アウトドア市場の拡大に挑んできたKEEN
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに自己紹介からお願いします。
Justin:キーン・ジャパン合同会社(以下、キーン・ジャパン)のJustin(ジャスティン)と申します。私はスウェーデンの出身で、前職ではラグジュアリーブランドをメインとしたデジタルマーケティングを経験してきました。キーン・ジャパンでは、「KEEN」のデジタルマーケティングおよびEC全般を統括するマネージャーをしています。
坂本:2019年からキーン・ジャパンのEC部門でデジタルマーケティングを担当している坂本です。広告以外にも各チャネルでのKEENファンとのコミュニケーション全般を企画・推進しています。
河原:KEEN様のデジタルマーケティングを支援させていただいております、ロカリオの河原です。当社は、掲げているスローガン「地方を元気に、デジタルマーケティングの力で」のもと、全国8拠点を中心に、中堅・中小の企業様をはじめこれからビジネス拡大を目指す企業様に対して、デジタルマーケティング領域で支援活動をしております。デジタルマーケティング市場のリーディングカンパニーとして地位を確立してきたIREPグループのノウハウを活かし、少額から広告運用を始めたいクライアント企業など、プロモーションスタートアップ時の支援を得意としています。
野口:MetaでアカウントマネージャーとしてKEEN様を担当しております、野口です。Metaに入社したのは約2年前です。クライアント企業の一番良いビジネスパートナーとなることをミッションに、ビジネスのサポートに努めています。
MZ:今日は、アウトドアフットウェアブランド「KEEN」で取り組まれている、Instagramリード獲得広告を活用した施策についてお話しを伺っていきますが、まずはKEENのブランドについてご紹介いただけますか?
Justin:はい。KEENは、2003年に米国オレゴン州でスタートして以来、出自や性別、世代を超えて「誰もがソトを楽しめ、やりたいことを実現できる世界」を目指し、汎用性と機能性を併せ持ったハイブリッド・フットウェアを提案しています。
ターゲットは「ソトを楽しむ人」です。KEENでは「天井のない場所」を“アウトドア”と定義しています。キャンプや登山といったアウトドアアクティビティだけでなく、玄関を出れば、街中も公園もすべてがアウトドアという考えです。なので、ソトを楽しむ人々=アウトドアを楽しむ人々を軸に、「外で身体を動かすのが好きな人」「自然が好きな人」「ファッションとしてアウトドアを取り入れている人」という3つのセグメント分けてマーケティング戦略を立てています。
MZ:デジタルマーケティングでInstagramを積極的に取り入れられている理由を教えて下さい。
坂本:KEENのマーケティング戦略のうち、「Demand creation(需要創出)」に関わる部分でInstagramを活用しています。KEENでは、デジタル上で接触できるターゲットを「何を買うか決まっていない層」「どのブランドを買うか決まっていない層」「どのブランドの何を買うか決まっている層」の3つに分けて考えており、中でも「何を買うか決まっていない層」の態度変容をいかに促すかを重視しています。そのための具体策として取り入れているのが、Facebook/Instagram広告です。
Facebook/Instagram広告の利点は、まず若年層にアプローチできること。加えて、検索型広告と違いアカウントベースでターゲティングできるため、ターゲティングの精度が高い点にあると考えています。
MZ:「どのブランドを買うか決まっていない層」ではなく、「何を買うか決まっていない層」へのアプローチに注力しているのはなぜですか?
坂本:アウトドアの市場全体の拡大を目指しているからです。バイネームでKEENの商品を購入いただくことももちろん重要ですが、アウトドア自体に興味関心を持ってもらい、「アウトドアが好きな人」を増やすことで、市場を拡大していきたいと思っています。