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広告で「遊ぶ」新たなブランド体験の設計。米国ゲーム会社の新事業から考えるマーケティングの未来

スタジアムがリアルからゲームへ。日本企業の可能性

 日本企業にとって、この動きは決して他人事ではない。

 たとえばスポーツブランドなら、限定ユニフォームを制作できる。食品メーカーなら期間限定チャレンジを企画できる。航空会社ならゲーム内イベントのスポンサーとなり、旅行キャンペーンと連動させることも可能だ。

 実際、スポーツスポンサーシップを展開してきた日本企業は数多い。舞台がリアルスタジアムからゲーム空間へ広がるだけとも言える。 特にZ世代やα世代は、ゲームを「遊び」ではなく、友人と集まり、コミュニケーションし、ライブイベントに参加するデジタル空間として利用している。その世代にブランドを届けたい企業にとって、ゲームはテレビや雑誌と同じ「メディア」なのである。

ブランド体験を設計する、これからの広告のあり方

 もちろん課題もある。ゲームユーザーの中には、「広告がゲーム体験を壊すのではないか」と懸念する声も少なくない。SNSやRedditでは、「ゲームの中まで広告だらけになるのでは」という反応も見られた。だからこそ、EAが繰り返し強調する「プレーヤー体験を邪魔しない」という原則が今後どこまで守られるかは重要なポイントとなる。

 一方で、この発表は広告業界に一つの方向性を示した。広告とは情報を届けるものではなく、体験を設計するものだという視点だ。ブランドはもはや広告枠を買うだけでは十分ではない。ユーザーが「参加したくなる体験」を設計し、その世界観の一部として存在することが求められる。ゲームは、そのための最適な舞台になりつつある。

 EA Advertisingは、一企業の新規事業という枠を超え、「広告とは何か」を問い直す転換点として記憶されるかもしれない。日本企業にとっても、この潮流を単なるゲーム業界のニュースとして見過ごすのではなく、次世代のブランド体験を考える契機とすべきである。

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/07/13 09:00 https://markezine.jp/article/detail/77156

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