アプリ開発者の祭典「i-mobile感謝祭」
アイモバイルは現在、PC/モバイル端末向けのアドネットワークを運営しており、今年7月にはスマートフォン向けアドネットワーク「i-mobile for SP」が300億インプレッション、PC向けアドネットワーク「i-mobile for PC」が147億インプレッションを突破。スマートフォン、PC、フィーチャーフォンを合わせた全デバイスの月間広告配信数は518億インプレッションに達している。
第2回となる「i-mobile感謝祭」には、同社のアドネットワークを利用するアプリ開発者ら90名が出席し、会場となった渋谷のカフェ&ラウンジ「Icon」はパーティのような華やかな雰囲気に包まれた。
イベント冒頭では、アイモバイル代表取締役社長の田中俊彦氏が参加者に向けて挨拶を行い、「アプリデベロッパーの皆さんの広告収益向上のために、これからもサービス改善に注力していく」と語った。同社が収益向上の切り札として掲げる「アイコン広告」は、最大350%もの収益アップが見込めるという。いったい、どんな広告商品なのだろうか。
広告収益を上積みできるアイコン広告の魅力
アイコン広告は、スマートフォンでおなじみのアイコンの形をした広告。既存の広告枠とは別枠で掲載するため、現在の広告収益にプラスアルファが見込める点がアプリ開発者にとっては魅力的だ。
アプリ事業部の江村大輔氏によると、現在、アイコン広告のクリック単価(ユーザーの1回の広告クリックから得られる収益額)は平均12~15円。最高平均単価は36~40円、最低平均単価は3~5円。
低単価の事象でよくある原因は、誤クリックが多い、新規ユーザーの流入が少ないなどがある。逆に高単価になりやすいアイコン広告にはどんな傾向があるのだろうか。同社が配信しているアイコン広告の高単価の上位アプリを調べたところ、大きく3つの傾向がみられた。
クリック単価が高いアプリの3つの傾向
ひとつめは、ゲームプレイ中の画面とゲーム終了時の画面に高単価のアイコン広告が集まっていること。以下の図は、江村氏が推奨する効果的なアイコン広告の配置位置。通常画面の上部とゲームクリア画面の下部がとくにおすすめだという。
2つめの傾向として江村氏が挙げたのは、ユーザーの滞在時間。滞在時間が長いアプリほど単価が高い傾向にある。
そして3つめがアイコンの配信位置。位置によってどのように単価が異なるのかをまとめたのが以下の図だ。通常アプリの場合、フッターよりもヘッダーにあるアイコン広告のほうが単価が高い傾向にある。そして、クリック率は画面の右側のほうが高いこともポイントだ。
スクロール式アプリの場合は、ファーストビューに入らない部分に配置されたアイコン広告の単価が高い傾向にあるため、画面下部の掲載を推奨している。
現在、アイモバイルのアイコン広告で設定可能な個数は1~10個。実際にはいくつ掲載するのが効果的なのかという点について、江村氏は「現状では4個配置しているアプリが45%と一番多い。しかし、最高10個から最低1個まで、掲載数はさまざま。アプリに合わせて個数を設定してほしい」と語った。
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アイコン広告と相性のよいアプリは?
アイコン広告への注目が高まっていることから、アイモバイルはSDK(iOS/Android)のアップデートを行った。これによって、本格的にアイコン広告に対応。自社広告を配信する機能や高解像度バナー(114×114ピクセル)の配信も可能になった。リフレッシュ(20~120秒)、個数の自由設定(1~10個)が可能になるなど柔軟性も高まっている。また、通常バナー含め高解像度バナーの配信が可能になっている。アイコン型広告はSDK だけではなく、JavaScript タグでも掲載可能だ。
続いて江村氏は、「どんなアプリがアイコン広告と相性が良いのか」について説明した。収益増加率が高いアプリジャンルは以下の4つで、うち3つをゲームが占めている。
江村氏は最後に、実際にアイモバイルのアイコン広告を導入している4つのアプリを提示してクイズを出題。アイコン広告の位置が異なるこれらのアプリのうち、クリック単価が高いのはどれかを会場に向けてたずねた。350万ダウンロードされている「Clipbox」をはじめとして、それぞれ特徴のあるアプリと異なるアイコン広告の配置位置に頭をひねる参加者たち。
江村氏が苦笑しながら「非常に申し訳ないが、実は全部高単価なんです」と意外な発表をすると、会場は爆笑に包まれた。やはりそのアプリの特性に合った配置が効果的ということだろうか。これらのアプリはアイコン広告配信のすぐれた事例でもある。興味のある方は、ダウンロードして試してみるのもよいだろう。
アイコン広告で広がるビジネスチャンス
続いて、アドネットワーク事業部の吉田真知子氏が、広告主側から見たアイコン広告の状況をまとめた。広告案件数は増加傾向にあり、7月は約150件以上の配信があった。予算は1月比295%増となっており、広告を配信している広告主も、グルメ、美容、ゲーム、EC、電子書籍など多岐にわたっている。
また、ゲームアプリでは、ゲーム案件のコンバージョンが9割を占めているのに対して、ツール系アプリでは、さまざまな業種でコンバージョンしやすい傾向があるという。そんな万能なツール系アプリだが、アイモバイルのアドネットワークではゲームアプリ数の5分の1ほど。他にもニーズの高いニュース・スポーツ情報系アプリ数はゲームアプリ数の50分の1にまで減ってしまう。市場にはツール系アプリは多いが、アイモバイルに登録されているアプリはまだまだ少ないのが現状のようだ。
吉田氏は会場に向けて、「広告主のニーズが高いツール系アプリは、ビジネスチャンスが大きいので、ぜひアイモバイルで登録してほしい」と訴えた。
アプリ開発者の本音トークが炸裂
イベントの後半には、アプリ開発者によるパネルディスカッションが2つ行われ、SSP(Supply Side Platform)を導入してみての実感や、アイコン広告を利用している開発者どうしの忌憚のない意見交換が行われた。
上の写真を見ればわかるとおり、ディスカッションという枠を超えて、パネリストどうしが互いにリスペクトの気持ちを表したり、ライバル視している会社の名前が飛び出したり、収益についての忌憚のない意見が飛び出し、ここでしか聞けない本音トークに会場が大いに盛り上がった。続いて名刺交換会と懇親会が行われ、「i-mobile感謝祭」、別名「アイコン入れナイト」は、話の尽きない参加者の笑い声が満ちあふれ、盛況のうちに幕を閉じた。
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