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イベントレポート

Google アナリティクスに、O2O解析、CLV・RFM分析、アトリビューション分析など6つの新機能
【続報 「Google Analytics Summit 2012」】

3)購買頻度や最近の購買状況(RFM分析) 

 現在のGoogle アナリティクス にもリピートの回数や間隔といった、ユーザーの行動を解析できる機能がありますが、この機能がさらにパワーアップします。マルチセッションで計測され、コンバージョンと結びつく形に改良されてRFM機能として登場する予定です。

 RFM分析は、Recency(最終購買日)Frequency(購買頻度)Monetary(累計購買金額)の観点からコンバージョンに至ったユーザーのコンバージョン力(購買力)を指標を割り振ることで量的に評価する分析です。この分析は、ユーザーを分類し、分類したユーザーに対するアクション、戦略を立てるために有効です。

 一般的なRFM分析では下記の分類ができます。まだ、正式にRFM分析のWebインターフェースは公開されていませんが、RFMの指標でユーザーをセグメントできる機能であるため、分析結果により、それぞれに対応するマーケティング戦略を立案することが可能になると想定できます。

優良顧客   クロスセル、アップセル、他に奪われないための戦略
優良潜在顧客  価格、キャンペーンなど違った角度からの訴求戦略
過去の優良顧客  サービス内容の再考、再誘導戦略
価値が低い顧客  見込みが低いため切り離して考える

 ただし、あくまでコンバージョンしたユーザーの分析と優良顧客化、再アプローチ戦略を立案するための機能であることを念頭においてマーケティングに活用する必要があります。

 また、注意点としては、サイトの特性により、この指標のみに頼った分析がそぐわない場合があります。最終購買日が遠く、頻度も少なく、累計購買額も低いが、長年のファンやユーザー、クチコミの影響力が大きいユーザーなどを見落とす可能性があります。CLV機能とともに活用して、大切な顧客を逃さないようにする必要があります。

4)アトリビューション

 アトリビューション機能は、「Google アナリティクス プレミアム(2011年からアメリカ、イギリス、カナダの企業向けに提供されている有料版の Google アナリティクス)」だけで利用できる機能でした。しかし今回のサミットで、プレミアム以外の Google アナリティクス へも利用を拡大させていくと発表されました。すでにホワイトリストベータで公開されはじめています。

 このアトリビューション機能には、マルチチャネルデータを使います。コンバージョンにつながるまでのユーザーの数回にわたる接点(サイトへの訪問)を、接点ごとに分けて、接点の価値として重み付けができる機能です。 

7つの標準モデルとデータドリブン アトリビューション

 重み付けには、以下の7つの標準モデルとモデルをカスタマイズできる機能があります。

  1. 終点(コンバージョンしたセッションを重視する)モデル
  2. 最後の間接クリック(コンバージョンする前のセッションを重視する)モデル
  3. 最後のGoogle AdWords クリックを重視するモデル
  4. 起点(最初のセッション)を重視するモデル
  5. 線形(各セッションを等しく評価する)モデル
  6. 減衰(時間的に最も近いセッションを最重視する)モデル
  7. 接点(起点と終点を40%の価値とし、その他の中間を20%とする)ベースモデル

 これらの重み付けにより、各トラフィックにおけるどの接点の価値が高いかを検証し、トラフィックの広告予算配分を検証できます。アトリビューション モデルは3つまで選択可能で、各モデルの結果を表形式で比較できます。

 さらに、データをもとに自動運転で最適なモデルをガイドする機能の追加も予定されています。「データドリブン アトリビューション」という機能です。30から90日への計測期間の拡張とともに、解析の視点が広がる楽しみな機能です。

 アトリビューション機能の詳細については、下記のドキュメントも参考にしてください。

次のページ
5)ユニファイド セグメント

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この記事の著者

山田 輝明(ヤマダ テルアキ)

NRIネットコム株式会社 クラウドテクニカルセンター 副センター長 兼 営業DX推進担当

2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げ、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告に関するビジネス拡大に注力。2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアッ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/12 11:30 https://markezine.jp/article/detail/16700

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