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西口さん!難しいことはわかりませんが、マーケティングで一番大事なことを教えてください

【マーケティング入門第13回】顧客数、購入単価……どうなると売り上げがアップしますか?


 現在、マーケティング領域では膨大な方法論や用語などの情報が氾濫し、初心者マーケターが知識や手法を学ぶ壁となっている。Strategy Partnersの西口一希氏は、初心者向け書籍『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)への反響から、「さらにかみ砕いて伝えるべきだと感じた」という。本連載では、マーケティング領域に足を踏み入れて2年目のMarkeZine編集部・吉永が、西口氏にマーケティングの基本の“き”から質問。第13回は、売り上げを「顧客数×単価×頻度」に因数分解すること、また売り上げと利益の構造についてひも解いていく。

マーケティングの“成功”とは?

MarkeZine編集部 吉永(以下、MZ):本連載ではここまで、主に「顧客」についてお話をうかがってきました。1人の顧客を深掘りするN1分析を通して、誰に何を提供すればいいか、WHOとWHATの組み合わせを見つけることが大事なのですね。何より「顧客理解」が重要だということがわかってきました。

西口:読者の方もそうだったら嬉しいですね。「顧客起点」の意味や(第10回)、顧客をひとくくりに捉えてしまう「マス思考」を回避すべき(第11回)こと、WHOとWHATの組み合わせは複数あること(第12回)も、ぜひ頭に入れておいてください。

MZ:ここからは、そうして理解した顧客に対して提案し、どうなったらマーケティングが成功なのか、お聞きしたいと思います。もちろん一人でも多くの顧客に買っていただくことが目標だとは思うのですが、たとえば「新規顧客の獲得に注力すべき」「いや、ロイヤル顧客が大事」といった議論がありますよね。また、自分が携わっている事業の状況によっても、観点が変わるのかなと思います。

西口:そうですね。連載の第1回で解説した「マーケティングとは何か」に立ち返ってみましょう。私の考えとして、マーケティングの定義を次のように紹介しました。

 顧客のニーズを洞察し、顧客が価値を見いだすプロダクトを生みだすこと。さらに、その価値を高め続けて継続的な利益を生みだし、その利益を再投資して新たな価値をつくり続けること。

(『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p46より改変)

西口:そして、それを分解すると、次の3つのステップがあると説明しました。ここまで解説してきた顧客理解は、主に(1)にあたりますね。

(1)顧客のニーズを洞察し、顧客が価値を見出すプロダクト・サービスを作る
(2)その価値を高め続けて、継続的な利益を生み出す
(3)その利益を再投資して、新たな価値を作り続ける

売り上げとは、「顧客数×購入単価×購入頻度」

MZ:顧客のニーズに基づいて、それにかなうプロダクトを提案する部分ですね。

西口:はい。「新規顧客かロイヤル顧客か」という問いは、その先の(2)に関わります。事業の状況によって注力点をどうするかというのも、(2)や(3)に大きく影響します。

 ただ、それらを考える前に、まず「どうなったらマーケティングが成功か」をひも解く必要がありますね。(2)にある「継続的な利益を生み出す」という部分に注目してください。利益とは、単純化すれば、売り上げからその事業やプロダクトにかかるあらゆる費用を引いたものです。

 ひとまず、売り上げのことを考えてみましょう。そもそも、どうなったら売り上げが上がると思いますか?

MZ:そうですね、まず顧客の数が増えることでしょうか。

西口:はい、顧客数はとても重要です。当たり前ですが、より多くの顧客に買っていただけたら、それだけ売り上げは上がります。ただ、意外と見通せている人が多くないのですが、1回に購入する単価や購入頻度が上がることでも、売り上げが上がります。

『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p153図より改変
『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p153図より改変

西口:つまり「売り上げ=顧客の人数×顧客の購入単価×顧客の購入頻度」という式が成り立っています。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/08/30 13:39 https://markezine.jp/article/detail/45768

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