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MarkeZine Day 2009特集

アクセス解析文化を社内に浸透させる方法
『じゃらん.net』の事例【MarkeZine Day 2009】


 10月2日(金)に開催された「MarkeZine Day 2009」。B会場最後のセッションでは、国内旅行の宿泊予約サービスサイト『じゃらん.net』を運営する株式会社リクルート 旅行カンパニーの東誠氏による、アクセス解析を元にした業務改善の事例に関する講演が行われた。アクセス解析の手法ではなく、データ分析の文化を社内に根付かせるために行った事例の紹介だ。【バックナンバー】

じゃらん.netのビジネスモデル

 冒頭で東氏は、スライドのタイトル『アクセス解析から導くSPDS』にあるSPDSの最初の“S”は、スピーディーの略で、PDSサイクルをすばやく行うという意味で、社内でこの言葉を使っていると説明した。また東氏は「今日は、データ分析のノウハウではなく、分析を浸透させることによって業務改善を行うことを話します」と講演の主題について説明し、担当するサイト『じゃらん.net』のサービス紹介をはじめた。

株式会社リクルート 旅行カンパニーの東氏
株式会社リクルートの東氏

 『じゃらん.net』は、2000年11月にオープンしたサイトで、日本全国の旅館や宿泊施設やツアー、飛行機やレンタカーの予約ができるサービスを提供している。月間のアクセス数は、多い月で450万を超える。2009年9月現在での予約受付人泊(ある宿泊施設に1泊したことを1人泊とした場合)が3775人泊、クチコミ件数が118万件、宿泊施設数が20,015軒、宿泊プラン数が601,844件と、サイトの利上状況データが示された。

『じゃらん.net』トップページ
じゃらん.netトップページ

 同サイトのビジネスモデルは、ユーザーが宿泊施設を予約し、その後宿泊施設を利用すると料金が発生し、契約している宿泊施設から手数料収入が発生するという成約課金モデル。ユーザーに旬の地域・施設情報コンテンツを提供し、宿泊施設を検索してもらい各施設の利用につなげている。

抱えていた課題

 先に挙げたビジネスモデルから、宿泊施設検索からのコンバージョンレートを向上させることが売上の向上につながっていく。そこに検索機能を向上させるために効率的な開発を行っていくことが必要とされる。東氏は「ただ、やみくもに機能開発をすれば売上が増えていくという単純なものでもありません。逆に言えばコンバージョンレートが下がることが、売上ダウンに直結します」とした。

 以上を踏まえて東氏は、「サイトの企画を検討して、それに分析し、どう開発をしていくか定義し、リリースをしたら効果を振り返り、次の企画に繋げていく。これは我々が現在とっているフローです。以前はこうではありませんでした」と、現状の機能開発フローの説明を行うとともに、以前の状態を解説した。

 業務改善以前は、新機能開発を承認するための場面で、企画担当者と決裁者の間で何度も差し戻しがあったという。東氏は、「例えば企画担当者が、『こんな機能付けたらきっと便利ですよ』と提案しても、部長から『本当にその機能はニーズがあるのか?』と突き返すというやりとりを繰り返していました。こういったやりとりを繰り返すことでスピーディーに機能開発が行えないのが課題でした」と、担当者の提案の質が低いことに起因する悪循環があったことを説明した。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/16 20:25 https://markezine.jp/article/detail/8599

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