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SNS上の声を“使えるインサイト”に変換!ニチレイが活用するリサーチサービス「KAIZODE」とは?

 JX通信社は、2022年2月にマーケティングリサーチサービス「KAIZODE」をリリースした。SNS投稿を“要約”することで、ユーザーのリアルな声を“活用できるインサイト”に変換。さらに、収集した投稿を購買ステータスに自動分類することもできるため、カスタマージャーニーに沿ってインサイトを把握することができる、というのがサービスの大きな特長だ。本稿では、「KAIZODE」を導入・活用している食品大手のニチレイがスタートアップのミーニューと共同で展開するAI自動献立アプリの「me:new」を取材。ニチレイ 新価値創造部 関屋氏、ミーニュー 機械学習エンジニア CKO(Chief 献立 Officer)宮本氏、JX通信社の大矢氏に活用の詳細を伺った。

ニチレイがスタートアップと展開する自動献立作成アプリ「me:new」

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、献立自動作成アプリ「me:new(ミーニュー)」の取り組みから、SNS上の声をどのようにマーケティングに活かしていくかについて話を伺いたいと思います。「me:new」では、JX通信社が2022年2月に発表した「KAIZODE(カイゾード)」をマーケティングリサーチに活用しているとのことですが、まずはニチレイが「me:new」の事業を開始するに至った経緯を教えて下さい。

株式会社ニチレイ 事業開発推進部/株式会社ミーニュー 事業推進ジェネラルマネージャー 関谷英理子氏
株式会社ニチレイ 新価値創造部/株式会社ミーニュー
事業推進ジェネラルマネージャー 関屋英理子氏

関屋:ニチレイは元々、戦時下の食糧管理のために国策会社として設立された会社です。戦後の食糧難を救うべく、港に上がった水産品を迅速かつ効率的に内地へ届ける事業をメインに展開してきました。ですので、適切な価格帯でより多くの人に「おいしい」と言っていただけるような商品を届けることを長年ミッションとしてきました。

 しかし時代は変わり、消費のスタイルはマスから個へと変化しました。食事についても、これからはマスのニーズに合わせた商品だけでなく、お客様一人ひとりに合ったものを提案していく時代になるだろうと考え、新規事業として献立提案のサービス「conomeal kichen(このみるきっちん)」を立ち上げたのです。ですが、食品メーカーとして新たに開拓する領域であるため、自社だけではなかなか実現しきれない部分もありました。そこで、同じミッションを持つスタートアップのミーニューと共に事業を進めることとなり、2021年10月からサービスを統合して「me:new」としてサービスを提供しています。

MZ:ミーニューのビジネスモデルは、どのようになっているのでしょうか?

関屋:ミーニューでは、BtoCとBtoBで大きく2つのサービスを提供しています。1つは、一般のユーザー様に広く使っていただくスマホアプリの献立作成支援サービス「me:new」の提供です。特長は、7日分の献立をまとめて自動で作成できること。これにより、献立を簡単に決められるだけでなく、食材の買い出しが楽になり、食材のロスも減らすことができます。メインターゲットは、「2~6歳のお子様がいて、時間のゆとりがない家庭の両親」です。小さなお子様でも食べやすいメニューをそろえており、大人と子供で献立を分けないといけない……という悩みにも応えています。

【アタリ】me:newのアプリのイメージ画像を挿入
「me:new」のアプリのイメージ

 もう1つは、BtoB向けに提供しているクラウドの献立作成支援サービス「メニュープランナー」です。「me:new」の献立作成機能をクラウド化し、企業のホームページやアプリなどのサービスの中に組み込んで使っていただけるサービスを展開しており、生活協同組合コープこうべ様が現在自社のホームページで活用して下さっています。

宮本:生活協同組合コープこうべ様のアプリでは、食材を余らせることなく使い切れる献立を提案する新しい機能も搭載されています。レシピに忠実に作るとどうしても少し余ってしまう食材が出てきますが、食品ロスの問題もありますし、ユーザー側も「使いきれなかった」という罪悪感が残るので、これを解決したいとずっと考えていました。新機能では、献立の最終日に少し余った食材を「全部入れてしまって大丈夫です」という形で提案するアルゴリズムを用いています。

株式会社ミーニュー CKO(Chief Kondate Officer) 宮本紘行氏
株式会社ミーニュー CKO(Chief Kondate Officer) 宮本紘行氏

「KAIZODE」とソーシャルリスニングツールは何が違う?

MZ:ミーニューで活用しているKAIZODEについて、どのようなサービスなのか教えて下さい。

大矢:KAIZODEは、カスタマージャーニーに沿って消費者の抱える不満や未充足、その先にある消費者インサイトを発見するマーケティングリサーチサービスです。弊社は元々報道機関向けに「FASTALERT」というニュース速報サービスを展開しています。これは日々投稿されているTwitterの膨大な情報に対して言語解析機能を活用し、災害や事件、事故につながる投稿を抽出して「今まさに発生している報道すべき速報」を届けるというもので、これをマーケティング分野に応用したものがKAIZODEです。

株式会社JX通信社 マーケティング・セールス局 KAIZODE セールス 大矢知代氏
株式会社JX通信社 マーケティング・セールス局 KAIZODE セールス 大矢氏

 たとえば、ある商品を購入する前は、本当に買うか悩んだり他社製品と比較検討したりしますよね。また、購入したら嬉しい気持ちになり、実際に使ってみたら「ここが良い」「ここは改善してほしい」などと具体的な感想が出てきます。Twitter上には、こういった購入前・購入後の各フェーズで消費者が抱いているファクトがあります。KAIZODEは、これをカスタマージャーニーのフェーズごとに抽出して、AIが独自に算出したスコアで重み付けすることで、消費者の抱える不満や未充足、その先にある消費者インサイトを発見することを可能にします。

収集した投稿は購買ステータスが自動的に付与され、カスタマージャーニーのようにビジュアライズされる
収集した投稿は購買ステータスが自動的に付与され、カスタマージャーニーのようにビジュアライズされる

MZ:「ソーシャルリスニングツール」とは、また違うのでしょうか?

大矢:一般的なソーシャルリスニングツールを利用していると、抽出した投稿から得られる「示唆」の発見は、個人の感覚に依るかと思います。かつ量が膨大だと「示唆」のあるツイートそのものを発見するのも一苦労です。そこで、KAIZODEでは「投稿のユニークさ」を判断するAIを独自に開発しました。自動的に投稿に対して重み付けをして、たとえば「〇〇はまあ良かった」という投稿はスコアを低く、「〇〇最高すぎて本社に足向けて寝れない」という投稿はスコアを高く算出します。KAIZODEはこうした機能化・自動化が得意です。

たくさんの投稿文の中から重要度が高い文章を抽出する

たくさんの投稿文の中から重要度が高い文章を抽出することで、把握するべき内容の見落としを防ぐことができる

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Twitterを活用した市場調査に向け「KAIZODE」を選定

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/08 10:00 https://markezine.jp/article/detail/39015

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