SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

withコロナ時代の接客を考える

コロナ対策から新規ビジネスへ早期にピボット!フィットネスジムのNASが進めるライブ配信

 フィットネスジムを運営するスポーツクラブNAS株式会社(以下、NAS)は、2020年にジムの会員向けにフィットネスプログラムのライブ配信を開始しました。しかし、メインのユーザー層がジムの利用者ではないと早期に判明。サービスの方向を転換し、様々な活用に動き出しています。実店舗を持つ企業へネット予約システムなどを提供するヘイのVPoP倉岡寛氏が詳細に迫ります。

起こすべきは非連続なイノベーション

倉岡:伊野さんが所属されるイノベーション推進部は具体的にどのようなことをなさっているのですか?

伊野:以前からフィットネス業界は変化が起き始めていました。例えば、24時間営業のジムの増加や、いわゆる小型ジムの登場などがあります。弊社も変化が求められる状況の中で、コロナ禍によって想定より早く転換期が来ました。そこで、これまでの概念にとらわれずに、様々な挑戦をしようという思いから、1年半ほど前にイノベーション推進部が新設されました。

スポーツクラブNAS株式会社 イノベーション推進部 部長 伊野光一氏
スポーツクラブNAS株式会社 イノベーション推進部 部長 伊野光一氏

 前提として、弊社は「カラダだけでなくココロも明るく元気に」をテーマに掲げています。心が元気でなければ健康になれない。体を単純に動かすだけにとらわれず、様々な挑戦をしていこうという志向が以前からあります。今日取材に来ていただいている西日暮里店も、最上階を「NAS元気横丁」という昭和30年代を模したスペースにしています。飲食スペースやイベント会場になっているのですが、このフロアを用意した理由も、運動以外でも元気になってもらおうとの思いからです。

NAS元気横丁
NAS元気横丁

 今、具体的に実現していくべき事柄を社内で話していますが、意識している点は非連続とイノベーションです。もちろん全社員が取り組んでいきますが、その中核として破壊的イノベーションを担う部署になっています。

コロナ禍対策から新規事業にシフト

MarkeZine編集部(以下、MZ):御社では2020年からオンラインレッスンNAS LIVEを展開し、配信の内容もヨガなどの体を動かすものから、カルチャーなど多岐にわたります。NAS LIVEを始めた狙いはどこにありますか?

伊野:きっかけはコロナ禍の影響で2020年4月から休業せざるを得ない状況だったことです。会員の方たちに何かサービスを提供できないかという考えから開始しました。フィットネス業界ではオンラインで自宅にいながら運動ができるサービスを提供する企業が現れ始めていて、珍しい選択肢でもありませんでした。

 準備の関係で開始自体は2020年の7月と緊急事態宣言も明けたころでしたが、ジムを休まれている方も多かったですし、まだまだ情勢が不安定だったため、実施に踏み切りました。

 その後、スポーツクラブの実店舗にお客様が戻りつつある中で、オンラインサービスの動向を見ていったときに「どうやら、オンラインのお客様はスポーツクラブに通っている方ではないな」と感じました。休業中は店舗のお客様もいらっしゃいましたが、継続してNAS LIVEをご利用される方へのアンケート結果でも「ジムに通ったことがない」という回答も見られたのです。

 新しいマーケットを感じ、開始から半年も経たないうちにターゲットを店舗のお客様から、それ以外のお客様へ変えて転換を図っていきました。かといって、やることを大きく変えたわけではありません。意識することを変えていったイメージです。

倉岡:NAS LIVEを展開される中で、ユーザー層の違いに違和感を持たれたきっかけは?

伊野:弊社に限らず、どこの店舗にも人気のインストラクターさんが存在します。オンラインでもその人にレッスンをやってもらえれば、相当の集客が見込めるだろうと考えて準備をしました。ところが、予想が外れたんです。それがきっかけですね。

 インストラクターさんのネットワークはしっかりしていて、SNSなどでコミュニティが構築されています。ですから、告知の面では問題はありませんでした。実際に実店舗の場合は、コロナの情勢に関わらず人数制限以上の参加希望があるほどの人気です。そこで、店舗を利用される方は、仲間と一緒に空間を含めて楽しまれているのではないかと考えました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
「退会後のつながり」を維持するには?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
withコロナ時代の接客を考える連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/06/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39123

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング