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MarkeZine Day 2026 Autumn

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LIONが3年連続で協賛する「オーディオ高校野球」とは?熱量×ストレスフリーが生む広告体験

 昨今、動画やSNS、アプリなどの多様なデジタル体験に広告がともなう中、“ユーザーに嫌がられない”手法として注目が高まる音声広告。特に近年は「デジタルオーディオ広告」市場が伸長しており、ブランディングや購買促進の一手として活用する企業も増えている。本記事では、ラジオ・ポッドキャストサービス「radiko」のオリジナルチャンネル「オーディオ高校野球」を活用したLIONの取り組みから、その勝ち筋を探っていく。「高校野球」というコンテンツと音声広告の親和性、音声ならではのユーザー体験や効果、さらにデータを活かした施策設計・検証まで詳しく聞いた。

月間850万人のリスナーが楽しむ「radiko」

MarkeZine編集部(以下、MZ):2025年のインターネット広告費(出典:日本の広告費2025)で「ラジオデジタル」は前年比111.8%と二桁成長を記録するなど、今、音声広告への注目が集まっています。本日はLIONの取り組みから、音声広告がマーケティングにどのような価値をもたらすのかを紐解いていきます。はじめに、皆さんの自己紹介をお願いします。

神田:LIONの宣伝部門に在籍し、メディア担当をしています。当社が扱う各ブランドのメディアプランの実行フェーズで4マス媒体を中心に、「どの媒体にどれだけ出稿するか」の検討から買い付けまで行っています。プランニング部門や事業部門と連携しながら、多様なメディアを活用したコミュニケーション戦略を推進しています。

ライオン株式会社 国内ビジネスユニット コミュニケーションデザイン部 メディア管理室 神田 正樹氏
ライオン株式会社 国内ビジネスユニット コミュニケーションデザイン部 メディア管理室 神田 正樹氏

真島:朝日放送ラジオ(以下、ABCラジオ)東京支社のデジタルプロデュース部で、ポッドキャストやYouTubeなどデジタル領域の企画・運用を担当しています。本日お話しする「オーディオ高校野球」の立ち上げにも関わり、社内統括としてABCラジオ社内やradikoさんとの連携も担っています。

森下:全国の民放ラジオ局99局とNHK、ポッドキャストがオンラインで楽しめる日本生まれの音声配信プラットフォーム「radikoにおける、「radiko Ad」をはじめとした広告メニューのセールス領域を担当しています。また、今回の「オーディオ高校野球」のような新しい企画/広告メニューの開発や推進にも取り組んでいます。

 「radiko」は2010年に誕生し、2026年現在の月間ユーザーは約850万人。全国のラジオ局の配信に加えて、不定期コンテンツとして「radikoオリジナルチャンネル」も開設しており、その取り組みはまさに「オーディオ高校野球」を皮切りに広がったものです。

国民的イベント・夏の甲子園がradikoのオリジナルチャンネルに!

MZ:まずは、「オーディオ高校野球」の説明をお願いできますか。

真島:「radiko」内の「オリジナルチャンネル」として2024年に立ち上げた、高校野球の専門チャンネルです。ABCラジオで行っている全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の中継を、エリア制限なく試合開始から終了まで完全無料で配信しています。

 関西の老舗放送局であるABCラジオでは、1952年から甲子園の中継を長く続けてきました。ただ近年は、高校野球で二部制が導入されたことに加え、阪神タイガースの中継など番組編成面の事情も重なり、地上波ラジオでは試合終了まで届けきれないケースが増えていました。

朝日放送ラジオ株式会社 東京支社 デジタルプロデュース部 兼 メディア推進部 真島 秀登氏
朝日放送ラジオ株式会社 東京支社 デジタルプロデュース部 兼 メディア推進部 真島 秀登氏

真島:甲子園は、選手だけでなくご家族や友人にとっても特別な舞台ですし、国民的イベントでもあります。最終打席まで様々なドラマがあり、球児たちの一挙手一投足に意味がある。だからこそ、「最後まで試合を余すことなく伝えたい」という思いが本チャンネル立ち上げの背景にありました。

森下:「オーディオ高校野球」は、リアルタイムで聴けなかった方もタイムフリーで振り返って聴取できます。アーカイブ化の側面もあり、試合の熱量や名実況・名場面もデジタルで残せる点は大きいですね。

真島:マーケティングの観点でお話しすると、野球は9イニングで進行し、攻守交替という“区切り”が必ずあります。試合の自然な流れの中でCMを差し込めるので、ユーザーが広告をストレスなく受け入れられるコンテンツといえます。

MZ:実際にどういったユーザーが「オーディオ高校野球」を聴いているのでしょうか。

真島:40~60代男性が中心で、100万人以上の方に聴いていただいております。会社員が5割以上で、仕事をしながら「ながら聴き」している方も多いようですね。そもそもラジオの野球中継自体、アナウンサーが耳で状況が伝わるように実況しているので、そうしたプロの技術による聴きやすさも支持につながっていると思います。

店頭で思い出してもらうトリガーを仕込む。LIONのメディア戦略

MZ:LIONが「オーディオ高校野球」に出稿している狙いをお聞かせください。

神田:当社が扱うトイレタリー製品は、購入前に入念に調べるなどの行動は少なく、お買い物の時の「ついで購入」が多いため「低関与商材」と呼ばれています。多くの場合使い切るまでが1ヵ月程度で、買い替えのサイクルも早く、事前の情報収集がないまま店頭で購入されるケースも少なくありません。ブランドのロイヤルティを高めることは大切ですが、それだけで必ず買い続けてもらえるとは限らない。新しいお客様を獲得し続けることが重要だと捉えています。

 その際に重視しているのが、生活者が店頭に立った瞬間に思い出してもらえる状態を作ること。広告の役割は、購入の場面でブランドを想起する“トリガー”を仕込むことにあると考えています。あらゆる場面で、できるだけストレスなく、シームレスに広告に接触してもらう。そのうえで、ブランドとしてお客様の記憶に残る接点を積み重ねていくことを意識しています。

 その考え方の延長線上にあるのが、クロスメディアでの取り組みです。テレビやデジタルはもちろん、交通広告、新聞・雑誌なども含めて、お客様の生活動線上で当社のブランドに触れていただく機会を幅広く設計することを重視していますね。そうした中で「オーディオ高校野球」に出稿した理由は、高校野球が老若男女にとって国民的な関心事であり、熱量の高いコンテンツだと捉えているからです。ユーザーの年代傾向も踏まえながら、胃薬・目薬・下痢止めといったセルフケア領域の商材を中心に出稿しています。

MZ:「オーディオ高校野球」がスタートした初年から3年連続で協賛し続けているそうですね。

神田:はい。「radiko」では出稿後にブランドリフト調査を通じて好意度や認知度の変化を可視化できるため、施策の評価や継続判断を行いやすい点が特長です。加えて、他社の事例でも手応えが出ているとうかがい、継続の判断につながりました。

「ながら聴き」、ストレスの少なさ、余白ゆえのリマインド効果……音声広告が自然に届くわけ

MZ:音声のみの広告だと、動画や静止画のクリエイティブよりも伝えられる情報量が少ないとイメージする読者も多そうです。音声フォーマットならではの特徴をお教えください。

森下:一番の特徴は、ユーザーの視覚を奪わずに「ながら聴き」できるメディアであることです。移動中や家事中、仕事中など、行動の主体が別にあるシーンでも自然な形でユーザーに接触できます。先ほど神田様よりクロスメディアの観点をいただきましたが、様々な生活シーンで横断的に情報を発信していく目的で、動画メディアやSNSなどを組み合わせたプランニングのご相談も増えております。

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森下:実際に当社が行ったユーザー調査でも、音声広告は他の広告フォーマットと比べてストレスを感じにくいという結果が出ていました。ストレスが少ないぶん、ユーザーに“自分ごと化”されやすい点も特徴だと思いますね。

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MZ:記憶への残り方にも特徴があるとお聞きしました。

森下:おっしゃるとおり、耳で聴いた方が記憶に残りやすいという調査結果もあります。接触した時点での認知度は動画の方が高い一方、時間が経つほど忘却速度も速くなります。一方で音声は記憶が維持されやすい、という傾向が確認されています。

株式会社radiko ビジネス推進室 アカウントプランニングチーム チームリーダー 森下 聖大氏
株式会社radiko ビジネス推進室 アカウントプランニングチーム チームリーダー 森下 聖大氏

MZ:LIONとしては、音声広告の価値をどのように感じていますか。

神田:広告主の立場から見ると、ラジオ広告は素直に「おもしろい」と感じます。たとえば「上司と部下の会話」の設定で音声広告が流れると、ユーザーは自分で情景を想像しながら聴くんですよね。そこに“余白”があるからこそ記憶に残りやすく、後から思い出してもらうリマインド効果も高い。声優さんの演技力も含めて、短い尺でも没入できる世界観を作れるのは音声ならではだと考えています。

 加えて、ラジオはユーザー(リスナー)とMCの距離が近いメディアでもあります。「この人が紹介するなら購入しようかな」と受け止めるリスナーも多くいらっしゃいます。詳細な商品やサービス理解はデジタル広告に強みがあり、信頼感の醸成という点では音声広告が適しています。各メディアの特性を活かした役割分担を意識していますね。

真島:今のお話にも通じますが、ラジオは「本音が出やすい」メディアといえます。テレビのように顔が映らないぶん、話し手も自然体で喋りやすい。そうした空気感が、「安心して聴ける」「感情移入しやすい」といったユーザー体験につながっているのではないでしょうか。

 「オーディオ高校野球」においても、そのような音声の良さを活かしつつ、ファンが熱量を持って接する高校野球というコンテンツをお届けしています。

森下:実際に「オーディオ高校野球」を通して広告接触したユーザーは、対象サービスへの関心や利用意向も高まる結果が出ていますね。

音声広告は他のフォーマットに比べ、関心や利用意向も高い
2025年の「オーディオ高校野球」における認知・興味関心・利用意向調査の結果

リアルタイム位置情報を用いた配信も!購買の瞬間に合わせて訴求できる「radiko Ad」のデータ活用

MZ:先ほど、「radiko」では調査や効果検証ができるというお話も出ました。その他にもデジタルメディアならではの、データ活用の取り組みはあるのでしょうか。

森下:ラジオには地域に根差した放送局、文化があります。サービスの特性上、プラットフォーム側へ位置情報の送信が必要であることをユーザー側に理解いただいたうえで、radikoとしては個人が特定できない形に処理をした形でのデータの取得や蓄積、広告配信への活用を行っております。

 「radiko」に蓄積されている様々なデータは、「radiko Ad」をご出稿する際に広告主企業様が活用いただけるようになっております。具体的には、「ユーザーが普段どんな番組を聴いているか」といった聴取データを活用した配信や、過去の来訪履歴や「特定の場所に今いる人」に対しての配信も可能で、実際に複数の広告主企業様に利用いただいています。たとえば、「今ドラッグストアにいる人」にリアルタイムで商品の購買を促す広告を配信する設計も可能ですから、購買のモーメントに近い接点を設計できます。

 さらに配信後は、ブランドリフト調査や来店計測、購買データ分析などにより、施策成果の可視化や検証が行えます。コンテンツ基軸の配信も可能となり、「オーディオ高校野球」や野球中継をよく聴いている野球ファンに向けてのターゲティング配信もできます。

「モーメントに合ったクリエイティブ」でさらなる相乗効果を

MZ:最後に、今後の展望をお話しください。

神田:先ほどお話ししたとおり、メディアにはそれぞれ特徴に合わせた役割があると考えています。その中で「radiko」には、今ある強みを磨き続けていただけたらと思いますね。たとえば「オーディオ高校野球」のように、デジタルだからこそエリア制約なく聴けるコンテンツには大きな価値があります。また、ラジオCMの“おもしろさ”も、もっと深掘りできる余地があると実感しています。

真島:これまで「オーディオ高校野球」は、一方的に中継を届ける形で配信していました。今後は、応援メッセージを募集して放送席で紹介するなど双方向性のあるラジオコンテンツならではの良さを活かした企画で、ユーザーとのつながりを強化していきたいです。もちろん、まだ本チャンネルを知らない野球ファンの皆さんに向けて、認知もさらに広げてまいります。

森下:LIONさんをはじめ「オーディオ高校野球」にご協賛いただいている企業様の継続率は高く、広告メニューとしても年々注目いただいている手応えがあります。今後も認知拡大を含め、より幅広くマーケティングに活用いただければと思います。

 「オーディオ高校野球」で高い成果を生み出すには、高校野球ならではのモーメントに寄り添った表現に踏み込むことで、さらに相乗効果を狙えると考えています。高校野球は、汗や涙、感動、青春、応援、ふるさとなど、様々な感情や文脈を想起させるコンテンツです。そうした要素をクリエイティブに反映しながら配信できると、より良いコミュニケーションにつながると思っています。また、「radiko」では配信後の効果検証まで含めてご提供できる体制が整っているため、精度高くPDCAを回しながら施策をご一緒できればありがたいです。

 「オーディオ高校野球」をはじめ「radiko」への広告出稿に少しでも魅力を感じていただけた企業様やマーケターの方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご相談いただけると嬉しいです。

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社radiko

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/18 10:30 https://markezine.jp/article/detail/50760