコスメを教えてあげたりするような情報交換が行われています。

 このように、現地生活者の生の声を直接教えてもらえる環境が整ったことで、「現地で本当に流行っているもの」といった情報の真偽を確かめやすくなり、SNSがより信頼できる情報源として機能し始めています。

事例3 言語を超えて広まったゲーム

 Xで、ある韓国のユーザーが韓国語のみで紹介した「猫をブラッシングするゲーム」の投稿が、自動翻訳やレコメンドによって日本でも拡散され、24万件以上の「いいね!」を獲得しました。この投稿には英語も日本語も含まれていません。これまでは言語の壁に阻まれ、リアルタイムにここまで拡散することは少なかったタイプの投稿と言えます。

 このように、「海外で話題になったものが、自動翻訳されて“後から”日本でタイムラグを経て話題になる」のではなく、「海外と同時に、リアルタイムで話題が世界へ広がる」可能性が格段に高まってきていると言えます。

2026年上半期、Xで話題化した事例
2026年上半期にXで話題化した事例のまとめ

自動翻訳で何が変わる?

 2026年の春先時点までは、海外に向けてSNS投稿を拡散させるためには、視覚的に伝える「ノンバーバル(非言語)」な工夫をする必要がありました。しかし現在のXでは、日本語で普段通りの日常を投稿するだけで海外ユーザーへ届くようになり、自国の言語を使ったままでのグローバル拡散が可能となっています。

<自動翻訳によって変わる3つのこと>

  1. 拡散の条件:
    【これまで】ノンバーバルで伝わるものが海外へ広がる
    【これから】自動翻訳され、自国の言語のまま海外へ広がる
  2. トレンドのタイムラグ:
    【これまで】海外で流行ってから日本にやってくる
    【これから】海外と日本で同時に流行する
  3. リスクの範囲:
    【これまで】日本のカルチャーを理解する人に届く
    【これから】意図せず海外に広まり、予期せぬ炎上につながる可能性もある

 X以外のプラットフォームでは、まだノンバーバルで伝わりやすい「動画」が広まる傾向が強いものの、今後はプラットフォームを問わず「どの言語であるか」に関係なくコンテンツが世界へ広がっていくケースが増えていくと考えられます。

 このように、言語の壁がどんどん薄くなることで、日常のSNS投稿から気軽に海外ユーザーとのコミュニケーションが行えるようになり、相互のカルチャー理解がより深まっていくと考えられます。

自動翻訳で変わるトレンドの広がり方
自動翻訳で変わるトレンドの広がり方

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ショート動画は「消費型」から「編集型」へ

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この記事の著者

65dB TOKYO(シックスティーファイブデシベル トウキョウ)

 65dB TOKYOは、ソーシャルリスニングを中心としたマーケティング支援チームです。「65dB」とは、人々が通常の会話で発する音声の強さ(65デシベル)から名付けられており、生活者の声からブランドアクションを生み出す分析および戦略立案を行います。また、TBWA HAKUHODO傘下に組織を置くことで、グローバルレベルのクリエイティブチームとも連携し、マーケティングプロセスをワンストップで支援することも可能です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/77020

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