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MarkeZine Day 2019 Autumn

3つの100年ブランド抱えるアサヒ飲料が明かす、統合マーケティングのポイント

 9月12日から13日の2日間にわたり「MarkeZine Day 2019 Autumn」が行われた。その最初を飾ったセッションの一つがアサヒ飲料の高橋徹氏の「アサヒ飲料が明かす、統合マーケティングの始め方」であった。講演では、マス広告とデジタル広告を組み合わせ、「デジタルシフト」を進める同社の取り組み内容が紹介された。

テレビ広告偏重からの脱却を目指して

 アサヒ飲料は、アサヒグループホールディングスの一員として清涼飲料水ビジネスを展開するメーカーだ。同社の強みは「三ツ矢サイダー」「ウィルキンソン」「カルピス」と100年を超えるロングセラーブランドを3つ抱えている点であり、16年連続で販売数量増を達成している。これは前述の3つを含む重点6ブランドに経営資源の投資を集中してきた成果と、同社のメディアバイイングを統括する高橋氏は説明した。

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 宣伝部 メディアグループ グループリーダー 高橋徹氏
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 宣伝部 メディアグループ グループリーダー 高橋 徹氏

 そんな同社が現在力を入れているのがデジタルシフトを中心とする「統合マーケティング」である。高橋氏によれば、マスとデジタルを統合したコミュニケーションの最適化に注力し始めたのは2017年からだという。同社はそれまで、テレビとデジタルの広告出稿比率は「84:16」とテレビCM偏重になっていた。その適正な比率を見つけ出すべく、アサヒ飲料は統合マーケティングに乗り出した。

 飲料業界では、新商品を発売するときはテレビで認知を獲得する傾向が強かったが、競合他社がデジタル広告に積極的に取り組む中、テレビへの比率が大きいまま放置することは今後の問題になると考えた。確実にリーチを得るためのシミュレーションを行い、「『70:30』の割合でデジタルにもっと投資をしていく必要があると考えた」と高橋氏は当時を振り返る。

クリエイティブ中心からメディアプランニング中心に

 高橋氏は続いて、広告コミュニケーションの変化について語った。2005年頃からYouTubeやブログが登場し、それ以降様々なWebメディアやSNSが台頭していき、消費者が受け取る情報量が爆発的に増加していった。

 その結果、情報源の一つとして有用であったテレビCMが、邪魔な存在として受け止められるようになってきたという。このような環境下で広告コミュニケーションをしていくにあたり高橋氏は「ブランドへの関心と共感を集めることが重要」とした。

 そして、高橋氏はブランドへの関心と共感を集めるには、メディアプランニングを中心とした戦略立案が重要だとした。これまで、アサヒ飲料では、ターゲットインサイトを決めた後に、テレビCMをはじめとしたマス広告用のクリエイティブを制作。統一したクリエイティブでメディアプランニングを行っていた。

 一方、現在はターゲットインサイトが明確になったら、まずメディアプランニングを実施。その上で、出稿する各メディアに合わせたクリエイティブを用意していくという。この理由について、高橋氏は以下のように語った。

 「以前は、優れたクリエイティブ一つで広くターゲットにメッセージを届けることができましたが、年々それが難しくなっています。そのため、今はターゲットインサイトをもとにメディアプランニングを行い、メディアごとに最適なクリエイティブを用意し、すべてが連携したコミュニケーションになるような戦略が求められています」

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32209

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