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生活者データバンク

ニューノーマル時代の生活者インサイト発掘

 コロナ禍によって、マーケティングリサーチのオンライン化も加速しました。その一方で、グループインタビューや訪問調査などのオフライン調査で得られるような気づきや発見を得るのが難しくなっています。本記事では、インテージが複数社と開発した調査手法「ダイナミックサーベイ」を例に、ニューノーマル時代の生活者インサイトを導く方法を解説します。

※本記事は、2022年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』79号に掲載したものです。

オンライン優先時代に生活者から気づきや発見を得る難しさ

 コロナ禍でマーケティングを行う状況も2年を超えました。コロナ禍後の社会へと進む兆しが見えてきている昨今ではありますが、マーケティングリサーチの実施にあたっては、今後もオンラインの調査をより積極的に活用していこうという企業が多いのではないでしょうか。

 オフライン調査を行えない中でインタビュー調査をオンライン上で実施するなどの工夫は行われてきましたが、グループインタビューでの参加者間の自由なダイナミズム、訪問調査で感じられる生活の匂いのような感覚を得るのは難しいと言えます。そういった中で商品開発・マーケティング担当者が生活者インサイトにつながる気づきや発見をどう得るのかが課題となっています。

 ソーシャルリスニング(SNS分析)をマーケティングで利用する目的の一つは、こういったオンラインで行える気づきや発見にあるでしょう。ただ、ソーシャルリスニングの経験がある方は同意いただけると思いますが、一部の流行した商品の分析やSNSを使う層の潮流の分析には向いていても、自社商品の利用や商品に関わる生活行動のような自社商品の課題に近い投稿は少なく、薄い分析結果しか得られないこともあります。

回答者間のインタラクション(相互作用)を活用したWebアンケート調査

 生活者インサイトにつながる気づきや発見に活用できる手法として「ダイナミックサーベイ」というインテージが複数社と共同で開発した方法を紹介します。ダイナミックサーベイは、図表1のように「アンケート画面内で他の参加者の回答内容を利用した設問や情報を出す仕組み」です。

図表1 ダイナミックサーベイの概要
図表1 ダイナミックサーベイの概要

 たとえば、自由回答(テキスト回答)設問の回答内容をそれ以降に回答する他の参加者の評価設問の選択肢として用いることで、自由回答に対する評価を即時に得ることができます。

 ダイナミックサーベイで実現できる聴取の特長は以下の3つです(※1)

※1 質問画面の構成によって実現する特長が変わります。たとえば、他の回答を見る前の状態で自由回答設問を答える構成にすることで、他の回答に影響されずに1.のみを実現することも可能です

1.即時に回答を評価

意見への共感度やアイデアの人気度など、回答に対する評価を次のアンケート配信を待たずに実施できる

2.刺激を受けて発想

他の人のアイデア・意見を見て刺激を受けた上で、インスパイアされた新しい発想を聴取できる

3.回答を楽しむ

回答が他の人に見られる意識やそれまでの回答の評価ランキングを見ることで、回答のモチベーションを高める。投票結果がわかるアイデア募集のような聴取も可能

 こういった特長によって通常のWebアンケート調査ではできなかった定性的聴取と定量的評価のメリットを組み合わせた調査を実現しています。従来の調査手法の中で近い特長を持った手法は、欧米を中心に一般化しているオンライン・コミュニティ調査(MROC)でしょう。

 しかし、日本で行うMROCではオンライン掲示板での参加者間での会話が活発になりにくい点や、調査を実施する側の長期間に及ぶ運用負担などの課題が指摘されています。ダイナミックサーベイはWebアンケート調査をベースに短期間で実施できる点において、より使い勝手の良い手法と言えるでしょう。

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この記事の著者

小木戸 渉(コキド ワタル)

株式会社インテージ カスタムリサーチ事業企画室 マネージャー  2008年株式会社インテージ入社。消費財やヘルスケア領域でのマーケティングリサーチに従事した後、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングに出向し、位置情報ビッグデータとアンケートの組合せなどの新規サービスを実現。現在、インテージにてA...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/29 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39482

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