電通の消費者研究プロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(以下、DDD)」は、7月31日、2024年5月に実施した第8回「心が動く消費調査」の結果を基に、消費者の消費に対する欲望の増減を予測する「欲望未来指数」の最新版を発表した。
欲望未来指数は、経済状況などの外的要因ではなく、「欲しい・したい」という消費者の気持ちの増減を可視化。現代の消費者がもつ43種の「根源的欲求」、75種の「価値観基盤」、「これから欲しいもの・したいこと」といった消費につながる具体的な意欲をもとに算出している。
今回の調査では、調査開始後初めて指数が大幅に減少。具体的には、2023年11月に実施した前回の調査と比較して34.7ポイント下がり、欲望指数は225.0という数値になった。このことから同社は、新型コロナ5類後の消費がピークを過ぎたことで、落ち着く兆しが表れていると推察している。なお、前回から15〜19歳を調査対象者に追加したため、2023年5月以前の結果は参考数値となる。
また、同社は、「心が動く消費調査」から得られたデータを基に可視化した人間の消費行動を駆り立てる感情を「11の欲望(Desire)」として発表。その結果、今回は9つの欲望が減少した。減少の主な要因としては、日本経済の先行きが不透明ながらも、金利上昇、円安、生活コストの負担増など不安要素が複数ある状況において、消費者が消費意欲を抑えようとしていることが考えられる。
各欲望の中でも特に「無理のない自由への欲望」と「心身平常運転の欲望」が大きく減少。その要因として同社は、リベンジ消費をはじめとした新型コロナウイルス感染症の反動から消費者が落ち着きを取り戻したことで、消費者の欲望の潮目が変化しようとしていると分析している。
一方、欲望未来指数自体は2022年11月と同水準に。11の各欲望はすべて2022年11月よりもポイントが高い結果となっているが、「これから欲しいもの・したいこと」といった消費につながる具体的な意欲が低い状況で、消費者は、欲望を満たしてくれる「もの・こと」との出会いを求めていると考えられる。
【第8回「心が動く消費調査」概要】
対象エリア:日本全国
対象者条件:15~74歳
サンプル数:計3,000サンプル(15~19歳、20代~60代、70~74歳の人口構成比に応じて割り付け)
手法:インターネット調査
時期:2024年5月13日(月)~5月22日(水)
主体:電通 DENTSU DESIRE DESIGN
機関:電通マクロミルインサイト
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