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サンプル製作における課題解決の突破口に ミズノのシューズデザイナーが牽引する3D活用の裏側

 昨今、さまざまな3D関連ツールが普及し、企業による活用事例も増えてきた。そのひとつがスポーツ用品・アパレルブランドだろう。今回話を聞いたのは、スポーツブランド「ミズノ」で3Dツールを活用したバーチャルサンプルの制作を行う中村敬さん。シューズデザイナー一筋17年の人物だが、それまでに3Dのツールに触れた経験は皆無だったと言う。そんな中村さんを中心に、同社はどのように3D関連ツールを活用しているのだろう。その背景や取り組みについて詳しく聞きながら、企業における3D活用のヒントを探っていきたい。

大量のサンプル作成に莫大なコスト 経験者不在ながら3D活用に挑戦

――まずは、シューズのバーチャルサンプル作成に3Dを活用するようになった背景や、現在の体制についてお聞かせください。

バーチャルサンプル作成における3D活用を考え始めたのは、2018年末から2019年頭にかけてのことでした。

そもそもシューズ製造の工程では「大量のサンプルを作らなくてはいけない」という課題がありました。ひとつの商品でも、カラーバリエーションが男女合わせて20色を超えるシューズもあるのですが、それを商品検討のタイミングごとに工場に発注し作っていたんです。さらに、メッシュや人工皮革といったサンプル素材も、シューズに合わせて数多く作る必要があるといった状況は、工場のサンプル開発室のキャパシティを圧迫し、材料メーカーの人的・物的リソースにも負担をかけていました。費用面だけでなく環境に配慮する観点でも、何とかサンプルを作る数を減らしたいと考え、検討を始めました。

我々が情報収集を始めたタイミングでは、ほかのブランドなどがすでに3DCGを活用したバーチャルサンプルに取り組んでいたため、比較的すぐに3Dを取り入れてみることを決めましたが、シューズ部門に3D用のソフトを扱えるメンバーは当時いなかったんです。そのため最初は、私がひとりで勉強しながら取り組んでみることにしました。まずは数アイテムのバーチャルサンプルを作成し、商品検討のときに使用するところからトライアルを始めました。技術の習得は、基本的に書籍やYouTubeに投稿されている動画などを観ながら行っていましたね。

実際にツールをいちから勉強してみて感じるのは、しっかり1ヵ月間勉強すれば、そのソフトの主要な機能は問題なく使えるようになるのではないかということ。今は使用するソフトも増えてきたため、メンバーごとに担当ツールを設け、得た知識や技術をほかのメンバーに共有するようにしています。現在バーチャルサンプルの作成は、私以外に複数人で対応しています。

バーチャルサンプルを作製するパソコン画面
バーチャルサンプルを作製するパソコン画面

私が3Dで1足を完成させる時間としては、工場からソール(シューズの底の部分)のCADデータをもらい、アッパー(シューズの底以外の部分)をゼロからデザインする場合、もちろん難易度によって日数に幅はありますが、5営業日くらいかかるでしょうか。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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2023/01/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/41174

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