オープンイノベーションと共創が変革を生む
MZ:大企業単体では、様々な制約から新しい社会価値を生み出しにくい側面もありますが、どうすればよいのでしょう。
長田:確かに、世の中を大きく変えるサービスや商品は、スタートアップから生まれることが少なくありません。「ルンバ」や「LUUP」のように、小さな課題意識から出発し、新しい市場を切り開いてきた事例は数多くあります。
大企業の新規事業部から革新的な事業が生まれにくいのは、既存の枠組みや短期的な成果主義に捉われてしまうからです。大企業こそ、スタートアップや行政、教育機関といった社外のパートナーと積極的に手を組むオープンイノベーションがもっと必要です。
共創環境を作るうえでは、1社で囲い込もうとせず、オープンなプラットフォームを活用することがポイントになります。渋谷という街もそうした実験場の1つです。生活者、行政、若い世代が直結している場で実際に施策を試すことで、机上の空論ではない本物のマーケティング思考が身につきます。
また、社会課題の解決においては、本来はライバルである「競合他社」や「自治体」「学校」などとアライアンスを組む視点も重要です。1社だけでは届かない規模の課題も、多様なステークホルダーが結集することで、大きなインパクトへ昇華させることができます。
変革をけん引し、未来を変えるマーケターへ
MZ:昨年の「BEST OF MARKETING AWARD 2026」では、フードロスという社会課題の解消を目指したファミリーマート社の「涙目シール」が大賞を受賞しました。審査員を務められる長田さんは、どのようなチャレンジ事例の応募を期待されていますか。
長田:社会課題は決して大げさなものばかりではありません。日常の暮らしの中にある小さな課題や困りごとに光を当て、それを解決するアクションの積み重ねこそが重要です。自社の製品開発だけでなく、社内の制度改革や地域連携、あるいは他社や学校、自治体とタッグを組んだ取り組みなど、枠にとらわれない柔軟な事例に出会いたいですね。
特に、「同じ業界の企業同士が手を取り合った事例」や「自治体や教育機関と一体となって社会実装に漕ぎ着けた事例」などは、まさにソーシャルインパクトの鑑だと感じます。取り組みや企業の規模問わず、多くのマーケターからの挑戦をお待ちしています。
また、2026年11月には渋谷未来デザインで「BE A CHANGE-MAKER.」をテーマにカンファレンスイベント「SOCIAL INNOVATION WEEK」を開催します。ビジネスパーソンやクリエイター、行政、学生などが垣根を越えて集い、新たな視点やアイデアを交換する場となります。刺激的なコンテンツを多数発信していきますので、こちらもぜひご自身のイノベーションのきっかけにしていただければ幸いです。
対話と共創を通じて、社会をより良く動かしていく仲間が増えることを願っています。マーケターの皆様も、ぜひ「企業の仮面」を外し、一人のチェンジメーカーとして一歩を踏み出してみてください。
挑戦を恐れない、すべてのマーケターへ。
MarkeZineでは、現在マーケティングアワード「BEST OF MARKETING AWARD 2027」への応募を受け付けています。
書類応募のみで参加可能、締め切りは2026年11月9日まで。皆さんの日々の取り組みや挑戦、先進事例などをぜひご応募ください!
